インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜   作:地雷上等兵

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原作とは違う設定を色々と登場させます。


第7話

「ISのエネルギーには、2種類ありまして。1つが稼働エネルギーでもう1つがシールドエネルギーです」

月曜日の一時限目。山田先生が、会議で居ない千冬の代わりに授業をいていた。

「前者が文字通りにISを稼働させるのに必要で電力などを使うのでバッテリーなどで容易に増量することができます。後者がISや操縦者の盾となります。また、シールドエネルギーは基礎理論提唱者の名前からタシロエネルギーと呼ばれるものが使われていることが分かっています。タシロエネルギーとは、全てのエネルギーに容易に変化する性質を持って、シールドエネルギーはこの性質を利用して、外部からの攻撃に対してほぼ同量同質のエネルギーはぶつけ対消滅させます。ですが、タシロエネルギーにも弱点があり容易に変化するということはつまりは保存が難しいということで、現在タシロエネルギーを長時間保存ができるのはISだけで、それがISの稼働時間の短さを招く要因だと言われてます」

そこまで言うと、山田先生は困ったように丹陽を見た。

「続けるます…一応稼働エネルギーをタシロエネルギーに変化させることはできるのですが効率が悪く、その状態こそが絶対防御であり、つまりは敗北を意味します。ちなみに、昔はタシロエネルギーは武器に用いた タシロブレード タシロキャノン などがあったのですが、稼働エネルギーを使えばどの道いいので直ぐに廃れました」

山田先生は、意を決して丹陽に言う。

「泉君!いい加減起きてください。今は授業中です!」

珍しく怒った山田先生の怒声にもピクリとも動かず、丹陽は机にうつ伏せ寝ていた。

朝から丹陽はうとうととしており、アイシャドウのような隈を作っており、何をやっていたかわからないがどうなったかは分かり易かった。何度も頬を叩くなどして、戦った相手に丹陽つい先ほど負けた。

「泉君は学生ですよ!学業も生活管理も責務です。それに泉君、織斑先生がいつ戻って来るかわからないですからね」

これでも丹陽はピクリとも動かない。

「泉君!それにっ」

授業時間終了のチャイムが鳴った。

「はぁ〜。ここまで来ると何かあったのでしょう、織斑君。泉君を保健室に連れて行ってください。織斑先生には私から言っておきます」

「わかりました、山田先生」

山田先生はそう言って、教室を後にした。

一夏は丹陽を起こそうとしたが起きる気配が無いため、肩を担ぎ保健室に連れて行った。

「丹陽、俺が言えることじゃないがっ、うああああ」

角を曲がった拍子に丹陽が一夏に倒れ込んでしまった。一夏は倒れてしまったが丹陽を受け止めた。

「大丈夫か丹陽?」

一夏の胸に顔を置いていた丹陽は少しだけ顔を上げた。

「すまない一夏。でもお前結構いい身体しているな」

「どうした急に?ってまた寝ちゃった」

一夏はそっと立ち上がり、丹陽を横抱きに抱えた。

その際一夏は、丹陽の顔を見る。整った中性的な顔立ち。そんな顔からは想像もできない位に普段は厳しいことを言うが、今は無防備にその寝顔を晒している。

「こいつも可愛いところあるな」

「何…やっているんですか?」

声の主の方を見ると、簪がすごい形相で睨んでいた。

 

 

簪は丹陽のいる1年1組に向かっていた。

昨日、専用機の組み立てを手伝って貰ったお礼をまだしていなかったのでそれをするために。本当は昨日の夜したかったのだが、夕方丹陽が用事があるからっと出て行き明け方まで戻って来なかった。

「丹陽甘い物大丈夫かな?」

簪の手にあるのは、Mrs・Dorayaki のシュークリームがありカスタード、抹茶、小豆の3種類が保冷剤と共に箱に入っている。

「昨日は本当は2人っきりが良かったな」

昨日は結局、のほほんさんをはじめ1年の整備班を呼んでの作業となってしまったが、おかげで組み立ては9割終わりクラス対抗戦には余裕を持って間に合いそうだ。

速足で曲がり角を曲がった時簪は見つけてしまった。丹陽が一夏にお姫様抱っこをされているところを。

「丹陽をどうするつもり?」

簪一夏の反応を待たずに言葉を叩きつける。

「いや保健室に連れて行って」

連れて行って連れて行って連れて、連れ込む!

