召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百二話~side ヴィヴィオ~

お姉ちゃんが怒っている

 

本来と言うか、昔と言うか、ベルカ時代のイクスお姉ちゃんは戦嫌いの穏やかな性格だったらしい

 

でも、パパに影響されたのか今に至っては見る影もないと思う

 

 

「二階へ行く事は許可出来ません」

 

 

そんな訳で通せんぼをされています

 

・・・あきパパに何かあったのかな? あきパパが関係していない所で怒ったこと殆どないよねぇ

 

 

「ヴィヴィオのへやでもなの?」

 

「ヴィヴィオの部屋が二階なのだとしたら行く事は出来ませんね」

 

 

間違いなく二階だよぉー

 

 

「ねぇねぇイクスお姉ちゃん」

 

「何と言おうと通しませんよ」

 

「そうじゃなくてね? リミッター解けてるみたいだけど・・・あきパパ怒らない?」

 

 

戦武器の武装がつかえるレベルまで解いたってことは自分で解けるぶんはぜんぶ外したんじゃないのかな?

 

 

「・・・お父様は・・・怒らないですよ」

 

「でも、非常時いがいに解いたらって・・・」

 

 

わたしとイクスお姉ちゃんの力は強すぎるから軽はずみにして良いものじゃないって耳にタコが出来るくらい言われた

 

 

「ヴィヴィオ、貴方リミッターの掛け方とか知っていますか?」

 

「んー知ってるけど~・・・通してくれたら~」

 

 

デバイス使えば良いのにね・・・気付かないのかな?

 

 

「ヴィヴィオの癖に良い度胸ですね」

 

「お姉ちゃん譲りだからね」

 

 

にらみあう

 

あきパパに怒られることはイクスお姉ちゃんにとってわたしが感じる数十倍は重く考えてそうだから先にイクスお姉ちゃんが折れる

 

 

「分かりました。ただ、お父様の部屋には入らない事です」

 

「わかったー」

 

「早く教えなさい」

 

「ノノに頼めばいいんだよ」

 

 

やっぱり気付いてなかったみたい

 

まぁノノはクリスと違って自己主張もしないもんね

 

 

「・・・そうだったのですか・・・ヴィヴィオ、ノノは恐らくベランダの柵で羽を休めていると思いますから転送して下さい」

 

「ん、ベランダだね」

 

 

座標指定で転送!

 

虹色の魔法陣からデフォルメされた鷹が飛び出してイクスお姉ちゃんの肩に泊まる

 

 

「ノノ、外部リミッターの再度掛け直しを」

 

 

ノノが羽を広げるとイクスお姉ちゃんの周囲に紫色のバインドみたいな輪っかが現れてイクスお姉ちゃんを縛って消える

 

 

「でも、あきパパもよくわからないよね」

 

「お父様の何処が分からないんですか?」

 

「リミッターだよ。じっさい、あきパパが封じてるのってヴィヴィオの聖王の鎧でしょ? あとイクスお姉ちゃんのマリアージュコアでしょ?」

 

 

魔力も大幅に封印してるけど、魔力はイクスお姉ちゃんに言わせれば二の次の項目でしかない

 

 

「わたしは・・・秋春様なりの信頼の形だと思いますけどね」

 

「ならイクスお姉ちゃんはしんらいを裏切りっぱなしだねっ!」

 

「あん?」

 

 

ノノが肩から飛び立った瞬間に一応構えた

 

けど、二階から降りてきた人によってイクスお姉ちゃんは簡単に完全に止められた

 

 

「ヴィヴィオ、あんまり姉で遊ぶと痛い目みるぞ」

 

 

にゃっ忍び足で来たな!

 

 

「秋春様! 大丈夫ですか?!」

 

「なんの心配だ。まぁ大丈夫だよ」

 

「ふにゃ」

 

 

頭をグリグリと荒々しく撫でられるイクスお姉ちゃんは普通に嬉しそう

 

・・・羨ましくなんてないもん

 

イクスお姉ちゃんの勝ち誇った顔が気に食わないだけだもん

 

 

「ああ、イクスと俺が此処に居るから上に行けないのか。悪いな、ヴィヴィオ」

 

「べつにぃー」

 

「ん? なんで不機嫌なんだ? まぁ良いや」

 

 

まぁ良いや?

 

どうせイクスお姉ちゃんだったら気にするんだ

 

むぅーズルい

 

 

「おい、ヴィヴィオ。無言で掴むな、服が伸びる」

 

「あきパパなにかあったのぉ?」

 

「ちょっとまたトラブルがあってね。心配しなくても大丈夫だよ」

 

「おしえて」

 

「ははっ別に小さな事だって」

 

 

イクスお姉ちゃんは知ってるのかな?

 

知りたい

 

 

「おしえて」

 

「いや、だから・・・」

 

「おしえないと、はなさないもん」

 

「ヴィヴィオ、貴方は好い加減に・・・」

 

「イクス、良いよ。分かった、大した話じゃないんだけど・・・ああ、何度も面倒だ、えーっと最初からな。ヴィヴィオはあの実験の後から来たんだっけな」

 

 

それからわたしはパパが魔法を使えなくなった事を知った




ヴィヴィオはお姉ちゃんも大好きだけど同じようにパパも大好きなので本人としては整理を付け辛いです

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