インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜   作:地雷上等兵

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戦い方は原作とだいぶ違ってしまってます。それとワンサマー無双です。


第11話

クラス対抗戦の日。

一夏は第一アリーナのピットにいた。白式をすでに展開しており、後はアリーナに出るだけ。

「しかし、いきなり鈴が相手とはなあ」

初戦の相手は鈴で、鈴もピットで待機していた。

「まあ殺気が無い分更織よりはマシか」

「弱気になるな一夏!」

「そうですわ、私達が指導したのですよ。絶対に勝てますわ」

「指導ね〜」

同じピットにいたセシリアと箒が一夏を鼓舞するのだが、一夏はセシリアの指導の言葉に引っかかる。

ここ数日、箒とセシリアと一夏とで、模擬戦形式でのISの訓練を行った。模擬戦自体は、2対1で不利な状況をやらされたが、逆に追い込まれたことによって成長しているのがわかったが、指導と呼べるものは受けてはいなかった。箒はISについて説明してくれるのだが、擬音だらけで正直何を言っているのかわからなかった。セシリアは細かく説明してくれるのだが、細か過ぎて伝わらない。丹陽にも頼んだのだが、丹陽忙しく手伝ってもらうには忍びなかった。千冬姉も同様。

『時間だ一夏』

スピーカーから千冬の声がする。

『一夏君、時間が無いので手短に。凰さんが使っているIS 甲龍 は中国の専用機で実体剣を用いた近接攻撃が得意なパワータイプです。ただ第3世代機でロシアからの何らかの技術提供を受けたらしく、何かしらの武装を隠し持っていると思われます。深追いは避け、様子を見るようにしましょう』

「おう!」

山田先生のアドバイスを聞き一夏が答える。

一夏はカタパルトの発進台につく。

そういえばと一夏は思い出す。丹陽は昨日。一夏にアドバイスをくれた。

「鈴には気をつけろ。あいつは爆発する」

そんなわけないだろうが。

「じゃあ行こうか、白式」

一夏がピットから発進した。

[了解、一夏]

 

 

アリーナで一夏を待っていた鈴が悪態をつく。

「いつまで待たせる気」

鈴が小さな身体には不釣り合いな大きな声を出す。

「こっちだって事情が有るんだよ」

鈴が青龍刀を2振り展開した。その青龍刀は白式の雪片よりも一回りも大きかった。

「まあいいわ。じゃあはじめましょ」

「その前に良いか?」

「何?」

一夏はまだ武器を展開せず、鈴に訊く。

「この前の約束。俺が負けたら、なんでも言うことを聞くってやつさあ」

「当然有効よ!当たり前じゃない。それとも負けるのが怖いの」

鈴は頬が熱くなるのがわかった。もしかしたら聞かれていたのもしれないと。

「そのこともだけど、その後。鈴俺にたしか…」

「はあああああ」

鈴が迷わず一夏に突撃、両手の青龍刀で斬りつける。

突然だったが一夏は鈴の一撃を避けた。

「あぶねえ。何するんだ鈴!」

「うるさいわね!本当あんたって!」

鈴は一夏に接近、両手の青龍刀を次々と振っていく。一夏は雪片を展開、なんとか青龍刀を受け流していく。

「話している途中だったが仕方ない。鈴、勝負だ!」

一夏はスラスター吹かし鈴から距離をとった。鈴が追いかけるが速度で負けており、距離をとられる。

一夏は距離をとったことを確認してから反転。一気に鈴に向かった。接近し鈴とのすれ違いざま、一撃を放つが防がれる。一夏は接近した勢いを殺さず鈴から離れた。反転また鈴に接近。

「ちょこまかと少しはじっとしてなさい」

鈴は一夏に叫ぶが、一夏は耳を貸さず一撃離脱に徹する。

「あくまでそうするつもりなら、これでも喰らいなさい」

鈴は青龍刀を連結。それを一夏目掛けて投げた。

「それ俺の技!」

横に高速回転する青龍刀を一夏は無力化するためギリギリまで避けずいた。

「今だ!」

一夏は青龍刀を紙一重で上に避け、その柄を掴もうとした。

[自立制御]

白式が操縦権を拝借、一夏が空高く舞った。

[操縦権返還]

