インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜 作:地雷上等兵
「「クラス代表決定おめでとう」」
掛け声とともに次々と弾けるクラッカー。テーブルいっぱいに出来ている色鮮やかな料理。その場にある溢れんばかりの活気。それらが自然とその場にいる人々を高揚させていた。
一夏達が住んでいる寮の食堂で夜、一夏のクラス代表決定を祝うパーティが開かれていた。
コの字型のソファの真ん中に一夏が座りその両脇をセシリア、箒が挟んでいたて。さらにその両脇を丹陽とのほほんさんが挟んでいた。
「あはははは…」
「何故お前が一夏と隣にいる」
「貴方こそ何故そこにいますの」
一夏はこの空気に気圧され、その両脇は火花を散らし、さらにその両脇はひたすら食べ物を口に運ぶ。
パシャン。
シャッター音とカメラのフラッシュ。突如現れた眼鏡の娘が無遠慮にシャッターを切っていく。
一夏達が注目するとシャッターを止めた。
「すみません。自己紹介が遅れました。私、新聞部部長をやっておられます、黛 薫子です。以後お見知り置きを。後一夏君。今度のクラス対抗戦に対するコメントとかもらえませんか?」
「えっえーと。精一杯頑張ります」
黛はカメラを下ろしやれやれと首を振った。
「もっとパンチのあるの無いかな?ほかのクラスなんか血の涙を見せてやるってかなりパンチが効いていたのに」
「随分と上品な奴がクラス代表になったもんだな」
丹陽が皮肉を呟く。
「別にこっちが考えてもいいけど。うーん例えば、溶けた穴あけチーズにしてやるとか、引き摺り下ろして細切れにしてやる、とかどお?」
「えーと。精一杯頑張りますでお願いします」
困った様に一夏は言った。
「えー。まあいいか。真実を曲げて送るなんた最低よね。じゃあ最後にセシリアさんと一夏君ツーショットで写真1枚撮らせて」
「わっわかりましたわ」
セシリアは喜びを隠し立ち上がる。
「いいけどなんで俺ら2人なんだ」
「それは、2人は注目の専用機持ちなんだもん」
一夏立ち上がる。
「あのー。もちろん撮った写真は頂けますよね?」
「もちろん。それじゃ見合っで見合って。はいチーズ」
パシャン!
「なんで皆さんも入ってますの!」
ふと丹陽は思い出す。今日倉持技研からの帰り、IS学園の制服を着た高校生くらいの娘に尾行された。しかし尾行にしてはあまりにも堂々としていた。
「まあいっか。お菓子の次は酢豚、酢豚」
「やっと着いた」
日がとっく暮れ良い子が寝る時間。一人の少女がIS学園の門の前にいた。
何故か紫のISを装着しており、2つの角の生えた球形のパーツが息切れを起こした様に上がり下りを繰り返していた。
「これも貴方のせいよ泉丹陽!」
朝、寮の食堂で丹陽と簪は朝食を取っていた。
「なんだ、打鉄完成してたんだ」
相変わらず丹陽は重いカレーライスを軽々と口に運ぶ。
「うん。日曜日にあんなに手伝ってもらったから。でね今お姉ちゃんに対抗戦に向けて特訓に付き合ってもらってるの」
「そうか、頑張っ甲斐があったよ」
「うん、本当にありがとう」
昔は言う必要もなかったこの言葉。最近になって多く使うようになった。簪自身いい傾向だと感じている。
「礼ならいいよ。物で受け取った」
パッと簪の顔が明るくなった。
「気に入ってくれたんだ」
「ああ美味しいかったよ、あのどら焼き」
「どら焼き?」
丹陽の勘違いが正されようとしたが。
「おはよう。丹陽、簪さん」
朝食を運びながら一夏が来た。
「織斑一夏!」
簪は一夏を見ると立ち上がる。まだこの2人の間には割り込めないと思って。
「丹陽、私お姉ちゃんに用有るから」
簪は食堂を出て行った。
「俺、簪に嫌われているのかな?」
