召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百十二話~side シュテル~

少々軽率でしたか

 

レヴィに誘われてアキハルと共に遺跡のモンスター退治を協力する事になりましたが・・・かなりの苦戦を強いられています

 

属性的にレヴィの魔法は殆ど通り難いですし、更に十分に魔力が満ちていないとは言え、私の集束砲を防ぐ頑丈な体

 

とにかくジリ貧です

 

 

「少なくともアキハルが自衛できているので安心です」

 

「うん、そうだね」

 

 

ブレスをバリアで防いでいるせいで、私もレヴィも動く事が出来ない

 

案外放射時間の長いブレスです

 

 

「ん? なんだコレ・・・ッ! シュテルちゃん! レヴィちゃん! この煙に当たらないように!」

 

 

視線だけ動かすと、灰色の煙に包まれ、何度も茜色の魔力光を発している

 

・・・目立った外傷も状態的異常も見受けられませんが

 

 

「シュテるん! 煙がこっちにも来るよ!」

 

「分かってます。しかし、向こうは動かせる気は無さそうですよ」

 

 

幾らなんでも長過ぎる

 

この煙を当てる為に意図している可能性がありますね

 

アキハルが私の所まで煙が来ないように何か対策を取ろうとしていましたが、既に遅く煙は私達を包み込んだ

 

 

「へみゃっ!」

 

 

レヴィが気の抜ける声を出して膝を付いた

 

 

「レヴィ?! バリアジャケット。いや、フィールド系魔法を石化?」

 

 

薄い装甲のせいで利きが速かったのか、レヴィのバリアジャケットが石化して崩れていく

 

続いて私にも変化は訪れた

 

 

「くっ」

 

 

力が抜ける

 

強化系魔法まで無効化している? 考えている間にバリアジャケットへの侵食が始まった

 

 

「二人とも! 魔力放出で一時的に抵抗できる!」

 

「無理です! いま魔力放出を行えばブレスに押し潰されます!」

 

 

迷っている間も侵食は続く

 

あぁぅ、これ以上は・・・駄目ですっ

 

 

「うぬら」

 

 

絶対的な窮地の中、鮮やかな紫の魔力光が私達を包んだ

 

・・・ああ、この色は、王の色です

 

 

「いくら我の登場を演出したいからと言って・・・これは過剰では無いか? それに、好意を抱く相手の前だろうが肌を見せるのは軽率と言うモノだ」

 

 

驚く私達を無視して出来事は進む。先程まであれだけ苦戦を強いられていた、石のドラゴンが、巨大な赤黒い槍に貫かれ息絶えていた

 

私達が何度挑んでも傷一つ付かなかったドラゴンがあっさりしたモノですね

 

 

「みんなぁ! お昼のお弁当が出来ましたよぉー!」

 

「・・・アッハッハ。我の見せ場と思ったのだが、ユーリに取られてしまったな。まぁ良い、そう言う訳だ」

 

「ディアーチェ特製、愛情たっぷりピクニック弁当です!」

 

「なッ! ユーリ! 我は愛情など込めておらん! それにはだな! 臣下に対する労いと言うなぁ・・・む、何を二人してニヤけておる。ほれ、人手が足りんのだから、さっさと服を再構成して手伝わんか」

 

 

王とユーリの言い合いを見て、私とレヴィは自然に笑みを零していたようです

 

 

「うん!」

 

「はい」

 

 

むっとした優しい我らを王を待たせない為に、私とレヴィは急いで昼食の準備を始めた




カートリッジシステムを使えばもう少し善戦したなぁとか後で思いました

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