「そんなこと先生方が許すはずありません!」

「許すも何も、先生に言われたんだけど」

教師公認の仲!

「どうやって落としたんですか?」

「(意識を)落としたも何も、勝手に」

相思相愛!

「いつからそんな関係に?」

「いつだろうな?うーんたぶん、入学当初からかな」

第一印象で決めた!

「織斑一夏!」

簪は力強く一夏を指差す。

「私は貴方を許さない。だから今度のクラス対抗戦首を洗って待っていて、そして私が勝ったら丹陽は私が…わかった!」

簪はそう言って走っていた。

かと思うと帰ってきた。

「これ丹陽に渡しておいて。昨日のお礼って言っておいて」

一夏にシュークリームを渡すと今度こそ簪は走っていた。

「一体なんなんだ?あー!簪、丹陽のこと好きなんだ」

走っていく簪と寝ている丹陽を見てつぶやく。

「思われているなんて羨ましいよ。丹陽」

 

 

丹陽達と別れた簪は、真っ先に生徒会室に向かった。

「お姉ちゃんいる?いるなら…頼み事が…あるの…」

言っている途中で簪は思い出した。最後に姉とした会話が自分が一方的に怒鳴り終わらせたことを。

楯無は椅子に座り、背中を向けている。

「その…いきなりごめん。それに今まで一方的に突き放してごめん。お姉ちゃんはいつも私のこと大切にしていてくれただけなのに…ごめんなさい」

初めて姉のことを想った。自然と涙が出た。

「やっとお姉ちゃんって呼んでくれた」

楯無がくるりと簪を向く。

「簪ちゃん、別に今までのこと気にして無いから。気になるのはこれからのこと。で頼み事って何かな簪ちゃん?」

簪は涙を拭くと言った。

「倒したい男がいるの」

「なんでまた、そんな物騒なこのを?」

「お姉ちゃん、もし好きな人がいてその人が非行に走っていたら止めるでしょ」

「好きな人?」

世界広しと言えど、ここはIS学園。男性の数は限られており、関係を考えると十中八九丹陽だろ。楯無には丹陽が非行以上の悪事を働いている可能性があることを知っている。

「非行といえば、例えばどんなの?」

だから楯無は訊いた。

「一週間も、寮で女の子と2人っきりなのに手を出さなかったり」

「えーと。まあ、年頃の男の子が異性に興味を持たないのは異常よね」

「他にも、私に興味が無いのかな?と思ったけどこのハーレム空間で女性関係の話聞かないし、その癖用務員や織斑君よく仲良く話しているし」

「えーと、簪ちゃん?一体何の話をしているのかな?平たく言って」

明らかに楯無が望んだ話では無い。

「丹陽と織斑君が同性愛者というお話」

楯無は脱力してしまう。

簪ちゃん。恋は愚かになることとはいえ。さっきの涙はなんだったのか。内心こうだがせっかく頼ってくれたのだ全力で応える。

「だからお姉ちゃん。織斑君を倒して丹陽を奪い取りたいの、だから訓練に付き合って!」

「わかったわ。でも専用機はいつできるの?」

「今日か明日位には」

「出来たら直ぐ呼んで、お姉ちゃん飛んで行っちゃうから」

「もうすぐ授業始まるから、私帰るね」

簪は生徒会室から出ようとするが、全く動こうとしない姉に疑問を持つ。

「あれお姉ちゃん。授業始まるよ?」

「いいのよ私は出なくて」

「なんで?」

「生徒会長だから」

「他の模範の生徒会長じゃないの?」

「生徒会長だから」

「なんかずるい」

「サボりたいなら、簪ちゃんも一緒にどう?生徒会長権限で成績なんてどうにでもなるわよ」

「越権行為」