「対抗戦の前だからライバル視してるだけだよ」
「ふーんって簪、クラス代表なの」
丹陽はやれやれと首を振った。
「その前に日本の代表候補生でも有るぞ」
「へえー」
丹陽はため息をついた。
「そういえば知ってるか?一夏」
「何が?」
「機能、ここの近くの海上で日中間のISの模擬戦が有ったらしい」
「なんで?しかも海上で?それにそんなこと事前通告とか有ったか?」
ISの模擬戦は弱装填弾を使用するとはいえ、実弾を使用するので通常はIS学園のアリーナの様な施設で行う。万が一海上などの野外で行う場合は、大々的事前通告を行うのだが。今回の場合、いくら情報疎い一夏でも知らなかったのだ。
「そうなんだ。だからおかしいと思って。簪にも聞いたが知らなかったそうだ」
「おかしな話だな」
「そうだな」
一夏が朝食を食べ始めたので、丹陽は食堂に置いてあるテレビを観た。
映っているのはどうやら飲み物のCMらしく、ラフな感じの男性がペットボトルを持っていた。男性はキャップを開けて中身を飲む。カメラは一気に飲み物に寄って、男性が画面から消える。飲み終えてカメラが引くと、男性が女性になっていた。
『コレやべよ、超やべえよ、マジやべえよ、すげーやべえよ、やべえぐらいやべえよ』
もう一口。
『ばぶーばぶばぶばぶばーぶばーぶばぶーぶー』
もう一口。
『パーオン、パーオンパーオンパーオンパーオンパー』
『何が起こるかわからない!パロプンテ!好評発売中!』
その後、ZUNTORYのロゴマークが流れる。
次のCMは、初老の男性が奥行きがわからない真っ白い部屋に立っていた。
『私には昔から夢がありました。そうです、宇宙移民です。多くの人も夢みたことでしょう。それ故月には個人領土あんなにあるのです』
男性は画面向かって右側歩き出す。
『ですが、もう月は古い!今は火星です!我が社、サイバーダウン社は火星の領土を格安でお売りしております。じゃんじゃん買って下さい。なになに、火星人に悪い。安心してください』
男は首元に手を当てる。
『二週間だけよ。二週間だけよ二週間だけよ二週間だけよ』
男性の髪が落ちる。そして顔の中心に縦に線が入って、かと思えばそれに垂直に一定間隔で線が入っる。
機械の音を立てながら、線に沿って顔が分かれていく。
中からタコの様な火星人が出てきた。
そして開いた顔を触手で掴むみ、本物の顔の横に持ってくる。
『私、火星人が許可します』
開いた顔は元に戻り、つまりは生首に、火星人と見つめ合う。
突如として2つの顔は笑い始めた。
『『HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA』』
次のCM。
5、6歳の子供達が公園で遊んでいる。
『平和な街。幸せそうな子供達』
女性のナレーションが入る。
『でも』
画面いっぱいに光りに包まれる。
『核は全てを破壊してしまう』
場面は変わり核攻撃を受けた、街が映った。
『だけど彼らは大丈夫』
子供達は何事なかったかの様に遊んでいた。
『何故ならあの子達は、露椅子の放射能保険に入っているから』
子供達から白い翼が生える。
『さあ貴方も一緒飛び立ちましょう』
子供達は遥か彼方に飛び立った。
丹陽は1度画面から目を逸らした。朝から見るには強烈な映像だった。
気が付いたらニュースになっていたのでまた見た。
『各国が核を出し合い、核を廃棄処分又は平和利用する計画 ピース の第一段階として太平洋に原子炉を建設する工事が始まりました』
キャスターがそう述べ、次に工事風景が映し出される。
「へぇー始まったんだ」
一夏が飯を食べながら言った。
「なんだ、知ってるのか?」
「知ってるのかって酷いな。この計画エカーボン事件ことが関わってるんだろ。だったら日本人として知っておかなくちゃ」