操縦権を返還されたことを確認するため、一夏は軽く手を握ったり開いたりする。

「白式なんで邪魔する?」

一夏の疑問に鈴が答える。

「一夏、なかなかいい勘してるじゃない」

「え?」

手元に帰ってきた、青龍刀を見ながら鈴は言った。

「こいつ、敵を取られること考えて中に高性能爆薬を入れて有るの。もしあのまま取りに行っていたら今頃ドカン」

「本当に爆発するのかよ」

一夏は雪片を握り直しまた鈴に突撃した。

「白式が助けてくれたし、頑張らなくちゃな」

「そう何度も何度も当たるわけないでしょ」

一夏のすれ違いざまの一撃を今まで道理に鈴は防ぐが、ここからはいつもと違った。一夏が鈴に張り付いた。

「しまった」

一夏は鈴が対応するより早く一度だけ斬りつけ、鈴を踏み台に跳び距離をとった。

「全く小賢しいわね!いつからそうなったの一夏!」

「いやそれ程でも〜」

「褒めてない!」

頭に血が登り始めた鈴は青龍刀を一夏目掛けて一直線に投げた。

一夏は青龍刀がこちらに向かっているにもかかわらず突っ込んだ。青龍刀が飛んでいる間は鈴は武器が無い。そこをつくつもりだった。

一夏は青龍刀を回避、無防備な鈴に突っ込んだ。

危機的状況の筈の鈴は、慌てることなくむしろ微笑んでいた。

鈴のその態度に一夏は疑問を覚えた。

[警告、危険危険危険]

突然の警告メッセージを受け一夏は迷わず機体を急上昇させ鈴から距離をとろうとする。が少し遅かった。

「うわあああ」

何かが一夏の足に被弾、その反動で前回転したところで背中を被弾した。

地面に向かって吹っ飛ばされる一夏。なんとか地面に激突寸前で止まる。そしてすぐさま回避行動を移る。一夏が回避した瞬間、一夏が元居たところは砂煙を上げていた。そして砂煙の中を砂煙を押しのける様にラグビーボール状の何かが見えた。が砂煙を抜けると見えなくなった。

「なんだよあれ!」

[敵弾種解析中]

白式が解析に移る。

「白式、早くしてくれ!見えないんじゃ除けようが無い」

一夏が回避行動をするが、相手は見えない弾を放ってくる。その為次々と被弾してしまう。

 

 

第一アリーナのピット内、大型ディスプレイがアリーナでの戦いを映す。

山田先生が大型ディスプレイの前でキーボードを操作していて、千冬がその後ろで腕を組んでいた。箒とセシリアが不安気にディスプレイに映る一夏を見ていた。

「今のは一体?」

セシリアの疑問に山田先生が答える。

「恐らく甲龍に搭載された第3世代型の兵器です。空間に圧をかけて衝撃を打ち出して攻撃して来る物だと思われます。ご覧の通りで衝撃は目で見えない上、恐らく射撃限界角度も存在しないと思われます」

「そんな…」

「そんな物一体どうすればいいんだ!」

箒が思わず山田先生に食ってかかる。

「落ち着け篠ノ之。山田先生に言っても仕方がない」

「すっすみません、山田先生」

「いや気にしないでください」

我に返った箒がディスプレイを見る。一夏の顔を見て驚く。

「それにあの馬鹿、何か愚策でも思いついたらい」

一夏は笑っていた。

 

「衝撃砲かぁ」

[ハイパーセンサー使用デモ完全把握不可能]

白式の解析結果で相手の使った手が分かった一夏だったが、分かったからといって打つてが有るわけではなかった。幸い距離をとったら鈴は攻撃してこなくなった。

「そうか!分かったぞ。鈴の衝撃砲は射程が短いだから、アウトレンジから攻撃すれば一方的に攻撃できる!」

一夏はそれを実行しようとするが。

[白式ハ長距離攻撃ガ出来マセン]

「あっそうだった」

一夏は落胆する。長距離武器があれば勝てたのに、と思いながら。無い物ねだりの上、仮に有ったとしてもまともに扱えるか分からないのに。まさに下手な大工は道具にケチをつける。

「白式のせいにしても始まらない」

一夏は何か突破口が無いか考える。

[雪片ハ投ゲナイデ]

「そういえば」

一夏は思わずニヤリとする。

[思考解析]

白式が一夏の考えを理解した。

「分かったか白式」

[透明人間モ足跡ヲ残スモノデス]

「そうゆうこと」

鈴がこちらの様子を見て怪訝そうにしていた。

 

 

