前回のあらすじ
キャロに蹴られる→殴られる→膝を入れられる→気絶して起きると既に朝食が→フォワードやアルピーノ家と楽しく会話しながら食べた→その後、食後に歯磨きでもしようと思うと高町一尉と遭遇→いや、正直死ぬかと思ったね
ザンクト・ヒルデ魔法学院の一室
今後の仕事の話をしたいとシスターシャッハに呼ばれたのだが、部屋に入ると騎士カリムが紅茶を飲んでいた
「・・・あら?」
「あら? じゃないですよ。貴方はいつでも紅茶なんですね」
「苦いのは苦手で・・・」
珈琲に挑戦した事は有るらしい
「まぁ如何でも良いですけど」
「そうですか? では、貴方も飲みましょっ。シャッハがもう少しで来るから」
「有り難く頂きます」
シスターシャッハが来たら怒られるって分かっていて飲んでるんだろう
「おいしい?」
「美味しいですよ。それで話とは?」
「その事なんだけど資料は見てもらえたかしら?」
「ええ」
取り合えず一般の教師とは違う事をすると言うのは分かった
「特別教師ってところに目が言ったと思うけれど、簡単に言ってしまえば相談役になって欲しいの」
「カウンセラーって事ですか?」
「そこまで大仰じゃなくて・・・んー例えば担任の先生が忙しそうで聞き辛い事が有るとか言った時に相談に乗ってもらったり・・・交友関係の不和でも良いのかしら」
簡易カウンセラーって事か
「なるほど友達先生みたいな感じですか」
「友達先生? ふふっそれは楽しそうですね。親しいのは良いことですものね」
相談役ね
それで書類仕事が少なめにしているのか
「あー! カリム! 貴方と言う人はッ!」
「もーシャッハたら空気読んで~」
「今日は真面目な話をするので呼んだと言ったでしょうが! 誰からその紅茶をもらったんですか!!」
ん? テッキリ準備したのはシスターシャッハと思っていたんだがな
「え? 通り掛ったイクスさんが嫌そうな顔で準備してくれましたわ」
楽しそうに話す騎士カリムだが俺やシスターシャッハは全く楽しくない
しかもイクスが此処を通るのはおかしくないけど、如何やってあのイクスにお茶を注がせたんだ?
「冥王陛下~!」
それにしても役職とかの割りにお茶目な人だよな
「イクスがすみません」
「あ、いいえ! 悪いのはカリムです! ほら! 謝る!」
シスターシャッハはペコペコと必死に頭を下げて騎士カリムの頭を掴んで下げさせる
「シャッハ痛い~・・・ごめんなさい。あとイクスさんにお礼も伝えておいて」
「了解です」
帰ったらイクスにお茶を注がせた口説き文句を聞いてみよう
「雨水一士。カリムから生徒相談役の話は聞きましたか?」
「はい、触りだけ伺いました」
ギロリと騎士カリムを睨んだシスターシャッハは目の前の紅茶をテキパキと片付けて、文句を言いながら騎士カリムの隣に監視するように座った
「シャッハ怖い」
「あん?」
「きゃー雨水先生助けて~」
子供みたいな泣き真似をしながら騎士カリムが俺の後ろに隠れる
「「はぁ~」」
今後真面目な話がある時はシスターシャッハと二人だけで話し合う事になるだろうな
責任者の騎士カリムを抜いて
「そう言えば、初等科の三年と一年に入ったイクスさんやヴィヴィオさんは順調ですか?」
「ホント行き成り真面目になりましたね」
「私はいつでも真面目ですよ?」
それならシスターシャッハ苦労は無くて済むはずでしょうけどね
「まぁ順調ですよ。ヴィヴィオは友達も多く出来たようですからね・・・イクスは多くは言いませんけど不満は無さそうですよ」
「そう? なら良かった。変な話になっちゃうけどリミッターは大丈夫なのかしら?」
「大丈夫ですよ。通常のロストロギアに対する封印に重ねて六課隊長陣が付けていたのと同レベルのリミッターを掛けて、数ランクは落としていますから」
「それは自分達で解除できる物なのかしら?」
「いいえ、ロストロギア封印の方は俺の承認が必要です」
通常のリミッターくらいなら危険防止の為に自分達でも解けるようにはしてある
「そう、気分を害したのならごめんなさいね。私も上の人間として確認しておかないといけないの」
「いいえ。二人はそれだけ強い存在ですから何処からか反感が出ているのは薄々感づいていますよ」
そして騎士カリムが二人を守ってくれている事も何と無く分かる
「・・・なんだかカリムが立派な大人に見えます」
「も~! シャッハ酷い~お姉さんとして私はいつでも立派です! ねぇ雨水先生っ」
「知りませんよ」
まぁ六課の後見人とかもしていたみたいだし確かに立場的にはお姉さんっぽいな
「ええ、お偉いさんと会う時のみ貴方は立派ですよ」
「もうっ息抜きは必要よ、シャッハ」
「適度にはしています。貴方やロッサと違って!」
ほほぉやっぱり偉い方と会う時はこの人もちゃんとしているのな・・・ん? ロッサって誰だ?
カリムが原作より子供っぽくなってます