前回のあらすじ
敗北の罰としてヴィヴィオの授業参観に参加→しかも高町一尉と一緒にと言うのが条件らしい→話の区切りのタイミングでイクス達と合流→イクスはヴィヴィオの一週間後に予定されているらしい
俺はイクスとの、ヴィヴィオは高町一尉との、話を終えて今度こそ四人でアトラクションを回って遊園地内にある夜景の綺麗なレストランで食事をする事になった
そこで衝撃真実
「俺以外はテーブルマナーが出来てるだとっ」
なんか凄い恥ずかしい
それでも全く出来てない訳では無いけどレベルが違う
まぁイクス達はベルカの王様でマナーも違うとは言え、基礎的な部分は十分に備わっている
そして言うまでも無いが、高町一尉も偉い人と何度も食事をしているのだから当然完璧にマスター済み
「雨水さん、別に畏まった場でも無いですし気にしなくても・・・」
「いやいや、明らかに周りの客が金持ちか偉い人かって感じに見えるんですけど?!」
「あの・・・もう少し声のトーンを落としてくれると嬉しいなぁ」
よく見れば周りの視線が集まっている
「すみません」
「えへへっあきパパぁ~、なんならヴィヴィオがおしえてあげよぉーか?」
「それには及びませんよ、ヴィヴィオ。席が隣の私が教えます」
・・・家なら良いけど公然では恥ずかしいよな
「気持ちは嬉しいけど遠慮しておく。今度適当に習う事にする」
「むぅ~ヴィヴィオがおしえるって言ってるのにぃ」
「そうですか、出過ぎた真似をしてすみません」
ちょっと頬を膨らませて不機嫌になるヴィヴィオと普通に落ち込むイクス
「あ、ところで高町一尉」
「ん?」
子供二人組の雰囲気が怪しいので話題を変えさせてもらおう
「いま、彼氏とかいます?」
「ふぇ?! いきなり何なのかな?!」
「あ、いえ。ヴィヴィオから授業参観の話は聞きましたよね? そこで俺が父親として高町一尉と一緒に行って欲しいって言われたんですけど、高町一尉に相手が居るなら引いた方が良いかなって」
あっ、とヴィヴィオがその可能性に今気付いたみたいな反応をしている
「か、彼氏・・・居ない、かな? うん。親しい人は居るけど、お付き合いしている人は居ないよ」
「そうですか。それなら安心です」
高町一尉の答えを聞いたヴィヴィオの表情は余り優れない
「ねぇねぇなのはママ」
「ん?」
「ユーノ司書長とお付き合いしてないの?」
ユーノか
そう言えば結構仲良かったよな
「ユ、ユーノ君?! ん、ユーノ君とは、お友達だけどカップルって関係じゃないよ」
「・・・そうなんだ・・・ま! ヴィヴィオはあきパパとなのはママがそろってくれるから嬉しいけどね~」
そうか
もしユーノがそう言った関係なら押し付けれたのに残念だ
「良かったですね」
「え? イクスお姉ちゃん?」
「なんですか」
俺も少しだけ驚いている
何故なら・・・先程イクスが良かったねと言った時に、微笑んでいるように見えたから
「え、だって、イクスお姉ちゃんが笑って・・・」
「私だって笑いますよ? ほらっ」
ニィっとワザとらしく笑う
「なにか怖いよ、イクスお姉ちゃん!」
「失礼ですね。ころしまふっ」
隣のイクスの頬を指で押す
確かにヴィヴィオは悪いが良い加減にイクスも口を気を付けて欲しいね
「お父様?」
「妹には・・・駄目だよね」
「・・・はい。気を付けます。改めてヴィヴィオ、家に帰ったら覚えておけです」
「あらためられてもヴィヴィオは嬉しくな~い」
そっか、イクスも妹の幸せを喜べる姉になったんだな
・・・ん、しかし俺も随分と親馬鹿思考になったもんだな
ヴィヴィオとイクスと雨水の会話になると、なのはさんが入れない