召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百六十六話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

ストラトスちゃんの家へ→両親不在→仕方ないから面倒をみる→目覚めた→いきなり臨戦態勢→・・・殆ど下着みたいな格好で凄まれてもねぇ→落ち着いて互いに自己紹介

 

アギトが作った夕食に満足したのか、出会った時よりは落ち着いた雰囲気を纏っているように思える

 

 

「ふぅ・・・アギトさんは、お料理が上手なのですね」

 

「融合騎だからね。ロードの食生活もサポート出来るように、基本的な栄養管理は可能なんだよ」

 

「なるほど」

 

 

目を閉じて数秒

 

ストラトスちゃんはゆっくり目を開けて口を開く

 

 

「幾たびと問います。聖王の複製体と冥府の炎王の所在を教えて頂けませんか?」

 

 

相当確固たる何かが有るらしい

 

白を切ろうと何度も問い掛けてくる

 

 

「しつこい」

 

「私の存在理由なんです・・・引く訳にはいきません」

 

「ったく、何で俺が聖王や冥王を知ってると思うんだ?」

 

 

ヴィヴィオが聖王だって情報は教会トップくらいしか知らないだろうし、イクスに関しては殆ど曖昧な情報しか存在してないはず

 

 

「これです」

 

 

取り出された端末

 

そこには聖王の鎧を纏っている大人モードヴィヴィオと複数のマリアージュが写っていた

 

 

「おぉー」

 

 

あの馬鹿娘ども

 

後ろのあの遊具は近くの公園か

 

 

「間違い無く。聖王と冥王のマリアージュだと思います」

 

「・・・かもね。で? 俺をそこまで問い詰める意味が分からないんだけど?」

 

「この後です」

 

 

更に数枚

 

変身を解いたヴィヴィオ

 

 

「・・・本人に会えよ」

 

「この後です」

 

 

そしてヴィヴィオは模擬戦など無かったかの様に笑って通り掛かった俺に抱きついていた

 

・・・あの日か

 

一人で公園で何してたのかと思ったらこんな事をしていたのな

 

よし、叱ろう

 

 

「納得して頂けましたか?」

 

「・・・これはストラトスちゃんが撮った映像?」

 

「いいえ、決闘を申し込んだ男性の方が持っていました。貴方より強い方は? と、問いただしたら・・・」

 

「そいつを教えろ。シメるから。ああ、あと映像のコピーも貰うぞ」

 

 

盗撮の容疑でとっ捕まえてやろう

 

 

「記憶に有りません」

 

 

弱かったので、そう小さな声で呟いた

 

地味に酷いな

 

 

「それより、納得して頂いたと思います。教えて頂けますね?」

 

「あのなぁ・・・本人が写ってるなら本人に会いに行け」

 

「その、恥ずかしい話なのですが。何故か会いに行ってみても会えないんです・・・恐らくは周辺の学生だと思うのですが・・・」

 

 

同じ学院の初等科だよ

 

これが正に灯台下暮らし

 

 

「こいつはザンクトヒルデ学院の生徒だ」

 

「え?」

 

 

いっきに真っ赤になっていくストラトスちゃん・・・可愛いねぇ

 

 

「覇王ちゃんはドジっ子だね」

 

「こ、答えてもらいます! 聖王の複製体と冥府の炎王の所在を!」

 

 

誤魔化し切れないか

 

と、言うよりは、どうせ教えなくても、同じ学院と知れば遅かれ早かれ見つけてしまうな気がするって言う方が本音

 

 

「条件がある」

 

「どうぞ。対価なら私が持てるモノ全てでも構いません」

 

「・・・全てね」

 

 

如何にも決意の固めた女の子は、総じて自分の身を軽視しがちだと思う

 

 

「それは上等、明日の放課後。さっきの映像の公園で待ち合わせな・・・現代の聖王を連れてきてやる」

 

 

恐らくストラトスちゃんはヴィヴィオやイクスに良い刺激なる

 

あの子達も家族の為なら自分の身なんて平気で投げ打つはず

 

・・・だが、俺としては何より自分を優先して欲しい

 

 

「心より感謝致します」

 

 

感謝ねぇ

 

全てを賭けた事に後悔しなければ・・・いや、この場合は後悔させないといけないのか




マリアージュとの訓練を激写される

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