召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百六十七話~side ヴィヴィオ~

えーっと、はい

 

絶賛あきパパのお説教中です

 

急な用事で帰りの遅くなったあきパパは、私とイクスお姉ちゃんを仕事部屋に呼んだ

 

 

「これ、なにかな?」

 

 

一枚の映像

 

公園でわたしがマリアージュと戦ってる

 

 

「にゃ、にゃはは」

 

「なんでマリアージュが写ってるのかな? イクス」

 

 

本来封印されてあきパパの認可無しには使えない力だもんね

 

不思議に思ってとうぜん

 

 

「これは、その、偶然で」

 

「偶然? いったい何が偶然なんだ?」

 

 

空中にモニターを展開されて更に数枚の映像が追加された

 

 

「そして誰が封印を解いたのかな?」

 

「そ、それは魔力を多量に込めて無理やり」

 

「ふぅーん」

 

 

あきパパはイクスお姉ちゃんじゃなくてわたしに顔を向けた

 

バ、バレてるの!

 

 

「嘘を付いたら駄目だよ? イクス。解いた後の再封印が綺麗だね? とても無理やり解いたとは思えない。ねぇヴィヴィオ」

 

「・・・。」

 

「ね? ヴィヴィオ」

 

「ご、ごめんなさーい!」

 

 

あきパパはクリスを見てわたしを見た

 

 

「一人で解いたの? 手助け無し?」

 

「なのはママにちょっと」

 

 

呆れるように溜息を吐くと、端末を操作して再びわたし達のほうに向き直る

 

 

「それなら、イクス達だけ叱るのは駄目か・・・しかし、ヴィヴィオ。お前の行動は軽率過ぎるぞ?」

 

「うん」

 

「イクスも、お姉ちゃんなんだから止める。なに加担してるんだ」

 

「はい」

 

 

よかった~

 

最初あきパパが本当に怒ってたから、もっと怒られるかもっておもった

 

 

「さて、罰は何にしようかなー」

 

「え?」

 

「にゃ?」

 

 

楽しげなあきパパ

 

え? 罰?

 

 

「なに不思議そうな顔してるのかな? 当然だよね、悪いことをしたんだから」

 

「・・・はい」

 

「うん」

 

「んー封印の術式も変えないといけないな。しかし、高町一尉の助言があったからって解いちゃうなんてビックリだが・・・あ、正座して?」

 

 

すぐに実行なの

 

 

「本当にヴィヴィオの成長は目覚しいね」

 

 

そのままいつもみたいに仕事をする時の椅子に座った

 

 

「お父様?」

 

「あきパパ?」

 

「クリス経由。いや、ノノに入ってたデータを調べたのか? セキュリティー面ならウルに頼むのも有りだな」

 

 

わわっ! 無視だ! 完全に無視する気だ!

 

おしおきのレベルが高いよ!

 

 

「ぐすっ・・・お父様ぁ」

 

「えぇ?!」

 

 

イクスお姉ちゃんには、怒られる、叱られる、無視される、は余程堪えたみたいです

 

 

「まったく高町一尉の親馬鹿にも困ったものだ」

 

「あきパパ! たいへんたいへん! イクスお姉ちゃんが!」

 

「おとうさまにきらわれたぁ~!」

 

 

バチバチいってる! なんかバチバチって!

 

 

「あ、そうだ」

 

 

ようやく立ち上がったあきパパはイクスお姉ちゃんに向かって歩く

 

そうだよね! さすがのあきパパでもイクスお姉ちゃんの涙には・・・

 

 

「忘れ物した」

 

 

素通り

 

・・・え? もしかしてあきパパ。かなり怒ってた?

 

 

「貴方の、貴方のせいです。ヴィヴィオ」

 

「え?! そ、そうだけど。いまのはっ!」

 

 

立ち上がって逃げようとしたけど足が縺れて転ぶ

 

 

「右腕武装」

 

 

バチバチいっていた魔力がイクスお姉ちゃんの右手に集まって戦刀の形になる

 

とってもピンチ!

 

 

「・・・イクス」

 

 

イクスお姉ちゃんは戦刀を寸止めしてわなわなしている

 

当然イクスお姉ちゃんを此処まで動揺させれるのはあきパパだけです

 

 

「さて、二人とも。罰の為の道具を取ってきた訳だが」

 

「さっきの無視攻撃で十分だよ!」

 

「は? 俺がそんな陰険なことする訳ないだろ。ねぇ~イクス」

 

「はい! とうぜんです! ヴィヴィオ、言い掛かりは止めなさい」

 

 

それで泣いてた人が言いますか!

 

 

「あきパパのいじわる! なんでそんないじわるばっかするの!」

 

「お前が封印を解いたから」

 

 

ごもっとも

 

そしてイクスお姉ちゃんは既にあきパパから渡された物を嵌めていた

 

 

「明日の登校時はそれで行ってね」

 

 

黄色のナイロン帽子

 

どんな効果のある帽子なのかは知らないけど、あきパパの様子からすると碌なモノじゃないはず

 

 

「ぅぅ」

 

「夜も遅いし、明日に備えて準備しろよ。あと、お前らのデバイスを少し借りるからな」

 

 

クリスとノノは素直にあきパパに向かった

 

設定上仕方ないけどクリスの裏切り者!

 

 

「行きますよ。ヴィヴィオ」

 

「うん」

 

 

なんだか帽子を嵌めたイクスお姉ちゃんはとても幼く見えた




懐かしの帽子です

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