前回のあらすじ
久々に無限書庫へ→ユーノ不在→フェイトさんと遭遇→事件の捜査か寝不足気味→重症なので寝かせようと思う→代わりに資料探しをする事になった
約束通り三十分で起こそうと思ったけど違法ベルカ式と言うのは気になるので少し約束は破らせてもらおう
どうせ三十分程度じゃ睡眠不足は取れないだろうからな
「しかしベルカの文献や報告書なんて・・・もうちょっと絞らないと」
ベルカ式とは、カートリッジシステムの使用の難易度の高さや妙に才能に偏っている術式などが原因で衰退した技術
更には古代ベルカ式ともなれば、そのレア度の高さは一気にはね上がる
しかし古代ベルカ式の戦乱期ベルカ式の魔法には特徴がある・・・特徴と言うか今で言う欠陥かな
非殺傷設定の効果が薄い
これはイクスもヴィヴィオも共通する。守護騎士の皆さんは、当時闇の書の蒐集のおかげで問題なかったみたいだけどね
・・・武器や徒手で魔力を打ち込むにしても、斬ったり殴ったりの非殺傷設定って意味不明だしな
「いや、しかしユーノのおかげで随分探しやすくなってる」
一昔前なら、この程度の調べ物でも調査隊でも派遣しないといけなかったんだからな
◇◇◇◇◇◇
黙々と調べて約二時間弱
流石にフェイトさんには怒られはしたが、それなりの収穫もあった
違法ベルカ式には一人の科学者が関わっている事が判明した
「スカリエッティ・・・またお前か」
フェイトさんには犯罪を犯した者には、恐らく共通の協力者が存在しているとだけは伝えておいた
なんせスカリエッティは監獄に居る訳だから今回の事件に関与しているとは思えない
「雨水秋春」
「ん?」
こんな人気の少ない所で呼び止められるとは思ってなかった
・・・って誰だ
知らない奴だが何処と無く悪意を感じる
「へっ名声だけは大きいから探すのに苦労したぜ」
「・・・えーっと誰?」
「違法ベルカ。聞き覚えはねぇか?」
さっそくか
「・・・その違法ベルカさんが一教師の俺に何の用だ?」
SOS信号でも出しておけば良いかな?
五分か十分もあれば誰か管理局の人が駆けつけてくれる
「お前の首には懸賞が掛かってんだよ」
「一教師の首に懸賞なんて掛けるな」
「なにが一教師だ。お前の情報ならこっちはかなり掴んでんだよっ・・・ジェイル・スカリエッティの野望を砕いた男」
・・・なんて傍迷惑な誤差情報なんだろうか
「野望を砕いたのは機動六課と言う部隊でな? 部隊長は八神はやて。分かった? 俺じゃない。人違いだ、いまなら勘違いで何も無かった事にしてやる」
「アッハハハ! 確かにスカリエッティを逮捕したのは機動六課。これは野望阻止の直接的な原因だな・・・しかし、何故今まで局の追ってを難無く掻い潜れたスカリエッティが、機動六課の手で簡単に逮捕されたんだろうな?」
「知るかよ。機動六課が優秀だっただけだろ」
「殆ど待ち伏せみたいな形なのにか? いや、まぁそうかもな? しかし、そうじゃないって思った奴が居た訳よ・・・まぁこれ以上は企業秘密で喋るなって言われてるから教えられねぇけど」
って事は今までの話はあえて聞かせていた事になる
理由を知って死んでいけって考えか?
つまりその思考になると結構恨みを買ってるな
「一応再確認するが標的は雨水秋春。この俺であってるんだな?」
「ああ、雨水秋春が俺達の標的だ」
「その懸賞って名の報酬はなんだ」
「絶対的な力だ」
「なるほ、どっ!」
懐の拳銃の引き金を迷わず引く
「おいおい、会話の途中に撃つかよ。だけど、これで情報が正しいって事が分かった・・・ホントに魔法が使えないんだな」
自動防御・・・と言うよりは、事前にフィールド系のバリアを張ってやがったな
その依頼主は相当俺の事を調べているらしい
「じゃっこっちも遠慮無く」
男は剣型のアームドデバイスを展開して三角形の魔法陣を展開した
「やれやれ、今度からアギトと常に一緒に行動するようにしようかな」
「カートリッジロード!」
しかしスカリエッティ以外の科学者で、これ程までの人体改造が出来る奴なんか存在するのか?
考えたい事は色々あるが・・・
まぁまずは目の前の事態が先決だよな
雨水がピンチ!違法ベルカ編ではオリキャラが登場します