「急にどうしたのよ。降参する気にでもなった?」

一夏は明らかに何か案を思いついた。そう考えた鈴は少しでも出方を探ろうと訊いた。

「そう思うか?」

「じゃあ来なさいよ。どうせ近接攻撃以外無いんでしょう。それとも私とこの龍砲が怖くなった?」

「そうさせてもらう」

一夏が鈴目掛けて突撃する。

「突撃しか能が無いの?また当ててやるわ」

鈴が龍砲を使い一夏を迎撃する。だが龍砲を撃ったタイミングで一夏が急降下、龍砲を回避する。 鈴は上昇し、降下する一夏に容赦無く掃射。一夏は速度を上げてそれを回避する。一夏は鈴の真下に着いた。

「尻に敷かれたいならいつでもしてあげるのに!」

叫びながら鈴は龍砲を連射、回避する事も考えやや広範囲に撃った。しかし一夏はピクリとも動かず被弾しながらもやり過ごす。

龍砲の連射が、終わったのを確認一夏はスラスターで回転し始めた。

「何やってるの?」

率直に鈴は訊いた。

「こうやって龍砲を弾くの」

回転速度を高めながら一夏は言った。

「一夏…ふざけてるの、もういいわ。終わりにしてあげる」

呆れた鈴は、龍砲を一夏目掛けて撃った。

「ああ勿論冗談だ」

鈴には、龍砲の情報を使って作られた合成映像によって衝撃波が見えた。衝撃波が一夏に着弾する直前、一夏は紙一重で回避した。まるで見える様に。

一夏は鈴目掛けて上昇する。

「なんで!なんで回避できるの!」

まぐれに決まってる。鈴はそう思い、今度はまだ使っていない、広範囲をカバー出来る拡散砲を使う。だか放たれた拡散砲は虚しく砂煙をたち上げるだけだった。

「あっやばい!」

紙一重で龍砲を避けていく一夏はすぐさま鈴に接近、雪片を振るった。

重々しい金属音が響いた。鈴はやられてはいなかった。だが青龍刀を遠くに弾き飛ばされた。

「決められなかったか」

一夏はもう一撃を喰らわそうとしたが、すぐに立て直した鈴が龍砲を撃った。

一夏は急降下、回避するものの距離をとられる。だが龍砲が回避出来る今また近づけばいい。

なんでなんでなんで!ハイパーセンサーだって完璧には見えない筈なのになんで回避出来るの?鈴は龍砲を拡散通常混ぜながら撃ったがどれ一つ当たらない。

一夏はまた鈴目掛けて突撃した。

鈴は龍砲を連射しながら気付く。

「アリーナが煙い…」

空気中に細かい砂が舞っていた。龍砲の衝撃波が放たれた時その砂が衝撃波に押しのけられ、衝撃波の大きさ形を示していた。合成映像でその光景が当たり前だった鈴はそれに気がつかなかった。

「あんた砂煙で見ていたのね。だからあんな変な事したり、常に私より下にいて私の龍砲で砂煙を上げさせていたの!」

「やべえ気付かれた」

[ノープロブレム、デス]

「おおそうだな!」

たとえ鈴が気が付いたとしても打つ手が有るわけではなかった。

鈴は接近させまいと弾幕を張る。が弾幕を掻い潜り一夏が接近、雪片の有効範囲に入る。

[零落白夜展開]

雪片が変形、光刃が現れる。

「俺の勝ちだ!」

 

 

一夏が勝ちを確信し切りかかった瞬間。

何かが遮断シールドを破り、アリーナの地面に激突。砂煙を作った。

明らかに異常な状態に、一夏も鈴も動かず砂煙を見つめる。

「一体なにが起きたんだ?」

「私だって訊きたいわよ」

煙りが晴れ中から現れたのは、恐らくはIS。全体的に黒く、全身を覆うISスーツに頭は装甲で覆われており肌は見えない。地面につきそうなほど長い腕。手や足、頭はなど装甲が着いている部位はいたるところに円形の突起物が有り、長い腕と合間って異様な見た目になっている。

『一夏、凰逃げろ!』

切羽詰まった千冬の通信が聞こえた。

[高エネルギー反応。危険危険危険]

通信の後すぐさま白式からの警告。一夏は鈴を抱え黒いISから離れた。黒いISはビームを放ちたった今一夏達が居た場所を撃ち抜いた。

「次は更織が待ってるのに。人気者は辛いぜ」

[全クデス]

 




原作の瞬間加速ってどれだけの加速力があるんでしょうかね。すぐ速くなるのかすげぇ速いのかそれともどっちもか?この二次創作の瞬間加速は最後の奴です。


誤字脱字、表現ミスありましたら、御指摘お願いします。

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