召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十四話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

イクスが一人でリビングを出る→気になって追うと台所で発見→食器洗い中→手伝う→風呂が空いて交代→ウル登場→仕方なく一緒に入る事に

 

我が雨水家の浴槽は、家族も多い分、多少は他の家庭よりも大きい作りになっているのでウルと俺が入る分には問題は無い

 

 

「ご主人様」

 

「なんだ?」

 

 

シャンプーが目に入りそうになり薄目になっているので、ウルが輪っか状の何かを持っている事しか確認できない

 

 

「実は髪を洗いやすくなる利器があるのだが」

 

「シャンプーハットとか言うんだろ」

 

 

流石にそこまで言われればシルエットだけでも分かる

 

 

「・・・先に言うのは酷いんじゃないのかい?」

 

「教えたのは、どうせヴィヴィオだろ」

 

 

拘りが有るのかイクスはシャンプーハットは使わない

 

 

「むぅ」

 

 

頭の上から大量のお湯が掛けられた

 

 

「ありがと」

 

「・・・思ったより大きな背中なんだね」

 

 

背中に泡が当たる

 

力は弱いが中々上手いな

 

 

「父親の背中ってやつだからな」

 

「ふぅん、参考になるよ」

 

 

それから無言で静かな時が続いたと思ったら脱衣所の方に誰かがやってきた

 

 

「秋春~」

 

「キャロか? 如何した」

 

「夜も遅いですし、フェイトさん達に泊まっていってもらっても良いですか?」

 

 

ああ、結局そうなるのか

 

まぁ高町一尉は殆ど毎日ヴィヴィオに会ってるから良いけどフェイトさんは、たまにの休みだしね

 

キャロと居たいのも当然か

 

 

「良いぞ。なら、イクスに俺の部屋で寝るように言っておいて」

 

 

ヴィヴィオが高町一尉の所で寝るならイクスも俺の所で寝せた方が良いよな

 

 

「分かりました~」

 

 

別にイクスが拗ねるとは思わないけど・・・何にも思わないとも思えない

 

 

「さて、次はボクを洗ってくれると助かるかな」

 

「自分で洗え」

 

「やれやれ、ヴィヴィオ君達の話を聞いて少し興味があったのだが・・・仕方ない。父上に認めてもらった時の為に取っておこうか」

 

 

ああ、そうしてくれ

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

風呂上りにそのまま自室に戻ると既にイクスが横になっていた

 

 

「・・・早いな」

 

 

少しくらい話をしようと思っていたんだけど・・・まぁ今日はお客も来て色々あって疲れたよな

 

 

「子供が寝るのには良い時間だが、大人が寝る時間にはちょっと早いよなー」

 

 

端末を開いて今後の予定を確認する

 

現在ザンクトヒルデ学院は長期休み期間中。だが、当然な分かりきってはいるが教員にそんなモノは存在しない

 

 

「シロが居るから留守番は大丈夫か」

 

 

それに明日は高町一尉も予定が無いとか聞いたから残ってくれるだろ

 

 

「しかし長期休みの時って殆ど生徒居ないから相談役は仕事少ないんだよな」

 

 

部活動や事情により教会に居る子は学院に居るから全く相談が来ない訳じゃない

 

 

「おとうさま」

 

「ん?」

 

 

端末を閉じてベットを見るとイクスが体を起こして眠そうに此方を見ていた

 

 

「起こした?」

 

「いいえ、ヴィヴィオのまりょ・・・ふぅ」

 

「途中で面倒になるなよ。ヴィヴィオの魔力が如何したって?」

 

 

イクスは眠気を飛ばす為が数回首を横に振る

 

 

「この程度なら睡眠時の暴走でしょう。ヴィヴィオには時折有るのです、元より安定した性格の持ち主じゃ有りませんから」

 

「子供だしな」

 

「そうですね。魔力が膨大なだけにコントロールには普通より時間を要すのかも知れませんね」

 

 

起きている時は、それすら天性の天才振りで如何にでもするんだろうけど・・・寝ている時は気でも緩んでしまうのだろうか

 

 

「ん? でも、俺と一緒に寝る時はそんな事は一度も無かったけど・・・」

 

「漏れる魔力は本当に僅かですから・・・鋭敏か過敏で無い限りは気付きませんよ」

 

「ふぅん」

 

 

その程度なら別に体の異常も出るような規模じゃないな

 

 

「・・・安心ですか?」

 

「なんで拗ねてるんだよ」

 

 

頬をぷくぅと膨らませて目付きが悪くなる

 

 

「眠気が有る時のイクスって、いつもと違った可愛さを見せてくれるから嬉しいよ。普段なら俺を睨むなんて有り得ない行動だしね」

 

「ふにゃぁ・・・お父様が、反則なんです」

 

 

そうかい

 

 

「もう遅いし、寝るか」

 

「はい」

 

 

一緒に眠り付いたイクスは、電気が消えて暫らくし、確認するように俺のお腹辺りに手を置いて最終的には抱きついていた

 

まだまだ甘えたがりみたい




イクスが拗ねた理由。微弱な魔力をを察知した探知能力を褒めてもらえなかったから・・・とかなんとか

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