召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百三十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

ヴィヴィオが寝相で聖王の鎧を発動→何故かイクスは無事→イクスを起こしてしまう→イクスがヴィヴィオをベットから落とす→がまぁ可哀想なので結果的にイクスを壁にして寝る事にした

 

次の日は朝食を食べて早速ヴィヴィオの特訓をしてみる事にした

 

まぁまずは軽くだけど

 

 

「何を避けているのですか? 聖王の鎧で防ぎなさい」

 

 

ああ、そう言えば昨日の原因はヴィヴィオにあったらしい

 

聖王の鎧は悪意や害意に反応する

 

で、今回はヴィヴィオが心の中で俺に何か悪いと思っている事があったらしい

 

悪意って自分のも有りかよ、などと思った

 

 

「イクスおねぇーちゃーん!! むりだよぉー!」

 

 

戦弓を使ってヴィヴィオを追い駆けるイクス

 

 

「・・・軽くって言っておいたんだが」

 

 

しかしこう見ると戦闘技能が高いのは、如何やらイクスの方らしいな

 

経験を除いても根本的にヴィヴィオは戦い向きでは無いのかも知れん

 

・・・基準が高いだけか

 

 

「あ! あき! たすけて~!」

 

「ん? うわっ! こっち来るな!」

 

「あきパパまってぇ~!」

 

「チッ」

 

 

戦弓だと俺に当たると判断したイクスはすぐに戦刀に武装を変えた

 

 

「あきガード!」

 

 

追いついたヴィヴィオは俺の背中に隠れた

 

 

「なっ! オイ! 止めろヴィヴィオ! そしてストップイクス!」

 

 

踏み込み十分

 

イクスは寸止めなど殺さない技術は持ってないので、無理やり片手に持ち直して空いた手で戦刀を殴り飛ばした

 

そして難は逃れたが、体勢を立て直せなかったイクスはそのまま俺に倒れこむ

 

 

「はうっ」

 

「あー大丈夫か?」

 

「くうぅー」

 

 

鼻を抑えてヴィヴィオを射殺さんと睨んでいる

 

 

「ごめんなさーい!!」

 

「あ、逃げやがった」

 

 

こうして第一回目の特訓は終わった

 

・・・やっぱり予定通り俺の座学にすれば良かった

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

現在ヴィヴィオの特訓に協力してくれたお礼にとイクスと二人で遊んでいる

 

何故か格ゲーで

 

 

「最近のゲームって結構リアルだよな」

 

「そうですねぇ、私の知る時代の娯楽ですと奴隷に戦わせると言うのも有りましたが・・・」

 

 

リアルって言うか現実じゃねぇか

 

 

「そう言えば秋春様」

 

「ん?」

 

「余り重く話すのは秋春様に嫌われると思うので軽く言いますが」

 

「そんな事はないぞー」

 

 

それに、結局それは重い話なんだな・・・

 

 

「秋春様は・・・ルシエさんとご結婚なさるのですか?」

 

 

操作キャラが死んだ

 

 

「だ、誰から聞いたのかな?」

 

「いえ、誰からと言う訳ではなく。偶々現場に居合わせたモノですから」

 

 

・・・え? マジで?

 

おいおい、一体何処から何処まで聞いてたんだ?

 

 

「えと、じゃあ俺のレアスキルは」

 

「はい、知ってます」

 

 

溜息を吐いた俺を見て、イクスはコントローラーを置いて胡坐で座っている俺の中に納まるように入り込んだ

 

 

「心配は無用ですよ」

 

「うん?」

 

「私はお父様の娘ですから」

 

 

イクスは俺の両手を取って自分の前で交差させる

 

まるで俺が抱きついているみたいだ

 

 

「そっか、だがキャロには大丈夫と言ったが実際のところ俺のレススキルはかなり強力だぞ? 無意識と言うのは怖いからな・・・それに、レアスキルだと考えればベルカを代表する王様が俺に好意を持ったのも頷ける」

 

 

誰かに対して確実に印象付けを出来ると言うのは、意外にも応用広く使えるスキルなのだ

 

 

「ふふふっ・・・あはっ」

 

 

真剣に話しているとイクスは楽しそうに笑う

 

 

「普通笑う?」

 

「あ、いえ、すみません・・・ただ、私は幾度となく弱みを秋春様に晒しましたが、秋春様の弱音は珍しいと思い・・・これも家族らしい信頼なのだろうなって」

 

 

本当に楽しそうに笑ったイクスは嬉しそうに微笑んだ

 

・・・俺はと言うと、取り合えずなんかムカついたから擽っていた

 

 

「ひゃん」

 

 

やれやれ・・・それにしても家族らしい信頼ね

 

正に家族を重んじるイクスらしい




相変わらずお父様っ子のイクスでした

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