召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百五十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

イクスに母親が欲しいか聞いてみた→いらない→イクスは現状に満足との事→ふと名前の疑問が持ち上がる→確認後にまた話し合ってみようと思う

 

キャロは一週間ほど帰って来なかったが、帰って来た時の表情は何処か吹っ切れていて良い笑顔だった

 

・・・まぁ良かったのは笑顔だけで

 

 

「ただいまです! 雨水さん!」

 

「おかえり~・・・ん? 如何したの?」

 

「スターライトブレイカー」

 

 

発言は恨みでもあるのかと疑った

 

 

「ぱぁん」

 

「おうッ?!」

 

 

全力で後ろに跳んで尻餅を付きながら両手を前に出して微妙なバリアを張った

 

 

「ま、残念ながら、わたしに収束砲の適正は無かったんですけどね~」

 

 

銃の形にしていた手の指先に軽くキスをしながら小悪魔的に笑う

 

適正が無くて良かったー

 

なんでもフェイトさんからアドバイスを頂いたらしい

 

 

「言葉で如何にもならない時は、力を満足するまでぶつけ合った後で名前で呼び合うんだよって」

 

「・・・ぶつけ合う?! キャロと俺が力でぶつかったら俺死んじゃうよ?!」

 

 

そもそも言葉で如何にかなる段階だと気付いて欲しい

 

 

「またまた~」

 

 

高町一尉とフェイトさんの馴れ初めは知りませんが聞いただけでは首を傾げるばかりですよ

 

 

「名前を呼ぶと言う方法は、昔にフェイトさんと仲良くなる方法と、雨水さんから教わった事と、被るんですけどね」

 

「あーそうだったね」

 

 

フェイトさんが訓練所を壊していたキャロに好感を持ったのが始まりだったな

 

 

「いま失礼な事考えてません?」

 

「いや、まったく」

 

 

話を聞いて貰えなかったのが不満なのか可愛く睨んでいる

 

 

「むー・・・ですから、今度からは秋春と呼ばせてもらいますね」

 

「は?」

 

 

いや、なんか・・・未来のキャロと・・・

 

もしかして、ナイスバディなキャロが現実になるのか?

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「秋春さん」

 

「・・・慣れない」

 

「まぁまぁ秋春さん」

 

 

流石のキャロも行き成り呼び捨ては恥ずかしかったらしく、さん付けはそのまま残された

 

 

「そう言えば仕事の方は如何するんですか?」

 

「キャロは六課の運行期間がまだ残ってるんだっけ?」

 

「はい、ですから、なのはさんが退院し次第にまた訓練が始まると思います」

 

「まずはJS事件の事後処理が大変そうだけどな」

 

「あーですねー」

 

 

回復の早い守護騎士メンバーは隊長陣の代わりに頑張っているとか

 

 

「ちなみに俺の方は適当に鑑定士と講師になりそうかな・・・あ、そう言えば言ってなかったけど昇進した」

 

「はい? え? マジですか?」

 

「いぇーい、一等陸士」

 

 

ヒューズに出会い頭の挨拶パンチを決めた後

 

エリシアが偶然諜報部に帰ってきて止めに入るまで平和的な話し合いをした結果だ

 

やっぱり男は拳で会話だろ?

 

魔法無しなら勝てると思ったのに・・・意外と強かった

 

 

「良かったですね! もうっそれなら言ってくれればお祝いもしましたよ!」

 

「祝いならイクスとヴィヴィオがね」

 

「なるほど、あの二人はお父さんっ子ですもんね」

 

 

ヴィヴィオの方は俺の子って訳じゃないんだけどね

 

一応引き取り手は探してもらっているが見付かる気配は無いそうだ

 

 

「だな。キャロは今日は俺とフェイトさん、どっちの家に?」

 

「そう、ですね・・・やっぱり秋春さんの方が慣れてるので」

 

「そっか、なら夕食は楽しみにしてる」

 

「あはは、分かりました」

 

 

シロやガリューの料理は美味しい

 

けど、やっぱりキャロの料理の方が気分的に断然良いんだよね~




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