召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百八十七話~side アインハルト~

異世界旅行一日目

 

川で水斬りを行い、昼食を食べた後に、私はヴィヴィオさんを誘って外に出ていた

 

 

「アインハルトさん?」

 

 

・・・困りました

 

私はヴィヴィオさんの気を引く話題は持ち合わせていません

 

この身は覇王流だけに注いできた

 

故に娯楽の類は一切無知

 

 

「アインハルトさ~ん」

 

 

クラウスの話でも喜んでもらえると思いますが、あれは暗い話に繋がりかねない

 

 

「アインハルトさん!」

 

「ッ、はい」

 

「聞いてました?」

 

 

考える事に没頭しすぎていたみたいです

 

 

「すみません。少し考え事を・・・」

 

「にゃはは、いいよ。たぶんそーだろなぁ~って思ったもん」

 

 

くるりとその場で回って腰を低くし、上目遣いに笑顔で私を見上げる

 

なんて愛おしい

 

 

「お友達とのお話し中の所を連れ出してしまってすみません」

 

「ん? ぜんぜんです。アインハルトさんなら、どんな時でも大歓迎なの」

 

 

そう言ってもらえると助かります

 

 

「逆にごめんなさいなの。アインハルトさんを無理やり旅行に誘っちゃったよね」

 

「私もぜんぜんです。ヴィヴィオさんなら、如何なる時も歓迎ですから」

 

 

向かい合って微笑んだ

 

感情を抑える事に慣れてしまった私に、上手く笑顔ができているかとても不安です

 

 

「少し、話をしましょうか」

 

「うん!」

 

 

それから、私の事、ヴィヴィオさんの事、オリヴィエの事、クラウスの事、二人の知っている事を確かめるように話した

 

夕食の時間も近づいてきて、私たちは一旦戻る事にしました

 

語るには時間が全然足りませんでしたね

 

 

「ねぇねぇ雨水先生を参加させるには如何したら良いと思う?」

 

「あの人、基本面倒なの嫌いだしね。前回もかなり渋ってたよね」

 

「秋兄さんって何故か、なのはさんの事が苦手ですよね」

 

「今回は大丈夫だと思いますよ? あれで秋春も親馬鹿ですし」

 

 

宿泊している建物の入り口で、固まって相談している方々を見つけた

 

如何やら雨水先生を何かに誘うらしい

 

 

「えと、元フォワード隊の皆が集合してる?」

 

「ん? あ、ヴィヴィオにアインハルト! やっほ~外で遊んでたの?」

 

 

青髪で活発そうな方

 

えと、確かスバルさんでしたね

 

 

「どしたの? みんなで。あきパパの名前が出てたけど」

 

「うぅん。ほら、二日目に練習会あるでしょ? あれに雨水先生を如何やって参加させようかなって」

 

 

練習会

 

旅行に来る前に少し聞きましたね

 

強者と合間見えれる場。そこには、私の知らない強さがまだ多くあるらしい

 

 

「あ~、うんうん。あきパパって自分の事を低く考えて遠慮するもんね~」

 

「あっそれ分かる! 私とティアのコンビでも負けたのに弱い弱いって嫌味だよね!」

 

「誰でも勝てるはずなんだけど、何故か最後まで生き残ってるのが、あきパパだもんね」

 

 

誰でも勝てる。それは簡単に倒せると言う事なのに、最後まで生存している?

 

まだ雨水先生とは出会って日が浅い私には分からない言葉です

 

 

「うん! わたしも協力する!」

 

「ホント?! ヴィヴィオが居てくれたら鬼に金棒!」

 

「・・・で? どうするの?」

 

「んー普通に説得?」

 

 

それが妥当ですね

 

ヴィヴィオさんの話なら雨水先生も無碍には出来ないはず

 

 

「分かった! 行こう、アインハルトさん」

 

「ええ、私も雨水先生とは手合わせしたいですから」

 

 

前は邪魔が入りましたから

 

今度は流石に邪魔も入らないでしょうから、真っ向勝負、真剣勝負が出来る

 

私の覇王流が何処まで届くか

 

・・・いや違う、届かせるんだ。ヴィヴィオさんを守るために、彼女の父親くらい乗り越えて見せます!




練習会は目玉ですので対戦カードが悩み所です

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