召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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クリスマス番外編~side 雨水~

番外編(あらすじ)

 

この物語は本編とは一切関係有りません→登場人物の時系列だって、この際無視します→以上

 

クリスマス。例年、雨水家は、家族で外に遊びに行って食事をする。そんな流れが恒例化していた

 

去年は夜通しで準備に時間が掛かり、ヴィヴィオが寝不足でふらふらしていたのが印象的だな

 

ちなみにヴィヴィオが寝不足だった理由は、二度とイクスお姉ちゃんの洋服なんて選ばない。だそうだ

 

 

「もうクリスマスか」

 

「クリスマス? えと、どこかで聞きました」

 

 

本日。世間的にはクリスマスなのだが、俺の予定は目の前に居る悪意の無い困ったさんに潰されている

 

まぁいま重要なのは目の前の書類か

 

 

「降誕祭の別名みたいな感じですよ」

 

 

最も現在はそんな仰々しい感じじゃないけどね

 

 

「聖王祭は終わりましたよ? その片付けをしているんじゃないですかっ」

 

「あーそうですねー。ミッドは聖王教が大多数なせいで、祝い事もあんなに大きくなってしまったんですよねー」

 

 

当の本人はその日はずっと不機嫌だったけどな

 

ともあれ、そう言う事で・・・俺は、少し前に行われた聖王祭の後片付けの為に、騎士カリムから呼び出しを受けていた

 

正確にはザンクトヒルデ学院の職員に招集がかかっている事になる

 

もっと深く言えば、聖王教会系列は全てこの行事の為に、ここ最近は動いていた

 

 

「そうですね。他宗教とは違って、禁忌や制約が少ないのが理由でしょうか」

 

「景観も良いですし、基本若者が式場に選ぶなら此処がメジャーですからねぇ」

 

 

言い方は悪いが、緩い宗教なのだ。もちろん、まったくなんの禁忌も制約も無いって訳じゃないけど、他宗教に比べると明らかに少ない

 

それでも、何だかんだで最大宗教なので、影響力は莫大で計り知れない

 

 

「景観。私は見慣れましたから、逆に都市部が輝いて見えます」

 

「だからって脱走をしないで下さいね」

 

「えーえぇ~、つまんなぁい。折角シャッハもいないのにっ」

 

 

それくらい忙しいから止めろと言いたい

 

境遇を思えば、同情しない訳でも無いけど、正直今はそれどころではない。今度にしてもらおう

 

 

「騎士カリム、お忙しい所に失礼します」

 

 

話しながら仕事を進めていると、カリーノちゃんが尋ねてきた

 

 

「カリーノ副団長? どうされました?」

 

「お疲れ、カリーノちゃん」

 

「お疲れ様です、恩師。今回は恩師に用事があって来ました」

 

 

カリーノちゃんは視線で騎士カリムに了解を得て、端末から空中にモニターを展開した

 

 

「陛下からのメッセージです」

 

「ヴィヴィオから?」

 

「はい、時間も惜しいので、早速再生させてもらいます」

 

 

そう言うとモニターには、ヴィヴィオと高町一尉が映る

 

後ろに見えるのは、新しく開店したとか言っていた大型デパートか?

 

 

「あきパパ! 約束くらい守るの! まったく、毎年同じ事してるんだから、予定くらい空けとこうよ。でも、まぁ仕事なら仕方ないし、あきパパにも付き合いがあるかもだから、今年はなのはママと一緒に遊ぶね? 安心して、イクスお姉ちゃんも説得済みだから・・・なるべく早く仕事終わってね? 夜ご飯は一緒に・・・とにかく頑張って!」

 

 

終わった

 

・・・え? これだけ?

 

 

「カリーノちゃん?」

 

「なんですか、恩師」

 

「まさかとは思うけど。副団長様が、これだけの為に出張ったの?」

 

「陛下のお言葉ですよ? その辺の雑用係に頼める訳が無いじゃないですか・・・そんな事したら団長が怒りますって」

 

 

嬉しいけど、雑用係とかに頼んでくれた方が良かったんだけどな

 

副団長クラスの仕事が滞るとか止めて欲しい

 

 

「ふぅ、まぁ忙しい時にありがとね」

 

「いいえ、しかし、良いのですか? 良ければ騎士団の人員を派遣しますが」

 

「別に絶対行かないといけない訳じゃないからさ」

 

「そう言うモノですか」

 

 

それにイクスを説得したってところが少し引っ掛かるんだよね

 

ヴィヴィオが幾ら口が回るからと言って、朝のイクスの落ち込みっぷりを回復させれたとは思えない

 

 

「カリーノちゃんも仕事頑張って」

 

「え? 私は殆ど終わっていますから。これから孤児院に帰りますが? いまも殆どプライベートで来てるんですから」

 

「・・・ああ、それで騎士喋りじゃなかったのな」

 

 

モチベーションが下がった気がする

 

いや、うん。カリーノちゃんの仕事が終わってるのは、きっとカリーノちゃんが頑張った結果だよな

 

仕事が終わったらしいカリーノちゃんは、映像データを俺の端末に移してた後に帰っていった

 

 

「雨水さん。本当に良かったんですか? 後は私がしておきますけど・・・」

 

「大丈夫ですよ。夕食くらいには間に合わせますから、騎士カリムは気にせず続けてください」

 

「・・・わかりました」

 

 

とりあえず、俺は間に合わなかった時の言い訳を考えながら仕事を再開した




続きます

明日の午後くらいには完成させたいなぁとか思ってます

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