「生徒会に不可能はありません」

「民主主義偽装の貴族政治」

「私に意見できるの簪ちゃんだけだから、むしろ独裁社会主義」

「ジェノサイドの予感」

「生徒会長だから」

何も誇れていないが、楯無は誇らしげに言った。

簪は楯無に別れを言って教室に戻った。

簪がいなくなったのを確認してから楯無はため息をつく。簪に対してではなく、簪が恐らく好きになった丹陽に対して。

「簪ちゃんをで元気にしてくれたのは感謝するわ。でも」

楯無は隠していた書類を出す。これを読んでいる時に簪が来たため、本当はドアを開けた途端に簪を抱きしめたかったところを我慢してこれをとっさに隠していた。

その書類に記されていたのは丹陽の経歴である。

「泉 丹陽。国籍日本。出身地サイレントヒル、静岡ね。両親は幼い時に事故死、以後学校付きの施設で育つ。先日織斑千冬により、IS学園に入学か」

一見可哀想でよくある様な経歴であるのだが、

「日本における、友好関係血縁関係不明。育った施設も先日潰れ資料等は紛失。しかも死んだ両親も似たような経歴か。怪しすぎよ」

そう、怪しいのだ。先ず国籍日本というところに疑問がある。入試問題の時に社会の問題で、本能寺の変で織田を倒したのは誰でしょう?というサービス問題に ヒムラー と書いた。その後も空欄が目立ち結局は社会の問題は10分の1も出来ておらず、他の学科の問題で好成績を出さなかったり入学でのあの経緯がなければ、IS学園を落ちていた。

入学の詳しい経緯は、織斑先生に何処からか重体で連れてこられて来た。その頃、謎の組織がIS関係で非合法活動を行っているという情報が上がっており、彼丹陽はその組織からIS学園を守る戦力になると織斑先生は言って彼を入学させた。その際、その謎の組織の情報を持ち込んで来た。その情報は構成メンバーの写真や、関わったと思われる事件についてである。つまりはその組織にもともといた可能性があるということ。これだけならまだいいのだが実はとんでもないことになった。

「身長も偽装しているわね。160もないでしょ」

別に身長ことではない。

今日の朝とある連絡が来た。電気部から盗難の被害にあったというもので、たまたま掃除をした時に明らかに幾つかの部品が無くなっていたという。孤島のここに泥棒が侵入したとは考えにくく、内部犯が疑われている。その無くなった部品組み立てるとレーザー盗聴器を作ることが出来るらしい。そして部活棟を最近になって利用していたのは何人もいるが人目につかず利用していたのは、ごくわずかに限られる。昨日、深夜に丹陽が誰もいない部活棟を利用していた。

証拠はない。怪しいとはいえ恩人。

楯無の中で善意と良心が喧嘩をしていた。だからこそ踏み込んだ調査がしたいのだが、学園長からそれをプライベートの問題として許してはくれなかった。もし、本当に丹陽が敵側だとしたら待ってはくれないのに。

「直談判しかないか」

楯無はそう言って、学園の真の権力者の元に行く。

 

一夏は丹陽を保健室におくり、第2アリーナにいた。

ISを使った初めての実技訓練だが模擬戦を経験した一夏は簡単だと思っていたが現実そう甘くはない。

セシリアと共に実演しろと言われたのだが。まず白式の展開に手こずり白式より出力に劣るブルーティアーズに速度で負け、今地球にキスをするところである。

初体験直前、白式がそれを防ぐ。

[自立制御]

白式は操縦権を借り地面ギリギリで見事に止まった。

[操縦権返還]