「そうだな」
丹陽はそう言うとまたニュースを見た。今やっているニュースは地球上のすべての言語が分かる天才少女が古代文明の文字を解読したというものだった。
エカーボンとは、アフリカ西部にある国のことで大戦後多くの迫害されてきた民族によって建国された国で。豊富な資金源と資源によって急成長し、アフリカ随一の先進国とまで呼ばれた。しかし去年の夏事実上の崩壊をしてしまう。それがエカーボン事件又の名をエカーボン核崩壊事件。エカーボンは当時アフリカのありとあらゆるところに軍事介入をしており、そのせいで首都フリータウンでテロが発生。そしてテロリストが表には存在しないはずの核をエカーボン政府から奪い自爆した。だがこの事件謎が多い。まず、エカーボンの面積は50万㎢にもなり核1発では全滅出来るわけが無い。何故テロリストが核の存在を知っていたのか?その核はエカーボンで作られたのかそれとも…。最も核で何もかもなくなってしまっているので、前後の通信記録や憶測でしか真実を追求出来ないのである。この事件やISの登場をきっかけに各国は核の廃棄活動を本格化。その計画がピースなのである。
一夏は朝食を食べながら思う。
ISは世の中を女尊男卑に変えた。だが同時に世界をほんの少しだけ平和にした。
二時限目の休め時間。一夏はクラスメイトと今度のクラス対抗戦について話し合っていた。
「やはり、1番の脅威は更識さんですね。他クラスで唯一の専用機持ちですし日本の代表候補生ですし」
セシリアが仮想敵に関して一夏に説明する。
「それに、専用機 打鉄弐式はまだ正確なスペックや戦術がわかりません。一方相手は一夏さんの戦闘を見ていると思われますから、一夏さんの弱点を必ずついてきます。ですから特訓は一夏さんの苦手を克服する方法しましょう。つまりは遠距離攻撃を主体とする私が一夏さんと特訓するに相応しいというわけですわ」
最後の方はに箒に向かってのセシリアは言った。
「相手はその裏を読んで近接戦を仕掛けて来るかもしれん。よって私の方が一夏に相応しい」
箒も負けじと一夏に迫る。
「2人一緒にやればいいじゃ」
一夏は妥協案を出した。
2人は睨み合った後顔を背ける。
「一夏が言うなら」
「一夏さんが言うなら」
お互い妥協案に乗った。
「そういえば。2組のクラス代表変わったらしいよ。なんでも、中国からの転入生らしいけど」
誰となくクラスメイトが言った。
「でも専用機持ちじゃ無いんでしょ。だったら楽勝じゃあん」
「それがっ」
「その情報古いよ!」
突然、教室の入り口の方から声がして、皆がそちらを向く。そこには小柄なツインテールの少女が壁の縁に寄り掛かる様に立っていた。
「2組にも専用機持ちがいるから、そう簡単に優勝できると思わないで」
知らないその少女に、誰も声を掛けられずにいたが、一夏だけはその少女を知っていた。
「お前…鈴か?」
「優勝できるとは言わないだな」
一夏が言い切る前に、先程までトイレに行っていた丹陽が話しかけた。
少女が丹陽の方を向き姿を認めると、目を見開いた。
「あんた泉丹陽!昨日の礼たっぷりとしてあげるわ」
少女はISを右腕だけ部分展開して交戦態勢に入る。
「誰だお前?」
丹陽は敵意を向けられているにも関わらず、呑気にしている。
「おい突然どうしたんだよ鈴。それと丹陽こいつは鈴、鳳鈴音でって紹介してる場合じゃない。丹陽なんで鈴をこんなに怒らせたんだ」
いきなりの旧友の再開を喜ぶ暇もなく、この状況に慌てふためく一夏。
「凰か。一夏、俺はこいつと初対面だが。凰?俺なんかやったか?」
「あんたね…私はあんたのせいでどれだけ大変な目にあったか。覚悟しなさい!」
鈴は丹陽に飛びかかった。
ガン!
