召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百三十九話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

屋内プールへ→ヴィヴィオがはしゃぐ→イクスが止めに→何故か高町一尉が居た→なんでも今度水泳の指導会があるらしい→そして昼食→再三に渡りヴィヴィオがイクスを挑発→二人が戦闘態勢

 

まぁ戦闘態勢と言っても此処は屋内プール

 

恐らく泳ぎでの勝負だろう

 

 

「ヴィヴィオ。説明を要求する」

 

「ん? んーっとおやこ対決」

 

 

現在、高町一尉とヴィヴィオ、俺とイクスがそれぞれ向かい合って横並びにプールの中に入っている

 

 

「じゃっ! せつめいするねっ! えと、それぞれ、なのはママやあきパパが、ヴィヴィオやイクスお姉ちゃんの手を引いて、先に向こうについた方が勝ち! ちなみにヴィヴィオ達はバタ足ね!」

 

 

なるほど確かにそれなら高町一尉が邪魔になってヴィヴィオも実力の全部は出せない

 

・・・まぁそれはイクスも同じだけどな

 

 

「どうせ勝負するなら勝ちに行こうか」

 

「もちろんです」

 

 

イクスの手を掴んで開始の合図を待つ

 

 

「じゅんびは良い? ・・・どーん!」

 

 

開始と同時に高町一尉と俺は後ろ向きに歩き出す

 

 

「意外とのんびりした競技だな」

 

 

高町一尉はヴィヴィオに気を使っているのか、少し遅めの歩調だし、俺に至っては・・・限界です

 

 

「お父様の手は大きいですね」

 

「子供のお前らに比べたらな」

 

「それに暖かいです」

 

「水の中だから余計にね」

 

 

話しながら勝敗も気になるので隣を見るとヴィヴィオと高町一尉も結構楽しそうに話していた

 

勝負って感じがしないな

 

 

「お父様」

 

「なに?」

 

「お父様はヴィヴィオの大人モードをどう思いますか?」

 

「・・・便利だよね」

 

 

あれを応用すれば一応子供モードもできるはずなんだよな

 

実際シロの場合がそうなのかな

 

あれ? だとしたら、アギトと協力すれば、俺も子供モードできるんじゃね?

 

 

「魅力的とは思いませんか?」

 

「ん、ああ、魅力? まぁそれはヴィヴィオだからな。魅力はたっぷりだろうよ」

 

 

何せ王様だからね

 

大人モード自体が聖王モードと言う訳では無いけれど、やっぱり子供の姿の時に比べると周りに与える影響は違ってくる

 

 

「・・・どうせヴィヴィオの方が大きいです」

 

「ん? どうせ?」

 

「いえ、なんでもないです」

 

 

何でも無い事は無いだろうに・・・大人モードに何か支障が出てるのか? だとしたら今度にでも調べないとな

 

 

「にゃはっはっは! あきパパもイクスお姉ちゃんもおそいおそい! このちょうしだとヴィヴィオの勝ちだもんねぇー!」

 

 

たぶんイクスもだと思うが、いまのヴィヴィオの挑発にはイラっときた

 

 

「ヴィヴィオ!」

 

「はにゃ?」

 

「さっきイクスが水着を引っ張ったせいで後ろの紐が緩んでるぞ!」

 

 

驚いたヴィヴィオは確認の為にいきなり手を離してしまった為に態勢を崩した

 

 

「ってか、ヴィヴィオの水着ってセパレートタイプだから、波も無いプールだと普通は自然には脱げないよな」

 

「ですね」

 

 

向こうが混乱している隙にマイペースに進む

 

ちなみにイクスはパレオとか言う水着だそうだ

 

これって高町一尉の趣味なんだよなぁ

 

 

「うんうん、高町一尉は基本突発的な事態に弱いから対処が遅い」

 

「流石お父様は策士です」

 

「勝てば官軍ってね。罰ゲームでも付けておけば良かった」

 

 

そして勝負の結果は

 

一度混乱したヴィヴィオと高町一尉はかなり対処のせいで遅れてしまい、追い抜いた俺らに最後まで追いつく事が出来なかった

 

つまりは俺とイクスの勝利で終わった




なんとか姉の威厳は死守です

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