前回のあらすじ
ヴィヴィオと高町一尉の再開→記憶に無し→高町一尉が落ち込む→仕方無いので話を進めてヴィヴィオに承諾を取ろうとする→がイマイチ、ピンときていないようで聖王としての記憶があるはずなので覚醒を促す事に→拒否→イクスを呼んでなるべく痛くも何とも無いように処置をお願い
したはずだったのだが、十分後に戻ってきたヴィヴィオは喋れない程にボロボロと涙を流し泣いていた
何事
一先ず喋れるくらいになるまで落ち着いてもらおう
「えーっと、イクス?」
自分でお願いしておいて何だけど・・・これは・・・罪悪感だな、うん
必要な事とは言え幼女が号泣
「安心して下さい。ヴィヴィオが泣いている理由は、秋春様の危惧した内容では有りません。それどころか聞けば反吐が出ますよ?」
・・・この家の女の子って可愛いけど怖いよね
「はぁ・・・で? ヴィヴィオは何で泣いているんだ?」
「・・・ごめんなさい」
「突然なんだ」
ヴィヴィオから謝られる覚えなど無いが・・・まさかさっきの十分間の間に仕事のデータでも消したか?
となりの部屋は・・・って別に仕事部屋じゃないな
「ヴィヴィオがね。あきのことすきって、あきにひかれたのが、なんでなのかわかったの」
「高町一尉が怖かった」
あの状況を考えるとそれが一番妥当な線では無いかと思う
「ちがうよぉ、アキのほうが兵器としてのわたしをよりせいちょうさせれるってはんだんしたから・・・」
ふむ、確かスカリエッティは俺と関わった人間が不可思議な事に出世をしていると思っているんだったな
なるほど、ヴィヴィオを一度逃がした理由は誰かにヴィヴィオを成長させる事だったのか
・・・そして俺が選ばれた訳ね。特典スキルがバレた訳じゃないが利用された訳だ
「秋春様を利用していたなんて信じられませんね」
「うっ」
イクスは敵をを見る目でヴィヴィオを見ている
「イクス、イクスはヴィヴィオよりお姉さんなんだからヴィヴィオを虐めない」
「ですが!」
「イクスは俺の娘だよね?」
「勿論です、私はお父様の娘で、それだけは誰がなんと言おうと譲れません。例えそれが秋春様でも・・・」
やれやれ、今時ビックリするくらい家族大好きっ子だよな
「なら、イクスはヴィヴィオに優しく出来るよね?」
「え?」
「だって自分より小さくて弱い子を虐める子に育てた駄目親と思われたくないし・・・あんまり聞き分けが悪いと一週間くらいは口を利かないよ?」
この程良い罰が結構難しい
イクスは大人しそうに見えて、すぐに力ずくの行動で物事を解決しようとするから大変だ
「私はヴィヴィオが大好きです!」
・・・正直な子だなー
あと見えてないと思ってるだろうけど確りヴィヴィオのお腹を抓ってるのバレてるぞ
「さて、ヴィヴィオはゆりかごについては思い出したのか?」
「うん、つかいかたまでおもいだした」
幼い感じは残ってるが会話もハッキリしているな・・・精神的に幼女脱却?
「なら高町一尉と話してみるか」
「うん」
◇◇◇◇◇◇
モニターに戻ってみると高町一尉のテンションがさっきより下がっていた
「如何したんですか」
「・・・いや、なんかもう・・・管理局辞めようかなって」
「高町一尉~!! 貴方が居なくなったらそれこそ大事件ですよっ!」
俺らが誘拐扱いされてる間、この人の身に何があった
「あ、あの! たかまちさん!」
「え? ヴィヴィオちゃん? な、なのはで良いよっ!」
少し雰囲気の変わったヴィヴィオに動揺しているが呼ばれたのが結構嬉しいらしい
「なのはさん。ゆりかごのこと・・・おねがいします!」
「え? あ、うん! うん! 全力全壊! 跡形も無く吹っ飛ばしてみせるよ!」
しかし高町一尉が全力で収束砲を放ってもゆりかごに傷が入るとは思えないけど・・・まぁ見守るしかないか
「あきっ!」
「ん? なに?」
「わたしをつよくして」
シロやキャロみたいに純粋に強さを求めていると言うよりは、イクスの様に何か目的の為に強さを求めているような気がする
ただイクスと違うのは清純さか
はぁーこのヴィヴィオの目
・・・誰かを思い出させられて苦手意識的なものが・・・
「んー? あ~・・・ヴィヴィオって高町一尉に似てるよな」
そうだよ
この真っ直ぐ過ぎる不屈な瞳
「そうなの?」
「そうそう、まぁいいや、どうせなら聖王女の再来と呼ばれるまでしたいよね」
スカリエッティのアジトに六課が強襲を掛けるなら、恐らくスカリエッティ陣は此方に戦闘機人を割ける余力は無くなるはず
だったらマリアージュだけで十分六課の作戦終了まで時間稼ぎが出来るはずだ
これは、まだまだこの世界に滞在になりそうだな
まだ滞在します