召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百四十七話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

エリオの見舞い→二人でイチャイチャ→帰ろうかと思った→フェイトさんの話は、やはりエリシアの冗談だったようだ→誤解は早くに解かないとな

 

家に帰った俺は急にキャロに言った言葉を後悔していた

 

・・・もっと他の言い方があったのでは。なんてね

 

 

「あの、秋春様?」

 

 

もふもふするのはシロの子犬モードが一番なんだけど

 

 

「恥ずかしいのですが・・・」

 

 

現在、仕事部屋で回転椅子に座ってイクスを膝の上に乗せている

 

 

「あ、ごめん。やっぱりシロを探す」

 

 

どうせキャロの代わりにガリューと台所に居るだろうからな

 

 

「大丈夫です! 私が秋春様の癒しになるのなら、幾らでも我慢します!」

 

 

我慢って

 

やっぱり嫌だよねー

 

 

「無理にまで頼まないから・・・ヴィヴィオなら暇かなー」

 

 

流石にぬいぐるみを抱いているのはシュールだからヴィヴィオを代用しよう

 

 

「私が暇です!」

 

 

まぁイクスは夕食の準備に参加しない

 

だから、暇だろうけどさ

 

むしろ夕食を作るので忙しいとか言ったら、このまま放さないよ

 

 

「いや、父親に抱っこされるとか嫌だろ? もうイクスも反抗期近々だしな」

 

 

肉体年齢にして約十歳

 

女の子が父親を嫌う頃合なのかも知れん

 

 

「嫌なんかじゃ有りません! むしろ好きです!」

 

「・・・あーそう、ならお言葉に甘えて」

 

 

シャンプーとか同じのはずなのに全然違うよなー

 

 

「あの」

 

「ん?」

 

「我が侭なのですが、なで・・・撫でて・・・」

 

「撫でる?」

 

 

よく分からないが、そのくらいなら全然問題ない

 

 

「ふにゃ」

 

「緩んだ顔だな」

 

 

これがベルカ有数の王族の一人とは誰も思えないよな

 

 

「あ~~ッ! イクスおねぇーちゃんズルい!」

 

「お、ヴィヴィオか」

 

 

噂をすれば影って奴だな

 

 

「わたしもあきパパのうえにのる~」

 

「別に良いぞー」

 

 

イクスを横に下ろしてトテトテと走ってくるヴィヴィオを迎え入れるように腕を開く

 

何故か途中で止まったので寂しい気分になった

 

 

「・・・。」

 

 

ま、こう言う場合は・・・やっぱりイクスが睨んでいた

 

ヴィヴィオは蛇に睨まれた蛙の様にピタッと止まって動かない

 

 

「ヴィヴィオ、貴方は夕食の手伝いがあると先ほどアギトと話していましたよね?」

 

「う、うん」

 

「行かなくても?」

 

「え、でも、その前にあきに・・・」

 

「お父様に何か?」

 

 

ヴィヴィオがドンドン小さくなっていくイメージ

 

力関係が目に見えて分かる

 

昔のオリヴィエとイクスの関係が気になるな

 

 

「私のお父様に何か用があるのかと聞いているのです」

 

「・・・ヴィヴィオもだっこ」

 

「私が先でした」

 

「うん」

 

 

・・・イクス大人気ない

 

とは言っても、どちらの味方をして良いのか本当に悩む

 

 

「イクス」

 

「はい!」

 

「おいで」

 

 

にこにこしながらイクスが膝の上に乗るとヴィヴィオがしゅんとなる

 

 

「ヴィヴィオ」

 

「・・・。」

 

「ほら、ヴィヴィオもおいで」

 

「ほえ? いいの?」

 

 

俺の負担が増えるけど最善だよな

 

 

「イクスも良いよね?」

 

「・・・秋春様が言うなら」

 

「ほら、イクスも良いってさ」

 

「ありがと~!!」

 

 

助走を付けて飛び乗ったので太股が痛かった

 

 

「てへっ」

 

「はぁー・・・可愛いよ」

 

 

はにかんだヴィヴィオを怒る気にはなれなかった




いつもヴィヴィオは何と無く登場のタイミングが悪い

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