「なんだ最後だけは綺麗に決めるじゃないか」

千冬が素直に一夏のことを褒める。

「白式のお陰ですよ」

「機体性能を信じたお前を褒めているんだ、素直に褒められろ」

「いや、機体性能云々じゃなくて全て白式がですね」

「流石です一夏さん。初心者とはとても思えませんわ」

先に地面に降りていたセシリアが首を突っ込む。

「だから白式がって、一夏さん?」

呼称が変わっていることに気付き一夏が突っ込む。

「ですけど、まだほんの少しですが稚拙なところがありますわ。ですから放課後宜しければ私がISの御指導しても?」

「それなら間に合っている」

一夏が返答する前に箒が応えた。

「一夏にISの訓練を私がしていたし、これからもそのつもりだ」

「あら箒さん。代表候補生の私よりも貴女が優れていると?」

「当たり前だ。何故なら私は…」

箒はそこで一度言葉を切る。

「私は篠ノ之束の妹だから」

「私は親族のことは訊いておりませんわ。貴女個人のことを訊いているです」

「私が一週間訓練して、初心者の一夏がお前に勝ったぞ」

「それは一夏さんが優秀だったからですわ。貴女は関係ありません」

「猫を被った様な奴が指導したところで、大した効果にはならんぞ」

「鬼よりはましですわ」

「「ふん!」」

両者は顔を背けた。だが、箒のセシリアに対する認識はあまり悪いものではなかった。箒を姉である束抜きに一個人として見てくれたから。

「どうしてこの2人は仲が悪いんだ?」

一夏はそう呟いた。

[朴念仁]

白式がそう誰ともなく伝えた。

 

 

時は昼頃。丹陽は保健室で目覚めた。

丹陽は目覚めると、すぐそばにあった箱を気が付く。[簪から丹陽に渡してくれ。一夏より]と書かれたメモがあり、蓋を開けてみると、ゴツゴツした狐色の岩の様な物が3つ入っている。保冷剤があり甘い香りがすることから食べ物だと丹陽は思い、躊躇なく食べる。1つ食べ、残りを一気に貪る。

丹陽は何を食べたのか知るため箱を見た。

「ミセスドラヤキ?成る程これがどら焼きかという物か!青狸が夢中になるわけだ!」

感激も程々に、丹陽はベッドから出てある物を探す。地震大国日本の学校だからこそ必ずある物はすぐに見つかりそれを装着した。それとほぼ同時に足音が近づいて来た。

「さあ来い」

足音が保健室の前で止まり、容赦無く開く。

「丹陽、体調はどうだ?って何故ヘルメットをかぶっているんだ?」

丹陽が装着したのはヘルメットだった。

寝不足で授業中に倒れ昼まで寝ている生徒を千冬が鉄拳制裁しないはずない。だから丹陽は対策したのである。

「体罰上等との証であります」

「体罰?何故私がするんだ。酷い腹痛で倒れた生徒を追撃する様な真似を私はせん」

「腹痛?いえそうであります」

多分山田先生が嘘をついてでも守ってくれたのだろう。

「申し訳ない」

「何か言ったか?」

「いやなんでも無い」

丹陽は寝る際に脱がされた、上着と手袋をつけた。

「丹陽今来たのは見舞いにするためじゃない。ほれ」

そう言って千冬は丹陽に何かを投げる。

「立春水泳の時もそうだが、物はちゃんと手渡せよ」

丹陽は投げられたものを見た。それはチョーカーで茶色なめし革に銀色の金具がついていた。

「首輪?」

簪のことを思い出して苦笑いする。

「チョーカーだ。ラファールを改造するとか言っていただろう。セシリア戦の時にお前が使っていた奴だ、学園長からも許可は取った正式にそれはお前のものだ。用はそれだけだ」

千冬は保健室から出て行った。

丹陽はチョーカーを付けて、電話を掛ける。掛けた先は倉持技研の丹陽用の専用機開発主任、中山二郎。開発主任と言っても、設計者は他は白式のデータ収集に忙しくいない。詰まる所実質開発設計は丹陽と彼しかいない。しかし簪の専用機開発を中途半端にするくらい倉持技研は人手不足なのだが、何故二郎が丹陽の専用機開発に回されたのか?訳は彼が新人なので余り仕事を任されてもらえず暇で彼自身専用機の開発をしてみたいかったらしく、ごく自然に丹陽と巡り会えた。

