インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜   作:地雷上等兵

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今回更識姉妹が出てきます。


第3話

学校が終わり、ISの訓練のため一夏は箒に連れ去られ、丹陽はIS関連の知識を得るため図書館やら整備所などを巡っていた。

「いてて」

時間は20時。 一夏は、痛む体をほぐしていた。

箒に連れ去られて、いきなり剣道をやらされてボロ負け。それから徹底的にしごかれ今に至る。

「これが週末まで続くのか」

いくら専用機が届くのが遅れるとはいっても剣道ばかりやって本当に勝てるのか?そう疑問に感じていた。

「俺だって、セシリアに勝ちたいんだ」

一夏はそうぼやいた。

一夏が今いるのは、1年1組の教室。忘れ物を取りに来ていた。

ん?一夏は教室の窓から奇妙なものが見えた。

恐らく寮の前で何人もの用務員が掃除をしていた。

新入生歓迎会か何かの後片付けでもしているのか?だとしたら、運が悪い。俺も用務員の人も。別に自分達が散らかしたわけでも無いのに片付けさせられるなんて。でもこれが当たり前なんだよな。

ISが登場してから世の中は、女尊男卑。男性の方が弱いのだから女性は偉い、そうゆう考え方当たり前になっていた。男性は肉体労働や子孫を残すためだけにいる、そう本気で考える女性もいるし悲しいことに男性の中にもそう考え、女性に媚を売る生き方をするものすらいる。何世紀も続いた男尊女卑のやり返しなのか。

一夏はため息をつく。

でも俺は認めない。もしかしたらセシリアは女性の代表なのかも。ならますます負けられない。

一夏はそう決意した。

 

 

寮に着いた一夏は迷うことなく自分の部屋に辿り着き入った。

もうすでにルームメイト帰って来ていて、シャワーを浴びている。

一夏は丹陽と同じ部屋だと思っている。だから迷わず、バスルームに入った。

「丹陽ただいま。あと参考本かりたいんだけけけど?」

バスルームにいたのは丹陽ではなく箒だった。しかもタオル1枚という格好。

「いーーーちかーーーー!」

箒叫びながら、右ストレートを放つ。

全体重が乗った握りこぶしは、正確一夏の左頬を一夏自身を吹っ飛ばした。

向かいの壁が硬く一夏を受け止める。

「ごふ。まっ待って箒話せばわかる」

言葉とは裏腹に逃げようとする一夏。

「問答無用。覚悟!」

それ追撃する箒。

九死に一生 何とか廊下に出られた一夏扉を閉め、扉に寄りかかるように座り込んだ。

「助かった」

まだ助かってはいたかった。

ドス!

木刀が扉を貫き一夏の顔の横に飛び出した。

「ひぃ」

一撃また一撃また一撃またまた一撃、次々と木刀が飛び出してくる。

それ奇跡的に回避していく。

「箒、避けなかったら死んでたぞ」

殺気の籠った連続攻撃に一夏は叫んだ。

「なになになんの騒ぎ?」

「あ!織斑君だ」

「ここ織斑君の部屋なんだ。いい情報ゲット」

騒ぎを聞きつけ、周りの部屋から女子が出てきた。しかもすごい格好で。

「えっ?えっ?えーー!箒様ここを開けてください。死んじゃいます。お願いします」

女子生徒から逃げるため、部屋に戻ろうとしたら鍵をかけられていた。

「いいぞ、入れ」

一夏は迷わず入った。

そんなに様子を丹陽が離れて見ていた。

しかし、何故か用務員の作業服を着ている。

「あいつもああゆう目に遭っていたか。」

丹陽は女子生徒に気がつかれないよう寮を出て行った。

 

 

「織斑先生たっ大変です」

「どうした?山田先生」

「織斑君と泉君同じ部屋だったのですが、記録が改竄されていてしかも鍵もすり替えられていました!」

「あいつか」

「なんですか?織斑先生」

「いやなんでもない」

「とにかく未成年が異性と相部屋なんて問題です」

「大丈夫だ。あの2人なら間違いは犯さない。私が保証する」

「わっわかりました」

 

 

時は流れて金曜に。

「結局完成しなかったな」

丹陽がつぶやく。

4日で完成できると思っていなかったが、設計図ぐらいはと思ったのたが。駄目だったか。

「逃げ出さなかったこと褒めて差し上げまさわ」

「2戦2敗。そろそろ勝つか」

丹陽はラファール リヴァイヴを起動する。

 

 

