とある休日
別に休みだからって、特にする事の無いわたしは仕事をする予定でした
ですが、普段からそんな休日の為か、とうとう先日補佐官のルネからストップが掛かってしまいました
「ふぁ~なにしよぉー」
「おはよ、随分と良い格好だね」
起きてリビングに降りると何故か秋春が居た
あれ? 今日は普通に学院のある日だったと思うんですけど・・・
「あ、えと」
「朝ご飯はイクスが作ったので良ければテーブルに」
「はぁ」
この人はイクスの字でお父様へと書かれたメッセージが見えないのでしょうか
よし、なので私が遠慮しても駄目じゃないですね
私がイクスが作った朝食を睨むように見ていると、秋春はソファーから立ち上がった
「珈琲くらいなら入れるけど?」
「ココア」
「ん?」
「どうせならココアにして下さい」
「・・・ははっ、了解」
ちょっと子供っぽい言い方をしてしまったかも知れません
秋春の笑い方がそんな感じでした
「服。局のみたいだけど前が開き過ぎじゃないかな」
「ッ~!」
言われてみれば、昨日着替えるのが面倒になって適当に脱いで寝たんだっけ
ああ、段々フェイトさんっぽくなってる
「コホン、それより今日は休みだったんですか?」
「まぁね。どうにも俺が働き者に見える人が居たらしくて、騎士カリムから学院を追い出された」
「あっ、私もルネから同じ理由で」
そう言えば、最近相談者が増えてるって言ってたっけ
「はい、ココア」
「ありがとうです」
「いいよ、これくらい」
ソファーに私が座ると、秋春は私の隣に座る
「・・・。」
「駄目か?」
「・・・いえ」
心地良い沈黙
いつも今日みたいな休みなら仕事もしないのになぁ
「はぁーしかし休みと言われても暇だねぇ」
「ですねぇ」
「ああ、そうだ。せっかくだしキャロに意見を聞いてみようかな」
私の意見? 女性側からの意見って事でしょうか
黙ってココアを口にした私を見て秋春は話を続ける事にしたみたいです
「最近同級生の男子が子供っぽいですって相談が増えてきてね。最初は男女の成長の差かなぁって思ってたんだけど、殆どのクラスから聞こえてくるから・・・そう言うモノなのか?」
なんだか難しい問題ですね
私は同年代って言ったらエリオ君ぐらいだし、だけどエリオ君に対して子供っぽいって思った事は殆ど無い
だいたいその頃は私自身が子供だったから
「・・・ちょっとお手上げです。なのはさんとかフェイトさんに聞いてみるか、ヴィヴィオ達に聞いた方が早いですよ」
「そっか。まぁそうしてみる・・・キャロは最近仕事は順調?」
「順調も順調! ルネが優秀だから。思いっきり前線に出れてます」
本当にね。ルネも趣味がまともだったら、もっと最高のパートナーなんだけどね
可愛い物が好きって言うのは私も同じだけど・・・はぁ
「キャロの活躍は学院にも届いてるよ」
「幾ら次元世界一の組織の管理局でも、竜使いは少ないですからね。ましてや私もいまやエース級な訳ですし」
「ははっ、フェイトさんはさぞ鼻が高いだろうね」
「そうだと嬉しいです」
フェイトさんには昔も今も助けられてばかりですから
少し何か返せればとても嬉しい
「私もエリオ君みたいに結婚したいなぁ・・・フェイトさんも安心して、喜んでくれるでしょうし・・・ね、秋春」
「ん? そうかもね」
少し上目遣いで言ってみましたけど、微妙に目を逸らされてはぐらかされてしまいました
まったく先は長そうです
秋春とキャロのちょっとした日常でした