召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百八話~side シュテル~

王に就寝を告げた後。レヴィを自室に寝かせ、アキハルとは客室に案内した所で別れた

 

数日以内にアキハルは帰ってしまう

 

自室に戻った私は、その事について真剣に悩んでいます

 

 

「夜這いを仕掛けてみますか」

 

 

いや、それは最後の手段にとっておくべきです

 

別れの前夜がベストタイミングですね。私の肉体の発育上、子供は作れない可能性が高いですが

 

ふと想像してしまい・・・絵面が危険な事に気付きました

 

 

「ん? 切り替えて考えましょう。いまのアキハルは少年化している訳ですから、むしろお似合いに見えるはずです」

 

 

それに、変に意識しながら行動するから悪いのかも知れません

 

堂々と、アキハルの隣は私。これは当たり前で、確認するまでもない自然な事の様にすれば良い

 

 

「となれば、即実行」

 

 

兵は神速を尊ぶ

 

先人の遺した言葉は勉強になるものが多いですね

 

私は直ぐに身支度を整えて、アキハルの泊まっている客室に足を運んだ

 

 

「アキハル、まだ起きていますか?」

 

 

一日で沢山物事が進みましたからね

 

もしかしたら疲れて寝ている可能性もあります

 

そんな事を考えていると、部屋の中から返事が返ってきた

 

 

「失礼します」

 

「さっきぶりだね。どうしたの?」

 

 

かなり薄着で無防備な格好をしていました

 

 

「襲っても良いですか?」

 

「帰れ」

 

「優しくします」

 

「帰れ」

 

「どう考えても誘っている格好としか思えません」

 

「帰れ。残念だけど、俺は娘と同じくらいの女の子に興味は無い」

 

 

ちょっとした掛け合いのつもりが、とんでも無いモノを掘り出してしまった気がします

 

 

「娘?」

 

「娘。性別が女の子供だね」

 

「それは分かります」

 

 

決して娘と言う言葉が分からなかった訳ではありません

 

私が黙ってしまうと、アキハルは傍に置いてあった端末を手に取った

 

 

「見る? 端末に映像データ入ってるけど」

 

「はい。良ければ」

 

 

なんだか。分岐を得た、私の知るアキハルとは違う存在だと実感させられますね

 

子が出来ていたとは驚きです

 

 

「あった。ちょっと魔法の特訓中のだけど」

 

 

端末に写る二人の少女は余りアキハルには似てなかった

 

母親似なのでしょうか

 

・・・それにしては、髪の色から、瞳の色まで、似て無さ過ぎのような気がしますが

 

あれ? この子はヴィヴィオでは

 

 

「あの、失礼で無ければ。この子達の母親も見せてもらって良いですか?」

 

「ん、まぁ良いけど・・・こっちの子のしか持ってないよ?」

 

 

なるほど、似てない理由は腹違いなのですね

 

本人が居ない以上は、そこまでの事情を私が聞く訳にはいきません

 

 

「はい」

 

「・・・ナノハ?」

 

 

やはり。だとすると、この子はヴィヴィオであってます

 

 

「そうそう、面識はあるんだよね。高町一尉」

 

 

ナノハがアキハルの婚約者?

 

・・・理の司るマテリアルの私でも、この情報には処理落ちしそうです




なのはさんと雨水の関係の勘違いは良くある事です

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