召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百十一話~side レヴィ~

僕は朝が苦手だ。だって、眠いし・・・眠いもん

 

ふぁ~眠いよぉ

 

んーでも起きないと王様から怒られるしなぁ~

 

それに今日はあっきーと遊びに行こうって決めてたんだった

 

 

「っと言うわけで、遊びに行こっ!」

 

「・・・ん?」

 

 

珈琲のカップを口に付けたあっきーと、その横で本を読んでるシュテるんが僕を見る

 

ズズッと音を立てて一口飲んだあっきーは困ったように笑って立ち上がった

 

 

「寝癖付けて。女の子なんだから身嗜みは気をつけないと」

 

「えぇ~メンドクサイ!」

 

「その意見には同意だけどね・・・まぁ可愛いんだから」

 

 

あっきーに洗面台まで連れて行かれて、身嗜みを整えたところで再びリビングに戻った

 

慣れてる手付きだったけど、普段から長い髪の手入れとかしてるのかな? んーでもあっきーの髪は短い・・・ま、いっか

 

 

「さぁ行こう!」

 

「え? 行くの?」

 

「レヴィ。今日は遺跡の探索の日じゃなかったのですか? 確か地下百五十階のボスっぽいモンスターを倒すとか意気込んでましたよね」

 

「そだっけ?」

 

「そうです」

 

 

んーっと。あのドラゴンみたいな奴だっけ? それともゴーレムだったような

 

様々な遺跡を探検しながら、死蝕現象を止める為に役立つロストロギアだったり、未来技術を探すのが、力のマテリアルたる僕の仕事で日課なのだ

 

まぁ巨大モンスター退治はその一環だねっ

 

 

「じゃっ、あっきーも行こう!」

 

「遺跡に? 無理無理、地下百五十階ってどんだけ深いダンジョンだよ」

 

「だいじょーぶ! シュテるんも一緒だしっ、あっきーは僕が守ってあげる!」

 

「・・・守るねぇ・・・そうだね、ちょっと腕試しにダンジョン攻略してみようか」

 

 

あっきーは口の端を少しだけ上げた

 

・・・んぅ、よく分かんないけど、やる気満々だね!

 

よぉし! 王様に許可もらって・・・ユーリも誘おうかなっ

 

いっぱい僕の強いとこ見せてぇ、シュテるんを応援しないといけないよね

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

別に構わんが・・・弁当は無いぞ?

 

そう言う事で、王様に許可をもらったので、シュテるんとあっきーを連れて攻略中の遺跡に入った

 

ユーリは王様の手伝いがあるんだって

 

 

「到着!」

 

「・・・ボス部屋前まで転移とか」

 

「度々百階以上も降りる訳にもいきませんからね。帰りにはマーカーを置くようにしているんですよ」

 

「えへへっ、えらいでしょー」

 

「ああ、偉い偉い」

 

 

あっきーに撫でられるの好きぃ

 

わしゃわしゃと少し乱暴だけど、優しくしようって感じが分かるもん

 

 

「さて、どんなボスがでるのやら」

 

 

でっかくて禍々しい扉をあっきーが押し開ける

 

そして真っ暗なフロアに変化があったのは、丁度中央辺りに差し掛かった時だった

 

 

「石の九頭竜。とでも言えば良いのか?」

 

 

首の九つあるドラゴンが、威風堂々と構えている

 

うぅー! うずうずする! 今回も戦いがいがありそう!

 

 

「バルニフィカス!」

 

「ルシフェリオン!」

 

「フィールドバリア展開」

 

 

バッチリ準備が整うと竜が目を開けて吼えた

 

僕は最初からスプライトフォームになって天井すれすれを飛ぶ

 

 

「集え、明星。全てを焼き消す焔となれ!」

 

 

いきなりシュテるんも全力全開だねっ

 

でも、集束系はどうしても時間が掛かっちゃうからサポートが必要っと

 

 

「あっきー! 僕が注意を逸らすから、流れてきた攻撃を防いで!」

 

「了解した」

 

 

硬い

 

硬い上に石だから、僕の攻撃が通りにくい

 

でも目的はシュテるんから注意を逸らしながらの時間稼ぎだから、これで十分かなぁーって思う

 

 

「むぅ、砕けろ! 光翼連斬!」

 

 

僕の連撃に時折茜色の魔力弾が混じる

 

あっきーのだ。でも、あっきーが魔法で戦ってるって変な感じ

 

前だったら同じように張り切って戦いを始めても、気付いたら誰かの盾になって倒れてたのに

 

 

「僕も負けられないね」

 

「レヴィ。十数えて集束砲を撃ちます。上手く避けて下さい」

 

 

シュテるんが念話でカウントを始める

 

 

「うぅー折角僕の活躍が始まるところだったのにぃ」

 

 

二秒のところで連撃を止めてシュテるんの後ろに移動した

 

 

「ルシフェリオン、ブレイカー!」

 

「お疲れ、レヴィちゃん」

 

「どお?! 僕、格好良かったでしょ!」

 

「ん? うん、バリアジャケットが薄いから心配したけど、被弾は全然無かったね」

 

「とうぜん!」

 

「二人とも! まだ終わってません!」

 

 

シュテるんの声で、僕もあっきーも慌ててドラゴンを見る。ドラゴンはシュテるんの集束砲を受けたにも関わらず殆どダメージを受けていない

 

そればかりか九つの頭が同時にブレスを吐いていた




いきなりボス戦突入です

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