時は戻り4日前に。

丹陽は荷物を手に寮にいた。

丹陽がいる寮は、将来的に生徒が増えてもいいように多めに作られたもので。食堂はないが他の寮と気になるほどは遠くない。普段は来賓の宿泊施設として使っている。しかし、IS学園に男性が入学するという、イレギュラーな事態に本来の役割を果たそうとしていた。

丹陽は迷うことなく自分の部屋に辿り着き、扉を開く。

ルームメイトは一夏。丹陽はそう思っていた。

「一夏ただいま。特訓どうだった?」

部屋に知らない人がいた。

女性だった。髪型はセミロングでメガネをかけていた。お風呂上がりなのか肌ほんのり高揚して、スレンダーだがなかなかのプロモーションでの持ち主。なぜわかるかのかといえば、下着姿だから。丹陽と目が合う。

「キャーーーーーー」

当然のごとく叫んだ。

思わず手荷物を落としたが、迷わず廊下に出た。そして扉を閉め、外から鍵をかける。

「鍵は合ってる。一夏女でも連れ込んだか?」

丹陽はひとまず事情を聞くためにノックをしようと振り向いた。だが、振り向く途中で見た。

廊下の奥から、自分めがけて流れて来る濁流を。

「えーー!」

丹陽は飲み込まれた。

濁流は止まることなく廊下の突き当たりに丹陽を叩きつける。幸いもとい最悪なことに廊下の突き当たりは全面ガラス張りで、ここは3階。濁流はガラス張りを突き破り丹陽を外に放り出す。

今度こそ幸いなことに下には池があった。

 

 

「そんなことを信じろと?」

「信じなくていいよ、俺も信じられない。だけど、春にガラス張り叩き割り池に着衣ダイビングって話した方がいいか?つーか監視カメラあっただろそれを見ろよ」

今丹陽がいる場所は、更衣室で他に千冬と山田先生がいた。

丹陽は裸で毛布に包まっていて、温かいコーヒーを啜っている。

「それがその時の映像が消されていてな」

「めちゃくちゃ怪しいじゃねーか」

「なっなにはともあれ怪我がなくてよよかったじゃないですか」

山田先生が言った。さっきからそわそわしていて落ち着きがない。目も泳いでいる。

「そうだな山田先生。ほれ丹陽これを着ろ」

そう言いながら、千冬は丹陽に作業服を投げる。

「それを着たら、今用務員が寮の前で飛び散ったガラスを掃除しているからお前も手伝え。行こう山田先生」

千冬と山田先生は更衣室でていこうとする。

「俺は被害者だぞ!なんでやんなきゃいけないんだよ」

丹陽の言葉に千冬が振り返った。

何故か手に出席簿がある。

「了解です!」

丹陽は敬礼する。

「その前に山田先生訊きたいことが」

 

その後、丹陽は用務員に混じり飛び散ったガラスの掃除をした。その作業中、用務員のクヂを聞かされた。やれここの女性はパワフルすぎるだの、頼りにされ過ぎるだの、今日もここの他に掃除やら鍵の修理やらだのと。

一夏の様子を見に行ったら夫婦漫才を繰り広げていてなにもせず自分の部屋に帰った。

途中綺麗に一面剥がされたもとガラス張りの壁の前に立ち入り禁止のカラーコーンが立てあった。

そして今ルームメイトと丹陽は向かい合っていた。

「さっきはすまない。俺は泉丹陽。名前は?」

「…こちらこそ…名前は…更識 簪です…」

あれが初対面なのだからか、距離を感じる喋り方だ。だが、何故かどこか申し訳なさそうだった。

「ため口でいいからさぁ。ところで濁流で流して3階から叩き落とすような人に心当たりない?」

「そっそんな人知りません」

一度、ハッとしたかと思うと強くそう簪は断言した。

身内かなにかか。そうわかった丹陽は

「何か気に障ること言ったらすまん」

と言い、時計を見て言った。

「用事があるから」

と部屋を出て行った。

 

 

「はあ〜」

生徒会室で更識 楯無はため息をついた。

さっき妹である簪から電話がかかってきて出ると、

「私に構わないで!」

もしもしのもの字も言わずそう言われ切られてしまった。

いつからだろ。姉妹の関係がこうなってしまったのは?

