召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百四十二話~side キャロ~

大人気ない事をしてしまいました

 

秋春の事となると熱が入ってしまいイクスちゃんと競ってしまう

 

 

「キャロ? 疲れてるなら寝てても良いよ」

 

 

屋内プールの帰り

 

イクスちゃん達とは別に、秋春がわたしを本局まで送ってくれると言うので甘える事にした

 

 

「ふぁだいじょうぶれす」

 

「欠伸してるじゃねぇか。水の中の浮遊感って独特だからな、まず使わない筋肉を使ったりもするし、気付かない内に疲れも溜まってるはずだよ」

 

「・・・では、すぐに着くと思いますけど」

 

 

どうせ本局までの道のりは遠くないけれど、仕事に影響したくないから眠る事にした

 

幾らか時間が経った頃

 

・・・体を揺さぶられているような気がする

 

 

「おーい、キャロ~」

 

 

・・・ん

 

 

「あ、んみゅ」

 

「くくっイクス達には見せれない姿だな」

 

「秋春っ」

 

 

飛び起きるとドアが開いていて秋春がわたしを覗き込むようにして笑っていた

 

そしてハンカチを取り出してわたしの口元まで持ってくる

 

 

「よだれ」

 

「~ッ!」

 

「暴れない」

 

 

ぅぅ恥ずかしい

 

まさか秋春にこんな姿を見せてしまうなんて・・・さすがに警戒心なさすぎでした

 

 

「秋春くらいです。わたしのこんな姿を見ているのは・・・」

 

「そうかもね。キャロと付き合いが一番長いのは俺になるんだもんな」

 

「そうですよっ、裸も見たんですから責任とって下さい」

 

 

出会って間もない小さい頃の話ですけどね

 

それでもあれだけジックリ見られていたのだから、言っても良いと思います

 

 

「ノーカン」

 

「女の子の裸にノーカンなんてモノは有りません!」

 

「いや、殆ど男と変わら・・・ごめんなさい」

 

 

笑顔で封殺

 

秋春は一体何を言うつもりだったのかな?

 

大体分かるけど・・・まったく昔から女心の分からない人です

 

 

「まったく! 気を付けて下さいよ、もぉっ」

 

「ああ、気を付ける。それじゃっ仕事頑張れよ」

 

「言われなくても頑張ります」

 

 

憧れのフェイトさんに頑張って追いついてみせますよ

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

仕事場に戻るとルーちゃんとチンクがわたしの席の前で唸っていた

 

 

「二人ともありがとっ」

 

「ん? ああ、待機だけだから楽なモノさ。それより雨水との交流は楽しめたか?」

 

「キャロの役に立てて嬉しい」

 

 

様子からして緊急の事は起こってないみたいだけど・・・起こったら強制転移してもらう予定だったし、何も無かったのは知ってるんだけどね

 

 

「んと、エリオ君からだ」

 

「エリオから?」

 

 

二人が唸っていたモニターを見てみる

 

暗号化されたファイルがエリオ君の通信回線から送られてきていた

 

エリオ君だけど態々暗号化してるって事はエリシアさんなのかな?

 

 

「うん、たぶんエリシアさんからかもだけど・・・もらったソフトが・・・」

 

 

幾つか手順を踏んで暗号化を解いた

 

 

「違法ベルカ事件の裁判結果」

 

「あの事件か? 幾らなんでも早すぎだろう、ドクターのJS事件も事後処理は結構早く終わったが・・・」

 

「あ、ウルって子のだけか」

 

 

だよね

 

JS事件と違って、違法ベルカに加担したミッド人はそれなりの数が居たもんね

 

 

「結果は?」

 

 

ルーちゃんとチンクが横からモニターを覗き込む

 

 

「これは・・・」

 

「ビックリ」

 

 

確かにこれは・・・法的には問題は無いし前例も有る

 

 

「秋春の評判のせいなのかな」

 

 

恐らくだけど秋春が家に帰った頃には荒れている可能性があるのかな

 

今日は早く帰ってあげよう




ウルの今後決定

ま、皆さんの予想通りと思いますけどね

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