召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百四十三話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

ミッドに到着→すぐに病院に急行→フェイトさんと高町一尉がいい感じに→放って置こうっと思ったが無理っぽい

 

容体は今のところは何も聞いていないし、観察眼で見るのも緊急時でも無いのに悪いと思ったので知らない

 

・・・散々引き止められて二人のお見舞いは面談時間ギリギリまで掛かってしまった

 

次の日

 

今日はエリオの見舞いに行こうかと思ったが、エリシアが居るかもと思ったら行く気が失せた

 

甘い空間とか作っていたら耐えられん・・・今度にしよう

 

 

「なぁ雨水」

 

「なんだチンク」

 

「なんで私やルーテシアお嬢様はお前の家に居るんだ?」

 

 

そんなのお前らがミッドで暮らす所が無いなどと言いやがったからなのだが・・・

 

ルーテシアちゃんはキャロの友達だしな

 

 

「ならホテルに泊まる金はあるか?」

 

「無い・・・だがそんなもの」

 

「カツアゲとかするなよ」

 

 

知り合いを見かけて捕まえるとか嫌だぞ

 

しかも俺が放り出したせいとか局で喋られて幼女を家無し子にした男とか汚名被されたら如何する

 

 

「駄目なのか?」

 

「むしろ良いと思ったのか」

 

「・・・貰うだけだ」

 

 

チンクやルーテシアちゃんみたいな可愛い子が金をくれと言ったら案外アッサリ集まったりするかも知れないよなー

 

 

「それでも駄目だ」

 

「・・・雨水」

 

「今度は何だ」

 

「見た目で勘違いしているなら忠告しておく、私はナンバーズの中でも稼動時間は長く、重ねた罪も多い・・・手助けは貴様の立場を危うくするぞ」

 

「気にするなら少しはお前も家の事を手伝え」

 

 

キャロが局や見舞いで・・・その分シロやガリューが手伝ってくれている

 

十分だな

 

 

「家事か・・・一応野宿をするスキルがあったな・・・家事もその応用で出来ると思うんだが・・・試してみないと分からん」

 

「頑張れ」

 

 

イクスのタイプで無い事を祈ろう

 

 

「・・・あの」

 

「うわっ! ・・・ルーテシアちゃん、何度も言うけど気配を消して忍び足で来ないでよ」

 

「忍んで無い」

 

 

一体何時から後ろに立っていたのか全く分からない

 

 

「で? 何か用かな?」

 

「話、聞いてたから」

 

「うん」

 

「・・・。」

 

「ん?」

 

 

終わり?

 

 

「料理する」

 

「あ、なるほどね」

 

 

世話になっている身として自分も何かしないといけないと思った訳だ

 

律儀な子だ~

 

 

「別に気にしなくても良いよ。子供は大人に甘えるものだしね」

 

「・・・子供じゃない」

 

 

女の子を子供扱いするのは駄目だったみたい

 

先程とは違って目にやる気が宿っている

 

 

「そっか、ならチンクと一緒に今日の昼飯でも作ろうか」

 

「うん」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

チンクとルーテシアちゃんの簡単クッキング

 

今回はシロやガリューの手助け無し

 

 

「あの、秋春様? 私は何を・・・」

 

「試食係り」

 

 

ちなみにヴィヴィオは高町一尉の見舞い

 

なんでも約束があるらしい

 

 

「あーー・・・分かりました」

 

 

イクスは何か確認する様にチンクとルーテシアちゃんを交互に見て頷いた

 

 

「なら宜しくね」

 

 

それでは試食係りも居る事だしクッキング開始

 

 

「ん、卵とは案外力加減が難しいんだな」

 

「それこっち」

 

「焼きなら任せてくれ、秒単位で管理出来る」

 

「焼く?」

 

「ルーテシアお嬢様は手際が良いですね」

 

「・・・お母さんの手伝いしてたから」

 

 

そんなこんなで出来た昼飯

 

 

「普通に美味しいと思いますよ?」

 

「ホントか・・・確かに普通に美味いな」

 

 

俺とイクスの評価を聞いて二人とも嬉しそうに安堵している

 

 

「それは良かった、うん。これで貢献出来たな」

 

「・・・。」

 

 

なるほど・・・これで分かったが、この家で料理が出来ないのは如何やらイクスだけと言う悲しい結果が出てしまった




家事スキルはイクス以外はそれなりにあったりする

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