インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜   作:地雷上等兵

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全体的に見て思ったのですが、作者には文字数で話を分けることが出来ないと。ここから長くなります。


第2話

教室に入ってきたのは、緑色のショートヘアーで眼鏡をかけ童顏。教壇ではなく、生徒席に座っていても違和感がない。だが、そんな見た目にもかかわらず、Eカップはある胸に違和感を感じずにはいられない。

「皆さん入学おめでとうございます。私がこのクラスの副担任になった、山田 真耶です。」

シーン。

ほとんどの人が織斑か丹陽の方を気にしているため、誰一人として反応しない。

「あ、えーと。皆さんが入学したIS学園は全寮制で、学校中でも放課後でも一緒仲良くしましょうね。」

シーン。

「そ、それじゃ、みなさん自己紹介してください」

山田先生はそう言い、出席簿を見る。

「まずは、君から」

先ほどから、ずっとあくびをかみ殺しどこか彼方を見ていた丹陽は、今まで話しを聞いていたかのように立ち上がった。

「泉丹陽です。お聞きのとおりセンスの欠片もない名前を付けられ、ご存知のとおり捻くれものです」

バシン!

丹陽が喋りきると同時に頭を叩かれた。

「センスが無いとはなんだ。センスがないとは」

突然現れた、織斑千冬が丸めた出席簿を手にそう言った。

「自分の親のことですよ。織斑先生」

「お前の親の代わりに殴ってやったんだ」

丹陽が舌打ちをしながら、ぼそりとつぶやく。

「サバ野郎が」

ガン!

今度は丸めず角で殴った。

「何か言ったか?」

丹陽が頭をさすりながら言う。

「教師のくせに体罰とか…」

千冬が黙って拳を上げる。

「とても素敵だと思います。生徒がつけあがることが無いようする、先生は先生の鏡です」

丹陽が笑顔で語った。

「あの、織斑先生。会議は終わったのですか?」

山田先生が困ったように聞いた。

「ああ。任せてすまなかった。後は私がやる」

千冬が教壇に立った。

「諸君。私がこのクラスの担任の織斑千冬だ。お前たち新人を一年で使い物にするのが私の役目だ。私の言うことをよく聴き、理解しろ。できない者はできるまで指導してやる。いいな」

「キャーー‼︎千冬様よ。本物の千冬様よ」

「ずっとファンでした」

「私、お姉様に憧れてはるばる北九州からやって来ました」

千冬の発言に対して、間髪入れず女子生徒の黄色い歓声。

一体どこに人を惹きつける魅力があるのか?と考える一夏と、頭をさすりそれどころじゃない丹陽。

「全く。毎年よくこんなに馬鹿者共が集まるものだな。感心させられる。それと何だ?私のクラスに馬鹿者たちを集めさせているのか?」

「キャーー‼︎お姉様もっと叱って‼︎罵って‼︎」

「でも時には優しくして」

「そしてつけあがらない程度に躾けて」

千冬はため息をつくと、自己紹介を再開させた。

「一夏次はお前の番だ。わかっているとは思うが、まともな自己紹介をしろよ」

一夏は、立つとちらりと丹陽を見た。

強烈な一撃だったのかまだ頭を庇っている。

「俺………

 

丹陽は回復したが一夏は対称的だった。

「それでは、一時限目を始める」

随分と使い込まれた出席簿を手にそう言った。

授業が終わり、休み時間が始まった。

一夏は、机にうつぶせていた。授業の内容がわからなかったからだ。

「駄目だこりゃ。さっぱりわからない。丹陽少し教えてくれないか」

「無理だ」

「頼むよ。このままだと、また千冬姉に何されるか」

「そう言われてもなぁ」

丹陽が教科書を眺めな言う。

「俺にもさっぱり」

「え?」

千冬姉に認められほどなのだから、てっきりIS関連に詳しいと思っていた一夏は驚いた。

「お互い初心者。気長に学ぼう」

「丹陽初心者なのか?」

「まあな」

「じゃなんで~」

「織斑君と泉君。ISのことなら私が教えようか?」

突然話しかけて来たのは、女子生徒でリボンの色から3年生であることがわかる。

「えぇっと、3年生の先輩ですか?なぜここに?」

「それは~」

「それだったら私がISについて教えるよ」

今度は、2年生。

「だったら私が」「私のほうが」「私だって」

いつの間にか、丹陽と一夏の二人は大量の女子生徒の囲まれていた。

一夏は困った。どうしようかと思い、丹陽を見る。

丹陽は、ほんの一瞬だけ本当に苦しそうな嫌そうな顔をした。一夏はそれを見た。

「なんだお前たち。 クラスが違うぞ。それとも直々に私の指導を受けたいのか?」

休み時間が終わり、クラスに戻ってきた千冬が群がる女子生徒達に向かって言った。

「そ、それじゃクラスに戻るから」

女子生徒達が蜘蛛の子を散らすように四散していった。

「それじゃ授業を始める。が、その前に決めなければならないことがある。」

千冬がそう言った。

「来週あるクラス対抗試合のためのクラス代表を決めなければならない。誰か推薦するものはいるか。自薦でも構わない」

千冬の言葉に何人もの生徒が早速手を上げた。

「はい!私は織斑君を推薦します」

「私は泉君を推薦します」

と次々と丹陽と一夏を推薦する。

初心者なのに。丹陽はそう思った。

「お、俺⁉︎」

「泉と一夏か。他に誰かいないか?」

驚く一夏を尻目に、進める千冬。

「待ってください!納得いきませんわ」

セシリアが立ちなが言った。

「はぁ〜。やっぱ来た」

丹陽がため息をついた。

「そのような選出は認められませんわ!大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそんな屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

