前回のあらすじ
イクスが学院の課題をしているのを発見→内容を少し覗く→普通に家庭の事を書いていた→それとヴィヴィオをキチンと妹と認めている事も書いてあった
時間も頃合なのでリビングに戻るとヴィヴィオが暗い顔をして考え事をしていた
「如何したんですか?」
「いや、その、遊園地の話から・・・」
遊園地?
暗いイメージなど全くないけど・・・分からん
「遊園地ですか。良いと思いますよ、滅多に行きませんから楽しんで行ってきて下さい」
「・・・雨水さんは予定とか空いてないんですか?」
「・・・え? 俺も? 親子水入らずで行けば良いじゃないですか」
そう言えば前に行った時もフェイトさんファミリーの中に入れられた感じだったよな
「雨水さんはヴィヴィオのパパでしょ? だったら一緒に行くのが当然じゃないですか」
「俺がヴィヴィオの父親?」
はて? いつからそんな事になっていたのだろうか
申請を出す時は、確かに保護責任者の名前は高町一尉だけだったと思ったんだけど・・・
「あきパパ・・・ヴィヴィオはあきパパの娘になりたい。イクスお姉ちゃんみたいにパパが欲しいの」
・・・イクスみたいにね
なんだろう?
ヴィヴィオには何かしら、イクスに対する憧れみたいな感じのは前からあったけど、今回もそれの延長って考えて良いんだろうか
「まぁ何を持って親とするかなんて曖昧だから、父親になってと言われてすぐに了承は出来ないよ」
「ヴィヴィオはあきパパをパパって呼べるくらいのかんけいはあるって思ってる」
「んーー・・・有る・・・まぁ有るかな」
確かに傍から見れば俺とヴィヴィオは親子に見えない事はない
・・・似てないけど
「じゃあ! だったら良いよね!」
「んー正直言うと俺はイクス一人で結構手一杯なんだよ」
以前イクスが体調崩した時だってそうだったけど、如何にも頼りないし、気配りとか全然出来ない
「ていっぱい」
「うん、それにヴィヴィオは高町一尉が不満って訳じゃないんでしょ?」
「うん。なのはママはヴィヴィオの・・・わたしの大切なママだよ」
高町一尉が母親とか誇らしいにも程が有るよな
「よし、納得出来たみたいだね」
「してないよ?!」
「えぇ~」
「あの・・・あきパパは、ヴィヴィオが、めいわくだったりするのかな?」
ヴィヴィオが迷惑? なんだ? また、らしくない事で随分と悩んでいるみたいだな
「もちろん迷惑に決まってんじゃん」
「ッ!」
うるうると瞳に涙を溜めるヴィヴィオ
そして背後からドス黒い気配
「そんな言い方は無いんじゃないかな?」
「高町一尉」
「ヴィヴィオは本当に雨水さんの事を父親と慕って!」
「なのはママ・・・もういいよ。うん、ヴィヴィオがわるい」
やれやれ勝手に話を進めないで欲しい
「まったくヴィヴィオ。お前は一つ勘違いをしている」
そして高町一尉
いまから良い話をするので首元に手を伸ばさないで下さい
あとレイジングハートもピカピカ光るな、お前は保持者の感情とAIをリンクでもさせているのか
「え?」
「確かにヴィヴィオの事は迷惑だけど、俺はそれで良いと思ってる」
「にゃ? どういうこと?」
「迷惑を掛けたり掛けられたり。それが家族ってね・・・まぁ在り来たりな言葉だけど、俺は実際そうなんだろうなって思ってるよ。ちょっと世間知らずなイクスの行動は迷惑と言ってしまえば、それで終わりだけど可愛い娘だと思ってる。姉に比べてまだまだ子供なヴィヴィオも迷惑、この場合は面倒かな? って言ってしまえば、同じく終わりだけど可愛い・・・ああ、そう言う意味ではヴィヴィオはもう俺の娘なのか」
事実上
ああ、書類上なんかよりずっと重い言葉だな
「ぅぅ・・・パパ大好きっ!」
此処で受け止めれば本当に良い話で終わったんだろうけど痛そうだったので避けた
「「にゃわっ」」
飛びつくヴィヴィオと背後に居た高町一尉がぶつかって痛がっている
・・・やっぱりヴィヴィオの突進にはそれなりの威力が伴っていたか
「やれやれ、悩みは解決か? ヴィヴィオ」
「うん!」
「そっか。それで・・・遊園地の予定に俺を入れてる話か・・・仕方ないな。迷惑掛けられたりって言った傍だし、今度の休日を空けておくよ」
「わんっ! 夕ご飯出来たよ~!」
予定が空いているか不安に思いながら俺とイクスで高町一尉とヴィヴィオを起こして席に付いた
いつか海鳴市にも行く話を出したいな(縁が殆ど無いのでチャンスは無いですが)と思っています