召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

102 / 414
百一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

をしようと思ったが→・・・している場合では無い!→いや、因果だね→もしくは二度ある事は三度ある

 

原点回帰と言う言葉を知っているであろうか

 

俺も意味は詳しく知らんが初心に戻ると言うなら今の状況にピッタリだ

 

何故なら

 

 

「ふっざけんなー!」

 

 

六課で逮捕された後に俺は何処かの森に転移で放り出されていた

 

挙句の果てには前回体験した事があるような出来事まで

 

 

「久しぶりですね! 竜種さん! 此処は仲良くしましょうよ!」

 

 

って言うか、ミッド外まで放り出すなんてどれだけ俺に誘拐事件に関わって欲しくないんだよ

 

そもそも安全を保障された管理世界なのか? 此処は!

 

 

「ギャオ」

 

「美味しくない! けして美味しくないです!」

 

「ギャーオ」

 

 

・・・あれ? なんだか前とは違って大人しい

 

襲ってくる気配も無い。いまがチャンス?

 

 

「ではさらば」

 

 

そうと決まれば逃げる

 

 

「ギャオ?」

 

「っとわ! わ! 放せ!」

 

 

咥えられて持ち上げられた

 

あれか? 巣に持って帰って食べようみたいな

 

 

「シュータッ! あたッ!」

 

 

魔力弾を作ろうとした瞬間に竜種はそれを察知したのか俺を木にぶつけて妨害した

 

ヤバイ! ただでさえこの状況を如何にかしてミッドに帰らないといけないのに

 

 

「ギャオギャオ」

 

「キャロじゃあるまいし竜となんか話せねぇって」

 

 

こう言う時は本当にキャロに居て欲しいって思うね

 

 

「やはり巣に持ち帰るのか?」

 

 

ともかく持ち帰られる間に策を練るか

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

最近の竜種の巣はとても人間染みていた

 

場違いな一軒家

 

趣は別荘みたいと言えば伝わるだろうか

 

 

「もしかして、この竜って誰かのペットか?」

 

「間違い無く野生ですよ、雨水さん」

 

「・・・キャロ?」

 

「はい、わたしですが? 竜さん、ありがと」

 

 

正真正銘キャロだ

 

しかも先程の言葉を訳すと、要するに数日としない内に野生の竜種を手懐けた事になる

 

キャロの前では竜のプライドも形無しか

 

 

「誘拐されなかったっけ?」

 

「誘拐されましたけど?」

 

「何で此処にいるの」

 

「誘拐されたからです」

 

 

・・・誰だよ、こんな面倒な事をしたのは

 

 

「あれ? ヒューズさんから聞いてませんか? ・・・困りましたね、わたしもこの件は特務としか聞いてないので、詳しく知っている訳じゃないんですけど・・・雨水さんに教えられるとばかり・・・」

 

 

・・・ヒューーズゥーーー!!

 

 

「あ-だぁーヴィヴィオ達は?」

 

 

ってか、やっぱりあの手紙はキャロ執筆だったか

 

せめて隠す気なら字は誤魔化せよ

 

あと手紙に使った用紙も・・・あんなのミッドで買うのは乙女チックなキャロくらいだろ

 

 

「当然無事です。いまはちょうどお昼寝をしている頃ですね・・・あ、そう言えば少し前にイクスちゃんも来ましたよ?」

 

「あん? イクスも竜に連れてこられて?」

 

「いえ、安全の為に送った竜は全部に返り討ちに遭いまして、仕方無いので待っていましたら森林破壊をしながら登場しましたよ? ほらそこ」

 

 

ああ、テッキリ竜種の通り道と思ったらイクスが通り過ぎたあとだったのな

 

・・・そして、さらりと即席使役竜は一匹じゃないと言った




キャロの使役術ランクアップ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。