セシリアが丹陽と一夏を睨みながら言った。

「実力からすればこのわたくしがなるのが必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

一夏は怒りが込み上げてくるがわかった。

「だいたい~」

「やっぱり。本場の英国の人に比べたら、ISを動かせる男なんてインパクトが薄いか」

丹陽が突然口を開いた。

「パンジャンドラムとかジャックチャーチルとかいる国から比べるとこの国は田舎臭いか」

ドラム?ジャック?セシリアには何を言っているかわからなかったが、とにかく褒められているのだと思った。事実そんな感じだが。

「やっと私や私が祖国の偉大さがわかりましたか」

「だけどな、ここにいるやつはオルコットの実力を知らない。だから示せばいい。」

丹陽が千冬の方を向く

「千冬先生、模擬戦なんてどうでしょうか?」

「いいだろ」

「構いませんわ」

「ちょっと、待って」

セシリアは賛成したが、一夏は納得していなかった。

「それ俺もやるのか?」

「もちろん。気に食わないなら潰せばいい、それが一番手っ取り早い。」

俺が我慢出来なくなっていたことに気づいて。一夏はそう感じ丹陽の案に乗ることにした。

「一夏、泉、オルコット。他に参加者はいないか?よし金曜日第2アリーナにてクラス代表決定戦をやる。異論は無いな?」

「もちろん」

「いいですわ」

丹陽が手を上げる。

「なんだ泉?」

「クラス代表って具体的に何をやるんですか?」

「さっき述べたクラス代表対抗試合に、生徒会などの事務に担任である私の補佐もやってもらう」

千冬の話しを聞いて丹陽は何かを考えていた。

「一夏。相手はお嬢様だよな?」

何か閃いたのか丹陽は言った。

「あ!そうだった。セシリア、ハンデはどうする?」

「ハンデ?欲しいのでしたら差し上げましてよ」

「俺らじゃなくて、おまえにたいしてだよ」

一夏は真面目に言ったのだが、

「フフフ、織斑君。男性が女性より強かったのは昔の話し」

と、女子生徒に笑われた。

「そうそう、今男と女が戦争したら3日も持たないって言われてるんだから」

3日で地球が吹っ飛ぶの間違いでは?そう丹陽は思うだけ。

「一夏もらえるもんはもらおう。いいなお嬢様」

「構いませんわ」

「ちょっと、待てよ」

一夏に構わず進める。

「2対1で戦う。俺と一夏対お嬢様だ。」

「2体1とは、卑しい発想ですこと。ですが受けて立ちますわ」

セシリアにも構わず進める。

「先ずは、俺とお嬢様で1対1。その後一夏と1対1。二試合ともオルコットが勝てば、オルコットがクラス代表に。俺たちのどちらかが勝てば一夏がクラス代表に。こんなのはどうでしょうか?織斑先生」

丹陽はセシリアに負けたくなかった。しかし、面倒なクラス代表も嫌だ。だから一夏を誘導してハンデをもらい、自分が納得出来るようにした。

「いいだろ」

千冬が答えた。

「だが、一日ではセシリアのISの都合があるだろう。試合日は、金曜と土曜に変更だ。いいなセシリア、一夏」

「いいぜ」

「問題ありませんわ。後で後悔しても知りませんから」

また、思い通りにさせられた。セシリアは言葉とは裏腹に敗北感と不安でいっぱいだった。

 

 

「一夏、お前のISだが専用機が贈られるそうだ。状況が状況だ。情報収集のためのモルモットになれということだ。」

学校も終わりそうな頃、突然千冬がそう言った。

モルモットという単語に一夏は、思わず苦笑いをした。

「ん?まあいい。その専用機なのだか送られてくるのが土曜なんだ。」

千冬がそれだけ言うと、すぐにクラスを出て行った。

「専用機が来ると聞いて安心しましたわ」

うるさい方のモルモットが来た。

「私が圧勝することは決まっていますが、それを機体のせいにされては困りますから。ところであなたは専用機をおもちで?」

「いや無い。たぶん贈りたいって輩はいるが、受け取る気は今のところ無い」

丹陽は手元の参考本を見ながら答えた。

「専用機が贈られるなんて、織斑君すごいね」

「ところで専用機てなんだ?」

「ISて数が467と少ない。必ず企業なり国なりに所属していて、専用機てのは技術試験やらピーキー性能にして特定個人だけが使うようにしたやつって」

丹陽が参考本を見せた。

「こいつに書いてあった」

「467体だけ?なんでそんなに少ないんだ?」

「ISのもっとも重要な部分のコアって部分が完全にブラックボックスで、唯一製造出来る篠ノ之博士が製造をストップしてしまったから、だよね泉君」

「材料に限りがあるって理由もあるぞ」

「「え?」」

誰も聞いたことが無い情報に驚いた。

「いや。なんでもない」

丹陽は言うとまた参考本を見た。




主人公が口悪いですがどうか長く付き合ってください。


誤字脱字表現ミス、ご指摘お願いします。

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