インフィニットストラトス 〜IF Ghost〜 作:地雷上等兵
プロローグ
男は部屋の中にいた。部屋に窓はなく、しかし蛍光灯により男が椅子に座り、机がありむかいに女性が座り、机の上に無数の写真があることがわかる。
男は写真を手に取りじっと見つめた後言った。
「これは本物なのか?」
机にある写真はすべて同じ女性を写していた。
「ああ、本物だ」
女性は質問に答えると続けて言う。
「こいつが居る所、何かするつもりらしい。だから手を貸して欲しい」
「わかった。だが条件がある」
「なんだ?」
男は写真を指しながら言う。
「こいつは俺の自由させてもらう」
「いいだろう。今日からよろしくたのむ"泉 丹陽"」
「泉丹陽?」
「そうだ、今日からお前の名前だ。縁起がいいだろ?それとこれが新しい身分とこれからのことが書いてある」
女性は資料を渡すとそのまま部屋を出て行こうとする。
資料を渡された男もとい丹陽は、それに目を通し驚く。
「まて、学園に入学ってなんだ?織斑。しかも明後日って!」
織斑と呼ばれた女性は、もういなかった。
男は机にある写真を見つめる。そこに写っていた女性は、幼いものの織斑と瓜二つだった。
織斑一夏は屋上にいた。久しぶりに会った、幼馴染とともに。
「久しぶりだな箒、全国大会以来だっけ?」
「よく覚えていたな」
箒と呼ばれた、幼馴染は顔を向けることなくそっけない返事を返す。
「忘れるわけないだろ、お前のことを。それにあの時と髪型だって同じじゃないか」
箒は顔を背け、自分の髪をいじりながら答える。
「お前が、一夏が似合う言ってくれたから…」
「本当にそう思ったんだよ」
あの時から変わっていない。その思いが、自然と箒の頬を赤く染めた。
「どうしたんだよ。急にだまって?」
一夏がそう言いながら、箒の顔を覗こうとする。
「う、うるさい。そんなことより、もう教室に戻るぞ」
箒は顔を背け、すたすたと歩いていく。
「待ってくれ」
一夏は、箒のあとを追った。
なんか気に障るようなこと言ったかな?
そう思いながら、思い出す。
もっと機嫌が悪いやつがいたな。
自分の口から、ため息が出るのがわかった。
[インフィニット ストラトス]
宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ。開発当初は注目されなかったが、アメリカから日本に向け放たれた約2000発もの大陸間弾道弾が発射される事件が発生。そのすべての大陸間弾道弾を迎撃し、さらにそれを鹵獲しようとしたものをすべて迎撃した。しかも、死者を出すことなく。それをきっかけに各国は、それの開発に勤しみ、それが最強であると認識された。もっとも、開発者が一人でその一人しか製造できずしかも失踪中。さらに、理由は不明だが、女性にしか起動することが"できなかった"
そう、今は違う。
桜が咲き、"新"という字が桜の花びらに負けないくらい飛び交う季節。
男は、IS学園校門前にいた。見た目は中性的な顔立ちに小柄な体型黒い髪は首元まで伸びていた。
一見すると性別が判断できないが、着ている服が男用のIS学園の制服なため、男であることがわかる そして、"新"入生であることもわかる。
一昨日入学が決まり、昨日一日中メディア関係で駆け回り、今日ここにいる。一昨々日の自分からは、想像できなかった、男はそう思い校門をくぐる。だが、男の顔は晴れ晴れとしていなかった。むしろ、機嫌が悪そうだ。
この二日、一般教養などの座学からメディア関係の対応など、慣れないことをやらさせられた男は、不満が態度に出ていたのである。
でも、目的達成には言うこと聞くしかないか。
男は、歩みをはやくした。
読み返してわかったんですが、誤字脱字が多かったです。
まだ見落としているかもしれないので、誤字脱字表現ミスご指摘お願いします。