「もしもし中山?」

『もしもし丹陽なんだい?』

二十代前半長身痩せ型でボサボサ髪で黒縁眼鏡をかけ、顔にはニキビを大量に作っており、しかも色白なためよく目立つ。そんな二郎の姿が丹陽には目に浮かぶ。

「ISが手に入った。今からそっち行く」

『えっえ?昨日徹夜したばっかだぞ。結局技研の硬いソファで寝ていたんだぞ。今日は休ませろ』

昨日、簪の作業を手伝いを終えた丹陽は、専用機を作るための生体情報を取るため倉持技研に行っていた。ついでに、専用機のコンセプトを決めるため夜通し話し合っていた。

「1時間後に」

『絶対にくるっ』

ブチ。

丹陽は電話を切り、学園を出ようとする。

IS学園は孤島で、本土とはモノレールとその隣に設けられた橋で繋がっている。丹陽はモノレールの時刻表を見たが 流石にこの時間モノレールは動いていなかった。丹陽は仕方がなかったので橋を使うことにした。

「こんな時間にここにいるとは余り感心できないね」

そう丹陽に老人が話しかけて来た。

「貴方はどちら様で」

「見ての通りの用務員さあ」

老人は、壮年の男性で用務員の格好をしていた。顔はシワだらけだがむしろそれが彼の印象を柔らかくしていた。

男と丹陽の距離は10m位。話すには少し遠い。

「丹陽君、何故授業をサボっているんだい」

「両親の見舞いに」

「君は酷いことを言う様だが孤児じゃなかったか?」

「何故それを?」

「君は有名人だからだよ」

「ここは有名人だからだって個人情報をばら撒くのか?」

老人が応える前に丹陽は続けた。

「ここの用務員みんな二十代から四十代で、みな何かしらの戦闘職についていた。なのに、壮年の明らかにデスクワークばかりの男性。想像を働かせずには要られないな」

老人は何も答えなかった。

「丹陽君1つ質問があるけどいいかい?」

沈黙の代わりに老人が質問をする。

「その前に名前を教えてくれ」

「轡木 十蔵だ」

「で轡木質問は?」

「正直君はIS学園のことをどう思っているんだい?」

丹陽は轡木のことを別の機関の諜報員だと思っていた。だが、ならばこの様な質問はおかしい。つまりはIS学園の身内でそして…

「短SAMにCIWSを配備。用務員に至るまで徹底的に身元調査の上、元戦闘職が必須条件。まるで要塞。いやISも有るから不沈空母か」

「そうゆうことじゃ無い」

轡木が近づきながら言った。

「あんたが、この夢の国の王子様か」

「王子様といえる歳じゃ無いがね」

丹陽は轡木が自分の所に来る前に行こうとした。

「精根尽きているのによくやるよ」

「例えISが男しか使えなくても私は同じことをしただろ」

丹陽は振り返りそれに応えた。

「ああわかってるよ。でもなここに居るのはISを持つことが出来た一部の国の女子高生ばかりだ。国は持っと有るし人種は持っといるし通じない言葉ばかり、人間だってもっといる。実験のつもりか何か知らんが、平和な世界を仮想で作るにも要素が不足してると思うぜ」

「それが質問の答えか」

丹陽は何も言わずさっさと行ってしまった。

完全に丹陽が見えなくなってから轡木は喋り出した。

「本当に調べるのかね。楯無君」

返事は無い。

「私は止める気は無いし、止めたところで君は勝手にやるだろ」

轡木は用務員としての仕事をするため持ち場に戻ろうとする。

「彼がスパイでもそうでなくても呼んでくれ。無実だったら一緒に謝ろう」

「もしスパイだったら?」

初めて返事が帰ってきた。

「私は正直短SAMもCIWSも使わずに済むと思っている。でも1度だって整備を怠らせたことは無い」

それだけで答えは充分だった。




丹陽と一夏がホモっぽいですが、両方ノンケです。多分。でも原作のワンサマーさん、男装時のシャルロットにやたら馴れ馴れしかった覚えがあるんですが。大丈夫ですかね…


誤字脱字、描写ミスおかしな描写。有りましたら御指摘お願いします。

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