召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百八十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

校舎内探検→イクス発見→更にはカリーノちゃんと再会→二人はとても初等科の授業とは思えない戦いをしていた→最後にイクスが反則気味な技を使おうとしたので止める→そして少し説教

 

イクス達と別れた後も継続して学内探検をしていると、明らかに目立っている人物を複数名見つけた

 

しかも知り合いだった

 

 

「高町一尉」

 

「にゃわっ!」

 

 

取り合えずリアクションが大きそうな人の名前を呼んでみた

 

そして当然だけど同時に残りの二人も此方に気付く

 

 

「久しぶり、ユーノにアルフ」

 

「あ、ホント久しぶりだね」

 

「おー雨水じゃんかー」

 

 

透明ガラスで出来た窓の先を見るとヴィヴィオが席を立って何か発表していた

 

 

「高町一尉。覗き見はいけませんよ」

 

 

窓から見れば良いのに、この人は何故か扉を少し開けて覗いている

 

 

「何で私だけなの?!」

 

「だってユーノやアルフが積極的に此処に来たとは思えないですからね」

 

 

ススーッと視線を横に流す高町一尉

 

大方一人だと心細いので時間の空いていた二人を誘ったのだろう

 

 

「そう言えば高町一尉は一旦前線から引くらしいですけど本当ですか?」

 

 

エースオブエースが引退か?!

 

みたいな記事を見たような気もする

 

 

「うん、ヴィヴィオと今度こそキチンと向き合いたいからね」

 

「・・・ゆりかごの件が尾を引いたんでしょう?」

 

 

まぁヴィヴィオと向き合うってのは嘘じゃないにしても、今の高町一尉ではとても前線で活躍出来る状態じゃないってのが本音だろう

 

 

「・・・そんな事、ないよ」

 

「別にそのくらいの事なら、ヴィヴィオのせいにしても構いませんよ」

 

 

せいって言うのは大袈裟かも知れない

 

しかしヴィヴィオにも全く責任が無いとはいえない

 

 

「私が勝手にやった事だもん」

 

 

もんって・・・そもそも俺じゃなくてもあんな無茶をすれば魔導師生命が危ういって分かる

 

ヴィヴィオだって自分のせいで、高町一尉が飛べなくなっているかもと思っていてもおかしくはない

 

 

「まぁ良いです。でも家族なんですから一人で何でも背負うのは止めて下さいね」

 

「・・・はい」

 

「話終わったかー?」

 

 

アルフが笑顔で俺と高町一尉の間に入った事でガラリと雰囲気が変わる

 

 

「ねぇなのはに雨水」

 

「「ん?」」

 

 

ユーノに指差されるがままにクラスを覗くと、ヴィヴィオが恥ずかしそうに此方を見ていた

 

ついでにクラス全員の視線が俺と高町一尉に集中

 

 

「あ、この人これでもエースオブエースで人気者だった!」

 

「ど、どうしよう! 見付かっちゃった! そして雨水さん失礼だよ!」

 

「なのはも雨水も落ち着いて」

 

 

まぁ相談役として全生徒に知られる事になるとは言え、エースオブエースと知り合いと思われるのはまた別の注目だ

 

何故か二人で慌てていると再びヴィヴィオが立ち上がって此方に向かってきた

 

 

「あきパパ! なのはママ!」

 

「「はい!」」

 

「授業中だからあとで!!」

 

 

ビシッと廊下の先を指す

 

確かあっちは古代ベルカの風景を模した庭園があったな

 

 

「向こうで時間を潰せって事な」

 

「あきパパもあんまりなのはママをいじめちゃメッだよ?」

 

「苛めては無いと思うんだけど」

 

「あきパパの言いかたはいつも強めだからね。それじゃヴィヴィオはクラスに戻るね」

 

 

クラスに戻ったヴィヴィオは二回ほど担当の先生に頭を下げて最後に俺に視線を送った

 

 

「はぁー昼休みまで庭に行って話でもしましょうか」

 

「それが良さそうだね」

 

「あたしもそれで良いぜ~」

 

「・・・もうちょっと駄目かな?」

 

 

高町一尉は少し駄々を捏ねたが、ヴィヴィオの迷惑になるのは本位では無いので名残惜しそうに付いてきていた




現在ヴィヴィオはその日の気分で二人の家を行き来しています

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