召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三十二話~side キャロ~

自然保護、名前だけ聞けばとてもゆったりとしてそうな部隊ですが、その活動はとてもハードな一面を持っています

 

 

「そこの密猟者! ここは保護区域ですよっ!」

 

「うるせぇガキ!」

 

「がき?」

 

 

どうして犯罪者の方々は口が悪い人が多いのでしょうか

 

私は保護隊の人達に連絡を取りながらマニュアル通りに密猟者を追い込みを掛ける

 

 

「フリード!」

 

「キュクル!」

 

 

成功の感覚を思い出すように腕の中の熊のぬいぐるみを抱きしめる

 

ちなみにぬいぐるみはバリアジャケット展開時に一緒に構成されるように調整してもらった

 

 

「竜魂召喚! フリードリヒ!」

 

 

本来の姿を取り戻したフリードに跨って空から密猟者の姿を確認する

 

数は三名

 

それぞれバラバラに逃げている

 

それで追跡を振り切っているつもりなのだろうけど上から見れば誰が如何動いているかなんて一目瞭然

 

 

「わたしは直接は戦えないけど・・・皆をサポートする事くらいはできる!!」

 

 

私は連絡用の空間モニターを複数展開して保護隊の皆に指示を出した

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

密猟者は皆の連携によって被害も特に無く捕獲できた

 

一応私も頑張った訳ですから雨水さんから褒めてもらえるかなぁーなんて期待してキャンプに戻る

 

 

「大丈夫?」

 

「いや、うぷっ、無理、だい、くっ、ハードって」

 

「あらあら」

 

 

キャンプに到着すると雨水さんが女性局員に膝枕をしてもらいながらダウンしていた

 

・・・私が頑張ってる時にぃ

 

 

「雨水さん」

 

「ぁぁ、キャロか」

 

「なんで雨水さんはわたしが頑張っていたのに女性の方と・・・その、良い感じになってるんですか~?」

 

「はぁー? なに、あーメンドクサ」

 

 

なっ! 面倒って。この人は!

 

 

「ボコボコにしますよ?!」

 

「うげっ」

 

 

うげってそれが女の子に対する反応ですかって

 

 

「駄目ですよ、雨水さん。そんな言い方だとキャロちゃんが誤解します」

 

「いや、マジ俺そんな体力残ってない」

 

「もう・・・あのね、何で雨水さんがこんな状態になってるかって言うとね?」

 

 

聞きましょう

 

ええ、もしかすると雨水さんの最後の弁護の可能性もあるんですから

 

 

「キャロちゃんの為に頑張ったからよ」

 

「え?」

 

「空を飛んでるキャロちゃんを必死に追い駆けてたらバテたんですって」

 

「ほ、ほんとですか?」

 

 

あれ? でも、空から見てたけど雨水さんの姿なんて・・・

 

あ、雨水さんて魔法殆ど使えないから普通の一般男性並みだった

 

 

「じゃ、あとの看病はキャロちゃんに任せるわね」

 

「あ、ちょ!」

 

「明日になったら何処まで進展したか聞かせてね」

 

 

行ってしまった

 

 

「う、雨水さん」

 

「ぁう、なにぃ、マジきつ」

 

「ほ、ほんとにわたしの為に?」

 

「・・・。」

 

 

雨水さんは深呼吸をしてゆったりとダルそうに立ち上がると私の傍まできて軽く頭に手をおいた

 

 

「まーな、子供を守るのが大人の役目だし?ま、実際はこの有様だけどな」

 

 

暫らく私を撫でていた雨水さんが突然私に寄り掛かるように抱き着いてきた

 

当然慌てた私は見上げるように雨水さんを見る

 

 

「って気絶してる?! この人どんだけ全力出し切ってたんですか!?」

 

 

慌ててさっきまで横になっていた場所にもって行く

 

お、おもいです

 

 

「なんで雨水さんは・・・いつも格好いいですけど何でこんなに残念な人なんでしょうか」

 

 

それとも私はこんな雨水さんが好きなんでしょうか?




ちょっとした原作との変更点、バリアジャケットにぬいぐるみ追加。

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