「いーたい!何するのよあんた?」
鈴が丹陽に到達する前に、何者かが鈴の襟を後ろから引っ張りそのまま引っ叩いた。
「教師に向かってその口の聞き方。転校早々の暴力沙汰。教育してやる必要があるな、凰」
鈴を引っ叩いたの千冬だった。
「げ!千冬さん、じゃなかった織斑先生」
千冬の姿を認めた鈴は急に大人しくなりISも待機状態にする。
「お前はどっかの馬鹿共とは違って利口だな。授業が始まるからさっさと自分教室に戻れ、凰」
鈴が頷くが、その前に一夏といつの間にか自分の席に戻っている丹陽の方を向く。
「一夏、また後でね。泉!覚えておきなさい。織斑先生、わかりました」
鈴は自分のクラスに帰り、千冬は授業を始めた。
昼になり、一夏は積もる話をしようと鈴と食堂の同じ席で食事を取っていた。他には誰もいない。が数名が離れたところで様子を伺っている。
「にしても鈴、久しぶりだな。連絡入れてくれたら弾達も報せたのに」
「報せたら、劇的な再会が台無しになっちゃうでしょう」
「お前な…でもまた会えて嬉しいよ」
鈴は自分のラーメンを啜ってから言う。
「そういえば、あんたこそ驚いたわよ。いきなりIS動かしちゃうんだから」
「俺も信じられないよ」
「あんたね…」
鈴は呆れてまたラーメンを啜った。
「ところで、なんで丹陽のことそんなに嫌ってるんだ」
一夏は離れた席で食事を取っている丹陽を見た。丹陽は簪と同じ席で、呑気によりによってラーメンを啜っていた。鈴の場所からではギリギリ、食堂の中心にある柱が原因で見えない。だがそれも何かの拍子に見えてしまう。そうしたらさっきの二の舞。早く原因を突き止めてやらなければ。
「それは昨日あいつが…」
「一夏さん!そろそろそのお方の事を教えてくださいませ」
「そうだ一夏!いったいそいつは何者なんだ?」
箒とセシリアが、一夏達の下に来て一夏に問い質す。
「こいつは、ただの幼馴染で」
ただのという言葉に少し鈴はムッとなるが、一夏に同意した。
「そうよ。幼馴染よ」
「ちょっと待て一夏!幼馴染は私じゃないのか?」
「そっか。2人は入れ違いだったけ」
1人勝手に納得した一夏は説明した。
「箒、こいつは凰鈴音。箒が転校してすぐに入学して来たの。鈴、こいつは篠ノ之箒。前に話しただろ」
一夏が知らないうちに丹陽が食事を終え、一夏達の騒ぎに気がついた。
「つまりは箒がファースト幼馴染で、鈴がセカンド幼馴染だ」
「ファースト」
「ふーん」
箒は声が高揚しており、鈴は横目で一夏を見た。
「初めまして。これからよろしくね」
「ああこちらこそよろしく頼む」
試合前の一礼を2人は終えた。
「ごほん」
セシリアがわざとらしく咳をした。
「私の存在を忘れてもらっては困りますわ」
「あんた誰?」
「私はセシリア オルコット、イギリスの代表候補生ですわ。それから」
「ごめん興味ないわ」
「言ってくれますわね」
セシリアが身を乗り出し、言った。
「ところで一夏、クラス代表になったんだって。よかったら私がISの訓練に付き合おうか?」
「そいつは助かる」
一夏はすぐに了承したが、箒とセシリアが納得しなかった。
「一夏に指導するのはこと私だ」
「私達です、箒さん。だいたい敵である2組が指導なさるなんて、敵の施しは受けませんわ」
「私は一夏に話してるの。割り込まないで」
一夏は険悪な雰囲気に困るが、すぐに爆弾が近づいていることに気がつき、ギョッとする。
「ラーメン早く食わないと伸びるぞ」
「あ、そうだったって!あんた!泉!」
丹陽が1人ですぐ近くに立っていた。
「よく大声が出るな。感心するよ」
「余計なお世話よ」
丹陽がさらに鈴の殺意を駆り立てた。
「今度こそ昨日の恨み晴らさせてもらうわ」
鈴はISを右手だけ部分展開、指先を丹陽に向ける。
「昨日のこと土下座すれば許してあげるわ」
「昨日の事がわからないんだが?」
「思い出せないなんてほんと最低。覚悟しなさい」
「やめろよ鈴」
