召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十六話~side ウル~

正に謎の宝庫

 

雨水家は宝の山だね

 

 

「ふむふむ、この家の内部は魔力素の数値が外部より高い」

 

 

機材が少ないのは難だが、そこは学者の技量でカバーする他ない

 

しかし住んでる者は自然と慣れてしてまっているのか、気付いてないのだろう

 

本来大気中に含まれる魔力素は、多過ぎても、少な過ぎても、体に異常をきたす

 

 

「ククッ、いや、異常が出てるのかな?」

 

 

聖王の器の不自然な魔力暴走に、ご主人様が魔力資質の内の瞬間最大出力と制御能力を欠如している事

 

いずれも悪化しない内なら自然回復も十分可能なレベルだね

 

 

「完全に成熟したリンカーコアを持つ、キャロ君を始めとしたメンバーはその膨大な魔力総量のおかげで何も無かった訳か」

 

 

ふむ、ボクのリンカーコアは成熟しきっているとは思えないので対策を講じておく必要性があるようだ

 

 

「それにしても魔力素に色が付くとは・・・ククッ、これはやはり特殊な魔力を持つ聖王と冥王の魔力が関係しているのか」

 

 

くっくっく、ふふふ

 

 

「いや、笑いが止まらないね」

 

 

楽しいね、知らない知れると言う事は実に楽しい

 

これだけ満ちていると、例え自分の命の危機が来ようとも、ボクは笑顔なんだろうと思えるよ

 

楽しいと言う感情が湧き出るようだ

 

 

「こうなると少々ボクのラボの機材が惜しいね」

 

 

話したら一時的に返してもらえないかな?

 

計測器などはもっと大型ので精密に測ってみたいんだが・・・

 

 

「ウールー。居るぅ~?」

 

 

如何やら集中していたのか大声で呼ばれるまで気付かなかったみたいだね

 

 

「なんだい?」

 

 

ボクは全てのモニターを消して扉を開けて向かい入れる

 

 

「わんっ! ご飯だよっ、お昼ご飯!」

 

 

魔狼希少種のシロ君

 

魔狼と言うだけでも素体には持って来いだが、希少種ならば他の実験のサンプルにも使えるね

 

応用しだいでは移植ベルカの幅を広げれそうだ

 

 

「ああ、別に良かったのだが」

 

「みんなで一緒に食べた方が美味しいよ?」

 

 

同意し兼ねるが任せておけば健康維持が出来るのは有り難い

 

 

「ふむ、そうだね。ボクにも手伝える事が有るかい?」

 

「ん? 大丈夫! あ、もう準備は終わってるからイクス達呼んできてくれると嬉しいかもだね」

 

 

イクス君をね

 

 

「了解したよ。どうせ彼女はいつもの場所なのだろう?」

 

「たぶん」

 

 

シロ君と別れて一度ご主人様と星を見た場所に向かう

 

すると、イクス君とヴィヴィオ君が居た

 

 

「二人とも賑やかのところお邪魔するよ」

 

「にゃ?」

 

「ん?」

 

 

同時に振り向く

 

血は繋がっていないが確かに似た者姉妹と言う印象は持てるね

 

 

「にゃー相変わらずウルのメイドさんはなれないかも」

 

「ククッ何度も言うが、これが、この格好がボクの義務なんだよ」

 

 

そしてこれが正装・・・正しい衣装なのだよ

 

 

「それで? 何ですか、ウル」

 

「昼食が出来たそうでね。下に降りてくるように言われたのだよ、みんなで一緒の方が美味しいらしいのでね」

 

「そうですか」

 

 

イクス君が椅子から立ち上がると首に抱きついていたヴィヴィオ君がぶら下がる

 

 

「重くはないのかい?」

 

「見て分かりませんか?」

 

「重そうだね」

 

「重いです」

 

「なにおー! ヴィヴィオは太ってないもん!」

 

 

いや、太ってなくとも体格の差がそれほど無いので、普通に自分と同じ重さが捕まっているのと同じだろう

 

 

「好い加減に降りなさい」

 

「はぁい」

 

 

三人仲良く。と言う表現は可笑しいのだろうが、少なくとも険悪で無い雰囲気で下の居間に向かった




実に楽しそうなウルです

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