召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三十四話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

疲れで寝ていると本局から連絡→ヒューズが未確認のアンノウンによって重症と知らされる→時間帯のせいもあり後日→病院に向かうと元気そうなヒューズ→ほっとしつつ観察眼で見ると右足が動かないらしい→キャロを追い出して話を聞く→後ろから背中を刺されたと証言→その際に脊髄をやられた→ま、本人が気にしてないしするなと言うのだからそうしよう

 

ついでに何でそんな危険度の高い任務についてるのか聞くと(半ば問い詰めた)ヒューズは実は優秀な査察官らしい。もう怪我で辞めるから言っても良いとのこと

 

一応今までの功績分まとめて昇格するらしくマース・ヒューズ準陸尉になるらしい

 

・・・あれ? また一人俺の上に立ったよ

 

 

「ん~いい天気だ。絶好の警邏日和だな」

 

「ガウッ!」

 

「キュクル」

 

 

今日は危険地区外周の見回り

 

キャロが休みなので代わりの散歩要員として任された

 

 

「ガッガウ!」

 

「ん? そっちにはいかないぞ?」

 

 

担当外だし帰り道まで遠回りだし

 

 

「キッュクルー!」

 

「いかねぇって」

 

 

お前らどれだけ散歩に飢えてるんだよ、歩き盛りかコラ、そう言うのはキャロと一緒の時に解消しておけ

 

 

「ガウガウ」

 

「キュクキュク」

 

「引っ張るな」

 

 

あれ? コイツら小さい割に結構力が・・・

 

 

「おっ! 待て!」

 

「ガウウッ!」

 

「何を言ってるか分からん!」

 

「キュクク」

 

「お前でも同じだ! それに何か笑ってるように聞こえるぞ?」

 

 

せめてもっと見渡しの良い場所だったら適当に放して二匹で遊ばせておけるんだが生憎と道だから放すと逸れる

 

・・・はぁー仕方ないか

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

暫らく二匹に従っていると急に二匹の動きが慎重になったので俺も慎重に進むとキャロの後ろ姿を発見した

 

 

「お前らの目的はあれか」

 

「ガウ」

 

「キュ」

 

 

どうやらそうらしい

 

ふむ、てっきり休みはゆっくりとキャンプに居ると思ったが何でこんな場所に・・・局員外は立ち入り禁止の安全保護区域か

 

まさか一人で来た訳でもあるまい

 

 

「誰か他見えるか?」

 

「ガウッ」

 

 

シロの視線の先にそれっぽい人間を発見

 

キャロと同じくらいの背丈か

 

・・・エリオじゃね?

 

 

「うん、エリオだな」

 

「キュク?」

 

「んー出て行くのは早計だな、もう少し見守ろう」

 

 

主に面白そうと言う理由で

 

二匹も俺の意見に賛同したらしく森の方に一緒に隠れる

 

さて、問題はいかにバレずに様子が伺える距離を維持するか、だな。俺は幻術系の魔法なんて一つも出来ないからなぁ

 

 

「ん? でもフェイトさんから来るって連絡無かったしエリオも黙って来たのか?」

 

 

キャロは大人顔負けの仕事量をしているしエリオもフェイトさんの仕事を喜んで手伝っていると聞く

 

そんなお利口子供達が大人に黙ってなにやら密会

 

・・・ふははっ

 

 

「よくやった。フリードにシロ」

 

「ガウガ!」

 

「キュル!」

 

 

フェイトさんに言うのは後々ゆっくり考えてにするとして、せめて話の内容だけでも聞きたいな

 

 

「フリードもシロもキャロやエリオにバレてるし目立つから野生のフリして近付かせる作戦は無理だろうしな~」

 

 

キャロは自然での犯罪者発見で鍛えられてそうだから隠れても目聡く発見されそう

 

エリオはエリオで優秀なフェイトさんの下で働いてるんだからかなりスキルアップされてるだろうからなー

 

あれ? 二人とも死角が少ねぇ!




誤字の指摘にはとても助かってます

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