一夏が堪らなくって、鈴と丹陽の間に入る。
「そこをどきなさい一夏」
「なんでそんなに丹陽を憎んでるんだ?」
「そいつのせいで大変な目に遭ったんだから。だいたい私よりそんな奴の方が大切だっていうの」
丹陽は前々から思っていたことがあった。織斑一夏はある意味での希少種なんじゃないかと。今、それが確かめられる。なんとなく首を突っ込んだが、これからの展開が楽しみな丹陽だった。
「そんなの決まってるだろ」
一夏は丹陽は見てから鈴に振り返り言った。
「両方とも大切な友達だ」
「あんたねぇ!」
「期待を裏切らないな、ふふふ」
丹陽は堪らず腹を抱える。
「何処の馬の骨かもわからない奴と私が同格?」
「そんな言い方は無いだろ、鈴!」
「庇うの?昔からの女の幼馴染より、つい最近の男友達の方が大切だっていうの」
「さっき言っただろ。両方とも大切だって」
犬が食わないくとも、人は酒の肴してしまう。周りが食事を中断して3人を見ていた。
「もう!私との約束忘れたの?」
鈴は顔を背け頬を赤く染めた。そして気づく。自分達が注目の的になっていることを。
「約束?ああ、あれか」
「いい!言葉にしなくて」
周りの生徒を知られたくない鈴は一夏を止めようとする。
「なんでだよ。奢ってくれるっていう話だろう」
「「「え?」」」
一夏以外同じ反応をする。
「ほら、料理の腕が上がったら毎日酢豚をご馳走してくれるっていう約束だろ」
丹陽は四つん這いに倒れ、口に手を当てプルプルと肩を震わす。
「最低」
「え?」
一夏は鈴の突然反応に驚く。
「約束を覚えいないなんて最低!男の風上にも置けない奴。犬に噛まれてゾンビにでもアンデッドにでもなっちゃえ!」
「いやだからその約束は」
「意味が違うのよ意味が!今度のクラス対抗戦、首を洗って待ってなさい」
鈴は走り去っていった。
「鈴…どうして?」
「最低だな」
箒が去っていった。
「見損ないましたわ」
セシリアが去っていった。
「ふふふ…最高だよ」
丹陽が去っていった。
「みんな…」
一夏は先程まで食事を取っていた席を見る。
「食器置いて行っちゃった」
一夏から別れた後、鈴、箒、セシリアの3人は横一列に廊下を歩いていた。険悪な雰囲気に近くの人は勝手に除けていく。
「なんなのよ一夏ったら」
鈴は歩きながら悪態をつく。
「全くだ。私が居なかった間になんて約束をしてるんだ」
箒も悪態をつく。
「まさかあそこまで朴念仁だとわ。本当呆れてしまいますわ」
セシリアも悪態をつく。
そして各々に一夏の悪口を言う。
「だいたい鈍すぎふのよ」「そうだ、しかもデリカシーも無い」「ISの操縦だって、上手とはとても言えませんわ」などなど。
一息に喋った後3人に長い沈黙が流れる。そして、それを破るかのように3人は長いため息をついた。
箒が他の2人の様子を見てから口を開く。
「お互い頑張ろう」
「そうね」
「そうですわね」
ライバル意識より仲間意識が強くなった3人だった。
放課後、丹陽は簪と楯無がISの特訓しており、その様子を見るのと飲み物の差し入れをして、寮に帰っていた。
階段を上がり、部屋に入る。
部屋に入るとパソコンをいじり始める。画面に表示された情報とにらめっこする。必要な情報を得るとこができた丹陽は携帯端末を見る。メールを受信していて、送信者は簪。
[これから帰るから、食堂じゃ無くて部屋で待っていて]
と書かれた内容を見て丹陽は、二階のこの部屋を出て行こうとする。鍵は壊したので扉だけ閉め階段を登る。
丹陽が出て行った、部屋はカーテンが締め切ってあり薄暗かった。その部屋には、アンテナとレーザーポインターがついたレーザー盗聴器が置いてあった。三脚で1mほどの高さにあり、何本ものコードがパソコンに繋がっていた。他にも作りかけの怪しい機器がそこらじゅうにあった。
いろいろとパロを挟んだんですが、海外産もあり困っています。
誤字脱字表現ミスおかしな描写、ありましたら御指摘お願いします。