召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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十四話~side ティアナ~

最近の私は少し人間関係が面倒で疲れていたのか何時もなら冷静に流せるはずの事を受け止められず無駄に怒ってしまっていた

 

なんでこんな事に

 

私は割と手加減せずに特別にやってきた噂の講師にシューターを放っている

 

 

「アブナッ!」

 

 

講師の方は私の攻撃の位置を何かで先読みしているような動きを見せる

 

そのせいで段々と私も熱が入る

 

先読みされているなら全方位射撃で・・・

 

 

「うし! いまだ!」

 

 

私が同時射撃の為にタメに入った瞬間私に向かって走ってくる

 

行動の先読みじゃなくて思考の先読み?

 

考えないと・・・ああ、もう、観客が鬱陶しい

 

 

「マルチタスク。あーなるほど思考の先読みと思ったから思考を分割したのか」

 

 

感心したような声を出した。次の瞬間、単発の威力の低いシューターが連続で地面を撃ち土煙を発生させられた

 

目眩まし?

 

私は標的をズラす為に幻影(シルエット)を使う

 

 

「シルエットかぁー、つくづく訓練生にしては実戦に慣れてるなー。いや、実戦を常に想定していたのか?」

 

 

なんだかこの講師の言い方は私を見透かしているようでイライラする

 

 

「発見」

 

 

気付かなかった。講師の人が行き成り目の前に現れデバイスを持っている方の手を捻り上げられる

 

 

「痛っ、痛たたっ! 痛いです!」

 

「あははっ! ごめんねぇー、俺ってバインドまだ未完成でさー」

 

 

バインドが未完成ってどんだけ魔法下手なのよ!

 

魔法無しの力では流石に男の講師には勝てない・・・まさか魔法以外の手を使ってくるなんて

 

 

「うん! 魔法戦って言ってないし良っか!」

 

「痛い! 痛い!いい加減放しなさいって!」

 

「優等生っぽい顔して酷い言葉使いだな」

 

 

段々と手が疲れ力が抜けてデバイスを落としてしまう

 

講師の方は私のデバイスを拾って少し観察するように見詰める

 

 

「高そうなパーツだなぁ」

 

「返して! かえ、痛たたッ!!」

 

 

取り返そうと振り返ろうとしたら余計に腕が捻り痛かった

 

 

「射撃と幻影かー、なんて言うかセンターガードに最適な人材だな」

 

「褒めてます?」

 

「あれだな、キミみたいに可愛い子をこんな風に捕まえてると俺が変態みたいだー」

 

「放さないと叫びます」

 

 

パッと放した

 

瞬間的に魔力弾の形成も考えたが集中力が散漫になっているせいで上手く出来ない

 

 

「さて、俺の実力はこの程度だ。そもそも俺は卓上で教えるのであってこういった実戦訓練は苦手なんだよ」

 

 

勝っておいてそれはムカつく

 

私より断然に魔法が不得意なのにこれだから才能(レアスキル)持ちは・・・

 

 

「いーなー才能持ちはっ。俺も魔法使いてー!」

 

「え?」

 

「ん? どした?」

 

 

この後、すぐに訓練校の教師が割り込んできたので話す事が出来なかった

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

訓練校から寮まで帰り、最近やたら付き纏ってくるスバル・ナカジマと一緒に帰っている

 

 

「どうしたの? 今日はティアらしくなかったけど」

 

 

このスバルとは名前で呼ぶくらいには仲良くなっている。二人とも訓練校では珍しい自作デバイスだったので自然と仲良くなったんだと思う

 

 

「そうでもないわよっ、だってDランクとか可笑しくない?」

 

「ま、まぁそれは私も思ったけど」

 

「それにあの講師の人の動き。ちょっと変だったのよ」

 

 

行動の先読みでも思考の先読みでもなかった

 

でも最初から攻撃の来る場所が分かっていてかわせる最善の歩数や体勢でかわす

 

いったいどんなレアスキルなんだろうか

 

 

「変って失礼だな」

 

「って! 講師の人!」

 

「なんでこんな所に」

 

 

此処って一応女子寮行きの道なんだけど・・・警備員を呼んだ方が良いのかな?




今回のティアナの敗因は
威力とコントロール重視でシューターの数を減らした事
訓練所が屋外で土煙が発生しやすかった事
拘束された時にシューターから意識を外した事

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