ヴィヴィオの簡単解説コーナ~!
まず二人の戦い方から
雨水秋春は生き延びる戦い方に長けていて、雨水イクスは殺し尽くす戦い方に長けています
・・・これはちょっと解説とは違うのかなぁ?
「どっちが勝つのかな」
まぁ普通に考えてイクスお姉ちゃんの圧勝なんだけどね
合図と同時にイクスお姉ちゃんは踏み込んで、あきパパは拳銃を取り出した
・・・娘に容赦なく発砲してますけど一応立派な親で通ってます
「って言うか。イクスお姉ちゃんが、あきパパに本気を出せるわけないよね」
銃弾なんて魔導師に効果的な武器じゃないけど、戦乱時の記憶が有るイクスお姉ちゃんやわたしにはそれなりに有効な武器
理由はそれが致命傷になる攻撃だと認識しているので無意識にかわそうとして意味の無い隙を作ってしまうから
「二人のしょうぶ見てるだけなんて暇だね~、クリス、ノノ」
そもそもイクスお姉ちゃんがあきパパに攻撃できるはずが無い
パパを失うことに恐怖心を持っているイクスお姉ちゃん
もしもの可能性が一度でも過ぎってしまえば動けなくなる可能性だってある
「まぁそれでも攻めるのが、あきパパなんだけどね」
曰く、卑怯なんて負けた方が言う言葉だ
あきパパが余り感情を出さないのも、生き残る戦いの中で感情が揺れる事は自殺行為と思っているからなのかも知れない
「イクス! これで十点くらいは差が付いたぞ!」
「あぅ」
イクスお姉ちゃんの眉間に銃弾が吸い込まれるように進んで当たる
それでもノノの補助とイクスお姉ちゃんの魔力のおかげで思わず目を閉じてしまった程度の効果しか出ていない
「クリーンヒット。あきパパ十八点」
時間も無くなってきて流石に焦ったイクスお姉ちゃんは点数を稼ごうと軽くタッチのようなパンチを放つ・・・すると拳の当たる部位のピンポイント地点から炎が壁のように噴出した
「自動防御・・・融合騎ですか」
イクスお姉ちゃんは驚いて試しに何発か拳を突き出すとボン! ボン! と連続して噴出した
んー・・・範囲は周囲一メートルから・・・察知はもっと早い段階からかも知れない
「背後から・・・いや、死角の防御ですか・・・流石です」
「イクス正解! 俺はイクス達と違って、背後からの攻撃なんて防げないからね。アギトには死角を重点的に守ってもらってるよ」
あきパパの左手から大きく炎が立ち上って集束し剣の様な形になった
「剣閃烈火」
「それは! 駄目です! 使っては!」
止めようと急いで手を伸ばしたイクスお姉ちゃん
どう見てもあきパパの技に自ら突っ込んでいっている様にしか見えない
あきパパの口の端が上がっているように見えた
「火龍一閃!」
これで終わり
きっとあきパパはそう思ったはず
「融合騎」
まったく・・・あきパパも詰めが甘いなぁ
魔力変換で生み出された炎の中でゆらりと影が立ち上がる
たぶん大人モードかな
「ありゃりゃ」
困ったように笑ったあきパパが思いっきり吹っ飛んだ
自動防御の炎の壁
それは確かに発動していたと思うけど、イクスお姉ちゃんの拳は優に貫いていた
「融合騎がッ」
土を抉る勢いで駆け勢いを殺さずに踵落としを繰り出す
あきパパは上からくる凶器染みた足を両腕を交差させて防いだけど嫌な音が響き渡る
「・・・んーイクスお姉ちゃんってば、もしかしてアギトに攻撃しているつもりなのかな?」
だとしたら止めないと危ないかなぁー
「クリス。え~っと、チェーンバインドの強化状態と治癒魔法をセットしておいてね。あとセットアップ、リミッター解除」
点数的にはあきパパが勝ってるかな?
いまの勢いだと分かんないけど・・・
「さぁ~て、あきパパの救助に行こうかなッ!」
あとでイクスお姉ちゃんが落ち込まないと良いけどね!
混乱し過ぎたイクスに一気にやられました