前回のあらすじ
ヴィヴィオとイクスが玄関で待ち伏せ→イクスの方がキチンと順序もあったので褒める→ヴィヴィオが拗ねた→取り合えず本題→水着を買いたいらしい→何故か俺に選べと→高町一尉に任せよう
そして早速休日
高町一尉の予定は大丈夫なようで二人は朝から出掛けていった
「うん、たまには一人でのんびり休みを堪能するのも良いな」
さて、何をしようか
たまには無限書庫に行くのも良いかも知れない
「そうと決まれば準備でもするか」
ユーノにあったら、そのまま昼飯でも誘って食べよう
準備と言っても財布と端末くらいしか持つものは無いので、適当に着替えると出掛けた
◇◇◇◇◇◇
無限書庫
ユーノは生憎と不在だったのだが、恐らく仕事で使う文献を探しに来たであろう人物に出会った
「あれ？ フェイトさん？」
いつもは一つに結んでいるのに今日は結んでいない
「・・・ふぁ雨水さん？」
「もしかして徹夜ですか？」
「ん、うん。あ、はい」
正面から見るとフェイトさんの目はトロンとしていて今にも閉じそうだった
これじゃ文献探しも進まないだろうに・・・
「少し寝たら如何ですか？ もしくは補佐官に手伝ってもらうとか」
「しゃーりぃー？」
「いや、知りません」
「てぃあな？」
「あ、ティアナ生徒は貴方の補佐官でしたね」
「うん・・・あ、はい」
貴方の方が偉いのですから、そこまで言葉使いに気を付けなくても良いですよ
うん、はい、のどちらかで一々何か言ったりはしない
「いまの探し物は機密レベルは高いですか？」
「んー・・・はふぅ」
大きな欠伸を一回
「仮眠室が近かったと思いますから」
「だめです。はやく・・・」
「一応俺も無限書庫には詳しいですから簡単な物なら探せますよ」
「ぅぅ」
仕事に対する真面目さはキャロやエリオには聞いてはいたが・・・これは酷いな
まぁ自己管理の殆どを補佐官に任せている執務官は少なくは無いけどさ
「はいはい、好い加減にしないとユーノが帰ってきて立ち入りを禁止されますよ」
「ユーノはそんなことしない」
「でしょうね。でも、そろそろ俺もエリオかキャロを呼ぼうと思っています」
「・・・三十分だけ」
妥協して三十分なんですか
「ところでなにを探しているんですか？」
「主にベルカ関連です・・・で・・・その・・・あぅ？」
今度から補佐官なしに徹夜になりそうな仕事はさせないように言っておこう
もう完全に頭がボーっとなって、呂律も回っていない状態になっている
「なら見せれる範囲で良いので事件データを送ってください」
「わかり、まし、た」
モニターを弄くったフェイトさんは何故か上着のボタンを外し始める
「では！ 三十分後に起こしにいきますから！」
「ん？ ・・・ありがとう・・・ます」
そろそろ本当に危ないので、他の女性局員の方に頼んで仮眠室まで連れて行ってもらった
さて
フェイトさんの端末から送ってもらった簡単な詳細を確認する
「違法ベルカ式？」
なんでも最近ミッドでベルカ式が使われた犯罪が増えているらしい
まぁそれは特別注目するところでは無い
しかし犯罪者の調査を進めていく内に、その全員が元はミッド式だった事が分かった
「これは興味深い。ヴィヴィオかイクスなら知ってるか？」
近代ベルカなら納得は出来るが、ミッド式だった人間がベルカ式に変わるなんて有り得ない・・・故に仮称として違法ベルカ式と呼んでいるらしい
「まさか聖王教会の件と関係してないよな」
これは思ったより大きくなる可能性が有るな
取り合えず、三十分で探せるだけ探して起きてくるフェイトさんに事件担当者を増やせないか聞いてみる事にしようと思った
普段はシャーリィー達が睡眠時間を管理しているのでたまに一人になると根を詰めすぎるフェイトさんでした