召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百七話~side キャロ~

襲撃は早朝からでした

 

私が慌てて雨水さんを起こすと、雨水さんはすぐに事態を察し、それぞれ適した場所に人員を動かして自分は何か支度をしに行っていた

 

指定された場所は家から出て数メートル先

 

後ろの守る対象が見える方が良いとの事らしいです

 

ちなみにヴォルテール出すなら前方攻撃のみにしてくれ、とも言ってましたけど

 

この世界に元々住んでいる竜種の皆には、それぞれ此処まで辿り着こうとするガジェットの各個撃破をして貰っている

 

 

「フリード、頑張ってね・・・竜魂召喚」

 

「グルゥウ!」

 

「わんっ! じゃあ私も大人モードからの大犬モード!」

 

 

シロはフリードと並ぶ程の大きさになり、私と雨水さんが始めて見た魔狼そのものになっていた

 

ただし黒くでは無くシロの名前の由来である綺麗な白い色をしている

 

 

「私の守りはお願い・・・私はヴォルテールの召喚に集中するから」

 

 

なるべく、この後の事を考えて多くの魔力は使えない

 

だから限界まで集中し最低限の魔力での召喚を成功させないといけない

 

 

「グルゥア!」

 

「ガァアア!」

 

 

来た

 

予想時間より、やっぱり速かった

 

フリードの炎で牽制してシロが洩れた敵を倒す

 

無機物の相手だからどっちもやり易いみたい

 

 

「雨水さんの反応は・・・」

 

 

遠回りで接触を図ってる

 

一番危険なのに・・・やっぱり頼りになるな

 

 

「このまま維持して! 雨水さんがもう少しで敵と接触するから!」

 

「グルゥゥア!」

 

「ガァウア!」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

防衛を始めて十数分

 

ヴォルテールの召喚は恐らく可能段階に入った

 

雨水さんも接触した頃のはず

 

数も徐々に減っていっている、これなら確実に守りきれる

 

 

「ヴォルテール出す事態にならなくて安心です」

 

 

ヴォルテールを出せばあとには引けませんからね、魔力的に・・・

 

そんな事を考えていると突然敵を映すモニターから警報音が鳴り始める

 

 

「なに、なに!? ・・・え?! ちょ! なんですか!」

 

 

当初の倍以上のガジェットをサーチャーが捉える

 

 

「幻術じゃない?」

 

 

二型は目視でも確認できる

 

偽者じゃない・・・本物のガジェットが行き成り現れた

 

 

「ッ! ・・・今からヴォルテールを召喚するからシロとフリードは後ろの方の敵を倒しに行って!」

 

 

囲まれてる、今まで前方防衛ばかり気にしていたら後方が完全にがら空きになってしまっています

 

 

「グゥゥ」

 

「ガゥゥ」

 

「大丈夫大丈夫! 雨水さんが頑張ってるんだからっ!」

 

 

でもこの数は流石に難しいと思う

 

これが終わったら今度こそキチンと馬鹿な雨水さんでも分かるように告白してみようかな

 

・・・いや、告白します

 

決定事項です

 

 

「天地貫く業火の咆哮!」

 

 

シロとフリードも心配そうに此方を見る

 

私が大丈夫と笑うとお願い通りに行ってくれた

 

 

「遥けき大地の永遠の護り手! ・・・我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者!」

 

 

詠唱が終わるに連れて何だかアルザスの故郷を少しだけ思い出した

 

アルザスで過ごしたのは小さい頃だし、今の楽しい記憶に埋もれて忘れていた所も多くあったけど何故か鮮明に思い出せる

 

 

「竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」

 

 

圧倒的な力・・・とても手に余る力だけど心強い力だった




竜なのか怪しいヴォルテールの登場

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