前回のあらすじ
学院見回り→イクスの教室でアインハルトちゃん発見→デバイスと戯れていた→なんだか好奇心旺盛そうなデバイス→アインハルトちゃんから聞いたヴィヴィオの妙な質問に関しては、少し考えてみたが俺にもよく分からなかった
仕事を終えて家に帰ると、ユーノからヴィヴィオの帰りが遅くなるとの連絡が入ってきた。キャロの方も何だか遅くなりそうだったので、仕方なく先にイクスと風呂に入ったり課題を見てあげていた
「いつもと同じ格好だと思うんだけど」
つい先程帰って来たキャロに怒られて着替えに来たは良い物の、正直何が駄目なのか分からずイクスに服装を選んでもらっている
「ルシエさんの後ろに高町なのは達が居ましたので、その為ではありませんか? 私としても、お父様のいつもはあの人達には見せたくないです」
「他の人にダラしない親を見られるのは恥ずかしいって意味?」
服を受け取りながら、思春期だなぁ。などと考える
そんな事を感慨深くも思っていると、キョトンとしたイクスが俺の考えをアッサリ断ち切った
「いえ、お父様はどんな姿でも素敵です。なので、多くの姿を知って良いのは私とヴィヴィオと、ルシエさんだけです・・・それに、あんな他人がどう思おうと私の感情は少しも揺らぎません」
イクスの中では高町一尉はまだ他人判定なのか
ヴィヴィオを通して何度も食事に行っているはずなのだが、どうも言葉からは仲良くなっていきそうな雰囲気が感じ取れない
何か切っ掛けが必要なのかな
「ねぇ! あっき~、僕も着替えてみたんだけど、どぉー?」
「ん? ぉおお」
振り向くとレヴィが中等科の制服を着ていた
「どうだ!」
「かわいいよ」
「えへへ、でしょー。ぜったいあっきーが喜ぶと思ったもん」
「誤解を生みそうな言葉だな」
悪気も邪な気持ちも無いって分かるけどさ
「それ、イクスのだろ? サイズは大丈夫だったのか?」
あ、女の子にこう言うのを聞くのは良くないとキャロから何度も言われたっけ・・・ま、レヴィなら気にしないだろうし問題ないか
「ん~、ちょっと小さいかな。ほら、僕ってナイスバディだからね! 胸がキツイのだよ! わはは!」
もちろん。レヴィは冗談で言っているのだろうけど、その言葉を真正面から受け止めて、感情豊かにイクスは反応していた
「そんな風には見えないけどね」
「なんだとぉー! 僕だって、ヘイ、フェイトを超えるくらいになるんだからなぁ!」
「それは将来有望だな」
「ねぇねぇ、おっきな僕ならカノジョにしたい?」
レヴィの言う未来を考えて、しっくりしないと思い首を横に振る
「・・・それは無いな。レヴィを彼女にするくらいなら玉砕覚悟でフェイトさんに告白するよ」
「えーえー、フェイトでも良いなら僕にしようよー」
「中身の問題だ」
「ちぇ~、あっきーを持って帰ればシュテるんも喜ぶと思ったのになー」
「そんな動機で良い返事がもらえる訳が無いだろ」
「ん? 僕もあっきーは好きだから問題ないんじゃないのかな?」
どうも、レヴィの好きは恋愛感情とは違うように思える
「好きは好きでも、もっと違う好きじゃないと駄目なんだよ」
「ん~? 分かんない、どの好きなら良いの? 僕はあっきーとキスするのも結婚するのも嫌じゃないよ?」
大歓迎。とオーバーに両手を広げて笑うレヴィに、やっぱりついさっき思った事と同じように考えた
「いずれね。レヴィも運命の人って思える。誰よりも好きって想える人と出会うから、キスも結婚もその人にとっておくこと」
「え~・・・それじゃあ納得出来ないよぉ」
「そんなもんだよ。いつだって納得の良く答えじゃないのが恋愛なのさ」
「なんか良いこと言って誤魔化された気分」
「さ、イクスの着替えも済んだし。降りようか」
まだレヴィは納得出来ずに不満そうにしているけど、とりあえず高町一尉達に見せても問題無いと思われる服装に着替えた俺達は皆が集まっているリビングに降りる事にした