召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

261 / 414
原作開始(vivid)
二百六十話~side 雨水~


前回のあらすじ

 

聖王教会に呼ばれる→騎士カリムの予言に新たな詩文が出たらしい→解読を頼まれる→古代ベルカ語だったので、悩んだ末にイクス達に一斉送信→ヴィヴィオから返事→思ったより一大事

 

事が事だけに聖王教会と騎士団の間で何度も話し合いの場が設けられていた

 

まぁそんな周囲の心配を他所に本人達は学生ライフを満喫している

 

 

「つかれたよぉ~」

 

 

仕事も終わって帰るとリビングでヴィヴィオが机一杯に何かのプリントを広げて突っ伏していた

 

 

「宿題?」

 

「そぉー」

 

「初等科でも結構数出るんだな」

 

 

ぶらぶら揺れているヴィヴィオの足元には三つ程の紙の山が有る

 

 

「イクスお姉ちゃんほどじゃないけどねぇ」

 

「ああ、確かにイクスの宿題の量は中等科に上がってからは、急に増えたよな」

 

 

そして高町一尉はその量を少ないと言って家族全員を驚かせていた

 

それはともかく

 

 

「ヴィヴィオがこれだけ頑張ってるって事はイクスは部屋か」

 

「うん。イクスお姉ちゃんはあんまり器用じゃないから」

 

 

机一杯に広がっているプリントを両手で同時に解くヴィヴィオに器用を求められたら、大体の人は不器用だ

 

そして俺と話してる間にも終わっていくプリント

 

 

「って言うかなんでヴィヴィオだけ?」

 

 

普段のこの時間はシロやアギトが夕食の準備で走り待っているはずなのに

 

ウルはどうせ局の開発機関だろうが

 

 

「シロは自然ほごでー、アギトはルールーの家。チンクは教会から家出した妹のそうさく。ウルはいつもどおりぃ~」

 

「そしてイクスは自室で宿題か」

 

「うん」

 

 

あれ? 夕食作る奴が居ない

 

 

「キャロは?」

 

「一回かえってきて着がえて出て行った」

 

「そうか」

 

 

カップラーメンで良いか

 

こう言う時の為に買い置きが少しあったはず

 

 

「あきパパの手料理ぃー!」

 

「よく俺が夕飯で悩んだって分かったな」

 

「まぁね! むすめだもん!」

 

「心を読む技能がデフォルトで付いているのか? 俺の娘には」

 

 

そんな訳ない

 

と返ってくるところがヴィヴィオは真剣に首を捻る

 

 

「あきパパのむすめなら・・・できる? よね」

 

 

聞くな

 

うん、冷静に考えるとヴィヴィオなら学べば読心術くらい一流になれるか

 

 

「はぁ。食べたい物とかあるのか?」

 

「ハンバーグ!」

 

「却下」

 

 

そんな面倒な物を作る訳が無い

 

出来ればインスタントより手軽な料理が良い・・・卵かけご飯くらい?

 

 

 

「ヴィヴィオもいっしょに作るから! ハンバーグ! ハンバーグ!」

 

 

何故そこまでハンバーグに拘りを持つのか

 

 

「宿題が残ってるだろ。よって手伝いは無理そうだ」

 

「むぅ・・・五分! 五分でぜんぶ終わらせる」

 

 

むきになってしまった様だが、とても五分で終わらせれる量じゃない

 

最低でも二日か三日は掛かる

 

 

「はいはい、なら五分後に終わってなかったら諦めろよ」

 

 

取り合えず帰って来て直ぐにリビングに入った為、着替えて無かったので丁度良いと思ってリビングを後にした

 

そして五分後

 

やっぱりと言うか、確かにかなりの量を終わらせてはいたが、最後までは出来ていなかった

 

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

 

何か気まずい

 

 

「ぐすっ・・・ヴィヴィオ、がんばったもん」

 

「そうだな」

 

「がんばったんだもん!」

 

 

まぁ通常なら数日を予定された量を一日でこれだけ終わらせているんだから、十分合格点をあげても良い所なんだけどさ

 

 

「如何しようかぁ」

 

「・・・。」

 

 

涙目に無言で此方を睨むヴィヴィオ

 

もう頑張りを認めてハンバーグにしようかと考えが傾いた時に、リビングの扉が音を立てた

 

 

「ヴィヴィオ、騒々しいですよ。ん? お父様。お帰りなさい」

 

「ただいま。イクスも宿題してたんだって?」

 

「はい、今回は纏めて出されたものですから」

 

 

イクスはヴィヴィオと俺を交互に見て何度か頷く

 

 

「分かりました。ヴィヴィオが我が侭を言ったのですね?」

 

「いきなりヴィヴィオをうたがった?!」

 

「んー我が侭とはちょっと違うかな」

 

 

一連の流れをイクスに説明する

 

 

「そうですか」

 

「ふぅーん、だ。どうせイクスお姉ちゃんはあきパパの味方するんでしょ」

 

「いえ、それは違います。今回に限ってはヴィヴィオの肩を持ちましょう・・・お父様、姉からのお願いです。ヴィヴィオのお願いを聞いてあげて下さい」

 

 

いつものイクスならヴィヴィオの言い分を余り聞かないので俺とヴィヴィオは驚いて目を合わせる

 

 

「いや、うん。イクスが言うなら・・・って言うか、面倒なだけだったから別に良いんだけどさ」

 

「有難う御座います」

 

「やったぁー!」

 

「お父様の手料理は大好きです」

 

「あ! イクスお姉ちゃん! そっちが本音でしょ! ヴィヴィオも手伝うんだからねっ!」

 

 

にしても、決まったのは良いけど材料とかは有るんだろうな?




イクスは勉強は苦手なので宿題はかなり苦労しています

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。