召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百四十話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

アギトが俺に用事→アギトをからかう→脛を蹴られる→スカリエッティからの預かり物→アギトと一緒に見てみることになった

 

小型端末の中には映像データが入っていた

 

映像データ・・・キャロも呼んだ方が良いのかと思ったけど危険性の高い物では無いので後からにする事にした

 

 

「・・・再生っと」

 

 

再生を始めると白衣を着たスカリエッティらしき人物がカメラを覗き込んでいた

 

 

「ん、ウーノ。もう良いのかい? そうか、ゴッホン」

 

 

なんとも締まらない始まりだな

 

 

「始めまして! 雨水秋春君! チンクがお世話になっているそうじゃないか!」

 

「テンション高いな」

 

「コイツ何時もこんなんだぜ?」

 

 

会話が面倒そうだ

 

 

「生憎と私は常識と言うモノに欠けていてね。世話になったキミに思う所は別段有りもしないのだけど、ウーノが意外にもキッチリとした性格で・・・いやはや、お互い女性には弱い」

 

 

お互いとは失礼な

 

まるで俺の動きを見ていた様な口ぶりだ

 

 

「そうそう、チンクを通して見せてもらったよ」

 

 

チンクぅー

 

そうか、留まった目的は情報を逐一報告する為だったのか・・・しかしどうやって連絡を取っていたのか

 

 

「ああ、誤解を先に解いておくが、チンクは自分からキミの情報が洩れているなんて思いもしていないからね」

 

 

ん、そうなのか

 

チンクが気付かない所に

 

・・・ん? でも身体検査なら一応キャロが済ませているはず

 

まさか戦闘機人らしく体内に有りますとか言わないよな

 

 

「それにしても、ルーテシアまで惹き入れるなんて中々のカリスマじゃないか! 思わず警戒してこうやって直接接触では無い方法を選んでしまったよ!」

 

「まるで直接も会えました、と言いたそうな口ぶりだ」

 

「実際そうなんだろうぜ」

 

「聖王の器・・・えと、ヴィヴィオ・・・だったね! あの子に選ばれたのにも少しばかり驚いたが、イクスヴェリアまで手元に置いているとはね! ガジェットの生産を止めた管理局の査察長官にも舌を巻いたがキミはそれ以上だ!」

 

 

全く嬉しく無い

 

と言うか逆に目を付けられた事に嫌気が差すね

 

 

「ん? 如何したんだいセインにノーヴェ・・・え? あー別に私はかまわな」

 

 

ブツッと映像が切れたかと思うと二人くらいの女性が、構いますよドクター! と叫んでいる声が聞こえてきた

 

 

「・・・見苦しい所を見せたね。如何にも姉を心配する、健気な子が迎えに行きたいと言い出してね」

 

 

・・・なんて言うか俺が言うのもなんだけど緊張感ないなコイツら

 

 

「さて、本題に入ろうか」

 

 

最初から本題に入って欲しかった

 

 

「恐らく私達はこの撮影が終わって・・・まぁ一時間もしない内に六課から強襲を受けるだろうね・・・ともかく既に逮捕されている訳だ、嬉しい限りじゃないのかい?」

 

 

逮捕されていると言う事は負ける可能性の方を大きく考えているのか

 

その割には余裕タップリなのは何でだろうな

 

 

「そこで! 私はキミの考えを尊重してプレゼントをあげようかと思った訳だよ!」

 

「支離滅裂過ぎる」

 

 

そこでの意味が分からん

 

 

「キミが今まで秘密にしていた計画は私こそが参加するべきだと思ってね!」

 

 

そして後ろから聞こえてくる女性の困ったような声がナンバーズの大変さを映している

 

 

「何処から洩れたのか」

 

「いやいや、キミも悪だね。なに、この端末を廃棄すれば私達の事は誰にも分からないさ」

 

「まぁそうだろうな」

 

 

そこからスカリエッティは俺が言いたい事をズバリ当てるように話しだす

 

不思議と会話が成立しながら俺とスカリエッティは一つの取引をした

 

スカリエッティの話を聞いていたら思ったより時間が経ってしまっていた

 

 

「マスター? 本当に今の話あたしが・・・」

 

「うん、やっぱり大した話じゃなかったな。スカリエッティからと言うから、もっと機密らしい感じかと思った」

 

「・・・マスターから言うなら」

 

 

さて、夕食に・・・

 

ん? 通信か、タイミング悪いな

 

 

「アギトは先に行ってて良いよ」

 

「ああ、ちゃんとマスターの分は残しとくよ」

 

「ありがと」

 

 

さて・・・六課からね




ストライカーズ編も、そろそろ終わりです

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