今回は少しクリスマスっぽさの欠ける話だったと思います。まぁそんなクリスマスもあるかなっ。などと自分に言い訳をして書いていました
いちおう後日談も書いてますが、詳しい描写はご想像にお任せする形となっております
前回のあらすじ
クリスマス当日→運が悪く仕事が入る→楽しみにしていたみたいだけど仕方ない→ヴィヴィオからメッセージ→高町一尉と出掛けているらしい
人間やれば出来る
間に合わないと思っていた仕事も、少しの余裕を残して終わった
とりあえず高町一尉に任せっ放しも悪い気がしたので、脱走を試みる騎士カリムをシスターシャッハの所に誘導した後にイクスに連絡した
「あきパパ~、こっちこっち!」
ホテルアグスタ
前に一度か二度来た事はあるが・・・なんでも、夜景が綺麗で人気なんだとか
「ジャンプしなくても見えてるから安心しろ」
「えへへ~」
不機嫌からと思ったら偉く上機嫌なヴィヴィオに出迎えられる
イクスも不機嫌には見えないし、説得は本当だったんだな
「高町一尉、今日は一日二人の面倒を見てもらって有難う御座います」
「ううん。お母さんだもん、当たり前の事だよ」
「そう言ってもらえると助かります。あ、二人とも」
俺に呼ばれて首を傾げる娘二名に、ここに来る間に適当に選んで買った物を渡す
時間もなかったので直感で選んでいる
「ほい、クリスマスプレゼント」
「へにゃ? 髪留め?」
「とても、嬉しいです。有難う御座います、お父様」
ヴィヴィオには兎、イクスには鳥。それぞれ可愛い感じに作られた髪留めをプレゼントした
二人のデバイスで決めた
まぁ鷹が無かったからイクスは鳥なったけどね
「じゃあ。中で夕食にしながら、今日の事を聞かせてもらおうかな」
「うん!」
「はい」
歩き出すと、両手を塞がれてしまったが、今日くらいは大目に見る事にした
「ふふっ、二人とも雨水さんが来たら、やっぱり嬉しそうだよね。妬けちゃうなぁ」
高町一尉が予約を取っておいてくれているのかと思ったら、聖王教会騎士団の団長の名前で通された
驚いてヴィヴィオに聞いてみると、家族で良い夜を。と団長さんからクリスマスプレゼントとして贈られてきていたらしい
「美味しい」
「美味しいですね」
「ホント、美味しいね」
・・・んーいつもだけど、この三人と一緒に畏まった場所で食べると、俺のマナーの悪さがハッキリと出るな
これでも結構頑張ってるんだけどね
どうにも、一朝一夕で身に付くモノじゃないらしい
「あきパパ」
「なんだ?」
「後でイクスお姉ちゃんと一緒に見てもらいたいモノがあるんだぁ」
「ん? 別にいいぞ?」
妙にヴィヴィオがニヤニヤしているので、イクスの方を見てみると、顔を真っ赤にして俯きながら食べている
いったい何を見せる気だ?
「にやけてるぞ」
「にゃはは、なんでもないよぉー」
「まぁ楽しみにして聞かない事にするが」
「そうそう、それが良い」
この時は、俺もヴィヴィオがあんな事をするとは考えてもいなかった
それはそれで後に語られる事があるかも知れない
「ふぅ、来年はキチンと休みを取っておくからな」
「ん? にゃはは、お願いね。ヴィヴィオは、なのはママとのクリスマスは全然歓迎だけど、イクスお姉ちゃんは違うんだから」
「ヴィヴィオっ! わ、私はお父様の仕事の邪魔をしたいとは思ってません」
ヴィヴィオの言わんとしている事は分かる
イクスの性格上。我が侭なんて中々言えないからな
妹なりの姉への思い遣りか
「まぁまぁ、ありがと。イクスの気持ちは嬉しい。でも、今度は休めるように気を付けるよ」
「・・・はい」
「よしっ、気分を変えて。夜景を見ながら楽しく食べよう? イクスも後で何か見せてくれるんだろ」
「ッ! は、はい。お手柔らかにお願いします」
落ち込んでいたイクスは、再び恥ずかしそうに頬を染めて俯いてしまった
いや、本当に何を見せる気なんだか
とても気になったが、他にも聞きたい事は沢山あったので、後の楽しみと取っておく事にして食事を再開した
後日談
「はぁ・・・お前ら、見せたいモノってそれか?」
「うん! どうだ!」
「いや、どうだ。って言われても」
「お、お父様。私は、その、どう、ですか?」
「うん、イクスは可愛いよ」
「にゃあ~! ひいきだ! あんまりだぁー! ヴィヴィオの方が大きいのにぃー!」
「いや、こう言うのに重要なのは、恥じらいだと思うぞ?」