召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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原作前
プロローグ


見渡す限り広大な自然

 

田舎どころか人が手を付けた気配が全くない

 

ともあれ俺は転生者です

 

 

「いきなりハードモード過ぎんだろー!」

 

 

・・・事の発端は数十分前に遡る

 

 

「お主は死んだ」

 

「はいはいはいはい・・・はい?」

 

 

見ず知らずの爺さんとは、そんな言葉から会話を開始した

 

普通はもっとなんて言うか

 

挨拶くらいはと思うけど、異常な空間な訳だし常識は通じないか

 

 

「混乱するのも無理はない。が起きてしまったものは仕方ない」

 

「仕方ない? ああ、確かに起きたもんはしゃーない」

 

「じゃろう? 例えそれがワシのミスでも仕方ない」

 

「そうそう、例えお前のミスでも仕方ない」

 

「じゃろって、んん?! 待て! 待つんじゃ! 言ってる事とやってる事が!」

 

 

仕方ない。便利な言葉だな!

 

脳内ではキチンと処理したのだが体はそうも処理してくれなかったようだ

 

俺は無意識の内に一発くらいは入れてやろうと行動していたらしい

 

 

「ったく最近の若いもんは」

 

「るさい。で? あれ? よくある転生系か?」

 

「うむ、説明が早くて助かるのう」

 

 

確かに若干オタク気味の俺としてはこのシチュエーションは嬉しい

 

が!!

 

新期アニメを見れない内にポックリ行くのは思いのほかイライラする

 

 

「あと二、三発くらいは」

 

「駄目に決まっておるじゃろう」

 

「駄目か」

 

「駄目じゃ」

 

 

そこまで言うなら仕方ない

 

 

「考えてる事とやっている事が違う?!!」

 

 

どうやら俺は、余り諦めの良い方では無いらしい

 

 

「だとすると・・・アレか。今度は転生特典か」

 

「そうじゃ、お買い得じゃぞ」

 

 

殴った所が多少腫れている爺さんがトランプ的なカードを数枚取り出す

 

 

「お買い得ねー」

 

「そうじゃぞ? この中から好きなカードを選ぶが良い」

 

「好きなカードねー」

 

 

悩むなー・・・ん? これってハズレとかあんのかな? それだったらマジやだなー

 

まー転生ってこのシチュエーションだけで十分アタリなんだろうけど

 

一枚か

 

 

「これだ!」

 

 

今後の人生を大きく左右する一枚だ。それはもう長く悩んだ

 

 

「ちょ! お主!」

 

 

悩みに悩んで悩んだ結果

 

全てのカードを鷲掴みしていた

 

 

「・・・。」

 

「・・・お主ぃ」

 

 

爺さんは俺を残念な物を見るような目で見る

 

 

「こっち見んなキモイ」

 

 

俺は結構強欲らしい

 

 

「全部取る奴があるか?」

 

「す、好きなのって言っただろ! 誰も一枚とは聞いてない!」

 

 

まるで子供の言い訳を言う俺はバリバリの高校生男子です

 

 

「まーあーそうじゃのー」

 

「み、見るなやい」

 

「まーいいわい。一つって言い忘れたワシのせいでもあるようじゃし」

 

 

心が広い爺さんに心の狭い俺は精神的ダメージをくらう

 

 

「では特典も決まった事じゃし、さっさと送ろうかの」

 

「っとそう言えば俺は一体何処に飛ばされるんだ?」

 

「ん? 惑星」

 

「大雑把過ぎる?!」

 

 

よくある様に足元に穴が開く

 

が、しかしぃ! 予想していた俺に避けられない物は無い!

 

横に軽く跳ぶ

 

 

「それもまたお決まりの行動じゃよ」

 

 

穴があった

 

あげくに落ちる瞬間に見えていたのだが、最初に開いていた穴の周囲、全てが穴だらけだった

 

用意周到な爺さんに驚き

 

 

「はぁ」

 

 

・・・と、まぁそんな感じで現在に至る

 

 

「惑星か」

 

 

あの落下してる時の感覚は如何にも受け入れがたいモノがあるよな

 

 

「流石に惑星ってのは広すぎるだろ」

 

 

森があるんだから生物がいるのは確かなんだろう

 

 

「お腹すいた」

 

 

ここは野生的にサバイバルでもしようか

 

ああ、でも雑草や木の実の知識とか知らんから何が食えるか分かったもんじゃねぇな

 

 

「いっそ次に出会った動物を特典能力でブッチして食べるか」

 

 

そんな事を考えていると、お決まりなのか、ガサゴソと音がして草むらから何か飛び出す

 

 

「よっしゃー! 食べ物ゲットォオオー!!」

 

「た、たべ?! わたしをたべちゃうのぉ?! いやぁぁあああ!!」

 

 

草むらから出てきたのは幼女だった

 

しかもスッゲェ美幼女だった

 

やっべ・・・どうしよう?




にじファンからの移転作品です

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