召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十八話~side キャロ~

紛争地域

 

JS事件が終わってから、大きな事件は起こってない

 

だけどやっぱり小さな事件は、いつだって、どこだって、起こっている

 

 

「ルシエ三尉、フォルスで制圧任務です」

 

「ありがとね、ルネ」

 

「いえ、御武運を」

 

 

わたしはフェイトさんみたいになりたくて執務官を目指している

 

フォルスか

 

ちょっと懐かしいな

 

 

「竜魂召喚」

 

「グルルゥ」

 

「フリード、今日も頑張ろうね」

 

「グルッ」

 

 

背中に乗って高く飛ぶ

 

んー転送で近くまで来たから思ったより速く付くかな

 

 

「ルネ」

 

 

モニターを開いて臨時補佐のルネに話し掛ける

 

 

「はい、如何しました? 何か非常事態でも」

 

「ううん、ちょっと暇だから・・・まだ、フォルスの内戦は続いているんだね」

 

「ええ、私がルシエ三尉に拾われた時よりも、激しさは増しているのかも知れません」

 

 

そうかな?

 

ルネの時が一番酷かったとわたしは思うけれど

 

・・・ルネは所謂戦災孤児で子供の内から兵として内戦に参加していた

 

 

「って言うかルネって呼び捨てるの慣れないんだけど・・・駄目?」

 

「駄目です。ケジメですので」

 

「ぅぅルネのいじわる」

 

「可愛いですが駄目です」

 

 

無表情で淡々と答えるルネだけど、最近は感情の変化も段々と分かってきた

 

 

「それにしても、私みたいな素性を知れない者を手元に置いておいて良かったのですか?」

 

「しつこいよ。ま、わたしは打算有りの優しさだから気にしないの」

 

 

フェイトさんの真似事

 

ルネには悪いけど結局突き詰めればそれだけだと思う

 

 

「打算でも、救われた人間が此処に居ます」

 

「ん。あ、暗い話無し!」

 

「露骨です。が、そうですね。話題変更で、最近ミッドに新しいケーキ屋が出来た事はご存知ですか?」

 

「ホント?! 知らない知らない!」

 

 

このフリってまさか!

 

 

「そう仰ると思いまして予約して有ります」

 

 

やったぁぁあー!!

 

 

「ルネ良い子!」

 

「はい、なので頑張って下さい」

 

「うん! じゃ! ちょっと早いけど脅しの意味も込めて!」

 

 

集中

 

いままで回った世界で仲良くなった皆に力を貸してってお願いする

 

 

「竜軍召喚」

 

 

百を超える魔法陣が次々に空に描かれる

 

そして彼方此方で仲良くなった竜の皆が来てくれる

 

 

「相変わらず唖然とする光景です」

 

「ちょっと引かないで~」

 

 

まだ奥の手は出してないよ!

 

 

「フォルスの軍に同情さえしてしまいそうです」

 

「あ! そう言えばケーキって何味?!」

 

「え? チョコですが・・・お嫌いですか?」

 

「大好き!」

 

 

美味しかったら家の皆にも買っていってあげないとだよね

 

 

「では、今度こそ。ルシエ三尉、御武運を」

 

「うん!」

 

 

正面を見据えると地上で火の手が上がっているのが見えた

 

 

「急ごうフリード」

 

「グルゥ」

 

「皆! 全力でサポートするから力一杯出しても平気だよ!」

 

 

流石に百を越す竜の力を非殺傷にするのは骨が折れるけど価値は有る

 

誰も傷付かずに場を制圧出来る

 

 

「時空管理局本局所属キャロ・ル・ルシエ三等陸尉です! 怪我したくない人は武装解除して逃げて下さい!」

 

 

そして返事のように地上から飛んでくる銃弾を見ながら竜軍を突撃させた




管理局員キャロの日常でした

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