召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百四十八話~side ウル~

学院見学

 

それが完成への学習としてご主人様から出された課題

 

生憎と、ご主人様は聖王教会のカリム君のお願いで別行動になってしまったが・・・まぁカリム君が案内してくれるから良しとしないとね

 

 

「どう? いまは・・・んー・・・あっイクスさん達が使ってるみたい」

 

「へぇこれが戦乱を生き抜いた人物が放つ感覚なのかい」

 

 

騎士の称号を遥かに凌ぐ圧倒的実力ベルカの王

 

アレを取り込める素体となると、かなりの強度が必要になりそうだね

 

父上の様に一から作ると言う選択肢も有りだが・・・いや、それでは意味は無いか

 

スカリエッティの娘なら現存する技術で最高品を作り上げて満足するべきではない

 

ククッ難題だね

 

 

「・・・何か悩み事?」

 

「ん? ・・・ああ、確かに少し思考していたが、説明を続けて構わないよ」

 

「そう? で、あっちの子が聖王騎士団副団長」

 

「あの小さい子がかい?」

 

 

まぁ小さいと言っても驚くほど小さい訳じゃないんだけどね

 

・・・何故あんな身の丈に合わない剣を使うのだろうか

 

身体強化の魔法は古代ベルカの基本だが、いや、あの子は近代の方かな

 

 

「本人は気にしてるから言っちゃ駄目よ? あの子も雨水さんの教え子らしいの」

 

「へぇー顔が広いんだね。ご主人様は・・・」

 

 

ご主人様の有名度はボクも知っている

 

ま、名前の一人歩きと言う印象が強かったがね

 

 

「ふふっ私も雨水さんには学ばされる事が多いのよ」

 

「ふぅん」

 

 

柔らかい笑顔と言うのはこんな感じなのだろうね

 

一つ学んだよ

 

 

「あ、このクラスはヴィヴィオさんのクラスだわっ」

 

「・・・。」

 

「ウルさん?」

 

 

あのヴィヴィオ君の手元の魔法陣はなんだろうね

 

・・・もしかしてあれがベルカとミッドのハイブリットなのかね?

 

 

「ん? なんだい」

 

「入って見る? 丁度魔法の勉強みたいだけど・・・」

 

 

魔法行使に集中しているようだけど、けして教師の話を聞いていない訳でも無さそう

 

片手はノートを取っているのが証拠だね

 

流石一流の天才

 

 

「遠慮しておこう」

 

「良いの?」

 

「邪魔はしたくないからね」

 

 

あの魔法式には興味があるね

 

ボクはミッドの方には詳しくないからハイブリットなんて発想は無かったのだよ

 

 

「ところでカリム君」

 

「なにかしら?」

 

「向こうの入り口で覗き見をしている人物が此方に気付いたようだが・・・」

 

 

窓から見る。と言う選択を彼女は選べなかったのだろうか?

 

 

「やぁ、なのは君。ボクはキミに会いたいと思っていたよ、キミはどうだい?」

 

 

ベルカ王と渡り合えるミッド式の使い手

 

それは天才や鬼才と言うよりは異常としか言い表せない数値外の現象

 

 

「に、似合わない!」

 

「・・・第一声がそれかい?」

 

 

だから、これが正装なんだよ

 

 

「あ、ごめんね。ウルちゃんを見るとスカリエッティを思い出しちゃって変な気分になるんだ」

 

「まぁボクはジェイル・スカリエッティの娘だからね。面影があるのは当たり前だよ」

 

「そう、だよね。それより今日は何で学院に?」

 

「それは此方の台詞なのだが?」

 

 

確か彼女は教導隊員ではあったが教師なのでは無かったはずだが

 

 

「そうねぇ・・・見付かったら、またシャッハに怒られるわよ? なのはさん」

 

「今日は大丈夫です!」

 

 

慌ててなのは君は首から提げていた許可書のような物を出した

 

 

「本物ですね」

 

「本物だね」

 

「当たり前だよ!」

 

 

いや、この程度の許可書なら少し知恵のある人なら誰でも偽装できると思ってね

 

 

「なのは君」

 

「にゃっ、私? んー慣れないな」

 

「ん? まぁ良い。中を見たいなら窓から見れば良いのでは?」

 

「だって迷惑じゃないかな?」

 

 

・・・それは理屈が合わないのでは?

 

廊下に面する窓は内部の様子を逐一観察出来るようにと言う目的も有るのだから、本来の用途で使う事になんらおかしい所は無い

 

むしろ出入り口の戸を塞ぐ方が迷惑ではないのか

 

 

「なのはさんなら大歓迎ですよっ」

 

「・・・うん、その、私って有名らしいから・・・雨水さんとかヴィヴィオから注意されるんだ」

 

「あーなのはさんは子供にも大人気ですものね。女子生徒には憧れの的ですし」

 

「ぅぅ、嬉しいけど・・・」

 

 

エースオブエース

 

局内だけでなく世間でも好感を持たれているみたいだね

 

 

「ん?」

 

「如何したの? ウルさん」

 

「いや、なんでもないよ」

 

 

あ、式が変わった

 

いったい何の効果のある魔法なんだろうね

 

手の平にある小サイズの投射面魔法陣はベルカ式なのだが、環状魔法陣も同時に使っている様にも見える

 

そう言えば現聖王は冥王に対抗する為に、ありとあらゆる魔法等をご主人様から教わったらしい

 

 

「やはり他人を通して見るとご主人様は別人の様だ」

 

 

家に帰ったら直接聞いてみようじゃないか・・・もしかしたら独自のオリジナル魔法を知れるかも知れないね

 

ククッ楽しみだ




イクスは実技でヴィヴィオは座学の勉強中です

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