突然生徒会室の扉が開いた。

「イヤーここにいたか。更識」

「ノックもしないなんて、もし私がはしたない格好だったら責任とってくれ?」

「耳が痛い。あと腰も痛い」

入って来たのは丹陽だった。

「面倒だから短刀直入に聴く。よくも3階から叩き落としてくれたな」

「しーらない」

楯無はそう言い、くるっと振り返った。果たしてしらばっくれているのか責任を感じていないのか。

「証拠はある。先ず俺が濁流に飲み込まれた証拠がある」

「床は濡れていて?」

「いや。だが監視カメラがあった」

「だったら映像を見せて」

「残念なことにその時の映像は消されていた」

「だったら」

「だけど!その前後はあった」

丹陽は確信した。映像を消したのはこいつ。

「もし俺がガラスを叩き割り池に着衣ダイビングしたとするとおかしい、ガラスが綺麗に一面剥がされたことが。お前のISなら濁流を作れる」

「用務員の人が危ないからって残ったガラスを剥がしたってのは?」

「ここで映像だ。見てみたんだが用務員がカラーコーンを置く前からガラスは残っていなかった」

楯無の表情はわからなかった。

「私がやったて証拠は?その理論だと高風圧でも出来ちゃうけど」

「山田先生は随分と早い段階で、寮の部屋割りが改竄されていたことを知っていた。お前のおかげでなあ」

丹陽は一息ついてから続ける。

「俺はこう考えている。更識お前はふと妹の部屋割りが気になった。そして確認してみたら男と相部屋。だから妹に警告をしようと思ったがお前は入るのをためらった。そしたら俺が来て隠れた。で妹の悲鳴を聞き俺を吹っ飛ばした。だがここに居たことが妹ばれたり、生徒会長なのに私的目的のためISを使ったこがばれるのはまずい、だから事態を隠蔽。どうだ当たっているか?」

「物的証拠がないわよ」

「あったさお前が隠れて居た場所に」

「残念だけどあの部屋の鍵は前々から壊れていてわたしも行ったことが!あ!」

丹陽がニヤリと笑う。

「語るに落ちる。あの部屋に隠れたなんて一言もいって無いぜ」

勝った。しかも奥の手もある。

「なにが目的?」

楯無が 観念した。

「ISの製造施設と技術者と予算が欲しい。あと必要な情報を得られるルート。これだけ」

どこかこれだけなのか?楯無がそう思った。

「織斑先生にも、同じようなこと頼んだって聞いたけど」

「頼りは多い方が良い。それに」

丹陽が以外なことを言う。

「俺は千冬が好きじゃ無い」

「そうわかった。倉持技研ってところを明日紹介する。ソースについてはそうゆうの私の十八番だから任せて」

言いながら楯無は振り向いた。

「その代わりだけど」

「なんだ?」

「簪ちゃんの面倒見てくれる?あの娘人付き合い苦手だから」

「わかった、任せろ」

生徒会室から出た、丹陽はポケットの中から情報端末機を出す。その中にある更識姉妹の通話内容をみた。もし、楯無が折れなかったらこれを交渉材料にしようと思っていた。ちなみに盗聴器を使ったのだか、盗聴したのは姉では無く妹の方。

「嫌われずに済んだな」

そう言いながら、盗聴記録を消した。

丹陽は部屋に帰った。

 

 

部屋に帰ると簪がパソコンで作業をしている。

「なにやってるんだ?更識」

「…別になんだっていいでしょ…」

「ISの組み立てか。すげー。これ1人でやったのか?」

「ちょっと、勝手に覗かないで!」

丹陽が簪の言葉に構わず続ける。

「じゃあさぁ。俺金曜日に試合あるから専用機欲しくて。作り方教えてください」

丹陽が頭を下げる。

「4日で出来るわけないでしょ!」

「そう。じゃあ金曜日には諦めるから」

「だいたい設備や資金は?」

「気にするな。両方とも大丈夫」

「私…この子作るので忙しいから…」

「教えてくれたら、手伝えるよ」

「私は…これを1人で組み上げるの…。組み上げなきゃいけないの…」

「そうか。わかった」

「え?」

こうゆうとき大抵の人はみんな、そんなのは無理だとか言って無理にでも手伝おうとする。いや、教えてもらうためにこちらの口に合わせている。そう簪は考えた。が

「通したい意地なんだろ、無理をしてでも。そうゆうのわかるから止めないよ。だから手伝わない、でも応援してるよ」

以外だった。

「だから教えてください」

この言葉も以外だった。

簪はため息をついて言う。

「…どこから教えてあげればいい?」

「よし!基礎の基礎から」

またため息をついた。

いつになったら完成するのだろうか?そう簪は思った。

 

 

金曜日の試合。

ラファール リヴァイヴを装着した丹陽は勢いよく発進する。そして気がつく。

飛べない。

丹陽は落ちた。




量産機を駆る主人公とか好きです。主人公専用機も好きです。つまりラビドリードックが好きです。

誤字脱字表現ミス、ご指摘お願いします。

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