召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百七十四話~side キャロ~

はぁ~ルネの可愛いモノ好きには毎度驚かされる

 

あのTシャツだって、ヴィヴィオくらいだったら似合うと思うけど、流石にわたしにはちょっと・・・ううん、かなり無理がある

 

 

「今日はごめんね? 仕事中なのに」

 

「あ、いえ! わたしよりフェイトさんの方が忙しいのに・・・その、大丈夫なんですか?」

 

「うん。最近は昇格より休みをってお願いしてるから」

 

 

んーっと、それは上の人も困っただろうなぁ

 

フェイトさんの功績を休みに変換したら凄い日数になるはず

 

 

「シャーリーさん、大変ですね」

 

「・・・うん。いつもシャーリーには、私の我が儘で苦労かけてばかり」

 

「同じですね」

 

 

ルネには、いつも助けられている

 

わたしには、もったいないくらい優秀で有能な補佐官。他からアプローチも絶対来ていたはず

 

 

「そう、なのかな。お互い執務官が駄目駄目だと補佐官が苦労するんだね」

 

「・・・フェイトさんにだめだめって」

 

「あ、ち、違うよ! キャロは頑張ってるよ!」

 

 

まぁ、はい

 

未熟なのは本当なのでショックでは無いんですけどね

 

 

「あ、エリオの車だ」

 

「え? 何処ですか?」

 

「ほら、あそこ」

 

 

向かっていたレストランの駐車場に黒い高級車が停まってる

 

凄い高級車です

 

 

「・・・えと、あの高級車ですか?」

 

「あはは、まぁエリオには体裁があるからね」

 

 

諜報部査察長官専属騎士

 

それがいまのエリオ君の役職

 

騎士称号も聖王教会からキチンと貰っていて、管理局内ので発言力も下手をすると提督レベルには匹敵するはず

 

 

「フォワード隊では一番の出世頭ですもんね」

 

「二人とも立派に育ってちょっと鼻が高かったり」

 

 

フェイトさんは恥ずかしげに笑う

 

 

「照れますね・・・ん?」

 

「如何したの?」

 

「はぅ?!」

 

「キャロ?」

 

 

ちょっと刺激の強い光景を見てしまいました

 

あのエリオ君が・・・

 

 

「ん・・・あ、ぅぅ」

 

 

フェイトさんも見てしまったようです

 

 

「う、運転に集中して下さい」

 

「うん、そうする」

 

 

わたしとフェイトさんは顔を赤くしながら、エリオ君の車とは離れた位置に停めた

 

エリシアさんも外でなんて凄いなぁ

 

 

「先に行きましょうか」

 

「そうだね、邪魔したら悪いもんね」

 

 

此処は昔から、わたしとフェイトさんとエリオ君、三人の時に行くお店

 

卵料理が凄く美味しい

 

それに仕切られた空間もキチンとあるので、仕事の話とかを交える時は重宝する

 

 

「キャロ、何にする?」

 

「オムレツで!」

 

「うん、じゃあ私もオムレツにしようかな」

 

 

近くにいたウェイトレスさんに頼む

 

暫らくして頼んだ食事が運ばれてくる

 

それと同じタイミングでエリオ君がやってきた

 

 

「遅くなりました」

 

「お疲れ、エリオ」

 

「久しぶり、エリオ君」

 

「お疲れ様です。フェイトさんもキャロも久しぶり」

 

 

わぁまた伸びてる

 

そして、いつもの事だけど・・・エリオ君の左手の薬指に光る指輪が目に入ってしまう

 

見せ付けてないよね?

 

 

「えと、確かエリオ君が騎士の任命式に出た以来だっけ」

 

「んーっと・・・そうだね。あの後は、エリシアが査察長官になったばかりで忙しかったから」

 

 

ちょっと前の話しになるけど、なんとエリシアさんはエリオ君との結婚をヒューズさんに認めさせる為に、ヒューズさんを査察長官の座から蹴落とした

 

まぁ秋春曰くヒューズさんは元々時期を見て隠居するつもりだったらしい

 

奪い取る形か、譲り受ける形か、その違いだそうです

 

 

「あ、エリオ」

 

「え、はい」

 

「その、えーっとね。私は恋愛って自由だと思うから、ね。その・・・」

 

 

フェイトさん

 

さっきの駐車場の事を触れる気だ

 

 

「はぁ、はい。僕も恋愛は自由だと思います」

 

「うん、でもね? その、節度は大事だと思うんだ」

 

「節度、ですか。はい」

 

「だから、ね。その、さっきエリオが駐車場でしてたみたいな事は控えた方が・・・」

 

 

恥ずかしそうに顔を俯かせるフェイト

 

エリオ君はキョトンとしていたけど、フェイトさんの様子を見て大体話を察せたようです

 

 

「ああ! 見てたんですか?! あはは、いざ言われると恥ずかしいですね」

 

「もぉ」

 

「今度から気をつけます」

 

 

結婚かぁ

 

良いなぁエリシアさん

 

もし秋春とわたしが結婚したら、子供はどんな子かな? ん~男の子だったら、ちっちゃい秋春みたいになるのかな?

 

見てみたいかも

 

 

「キャロ?」

 

「ひゃい!」

 

 

少しだけ妄想に浸ってしまったらしい。フェイトさんが、ボーっとしているわたしを首を傾げながら見ていた

 

 

「オムレツ冷めちゃうよ? エリオのご飯もきたから食べようか」

 

「は、はい!」

 

 

いただきます!




作中で戦闘の無いエリオですが、雨水が関わった事もあって原作越えしています

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