今年は他の作品を出したりして時間がかかってしまいましたが、感想や指摘などを本当にありがとうございました!!
今年最後の更新ですが、来年もどうかよろしくお願いします。
夕方。会議が終わり、秋人はアリーナで白式を展開し三機のリヴァイヴに囲まれていた。
理由は会議の後、上級生達がサミット(世界会議)の情報を教えるように言い出したのが原因だった。サミット(会議)では各国の首脳だけでなくIS委員会の人間も参加しており、これで自分の存在をアピールすることができ自信の将来のためになると考えがあった。
専用機持ち、そして男である秋人が目障りなため情報を手に入れるだけでなく警備に参加できるチャンスを得ようと後輩を潰す事にしたのだった。
「最近調子乗ってるよね、男の癖にさぁ」
「先輩として、ここは指導してやんなきゃね」
「さっさと負けなさいよ」
「なんでこうなるんだ…? 」
秋人は面倒と思いながらため息をつき、三人は先ほどから自分達は偉いとかなんとか言っているが、全て無視した。無視された事で女達は怒り、試合開始のブザーがなると同時に三機は白式を囲ってライフルを連射する。
秋人はあらかじめ、彼女達の動きが分かっており。まずは、近くにいた一機に向け銃弾の動きを感じながら避けライフルを切り捨てる。距離をとり背後から二機が迫るが、後ろを向かず上昇し後ろからの攻撃も回避した。
「な、なんなのよあいつ!?」
「どうして当たらないのよ!!」
女達が狙いをつけ撃つが、一発も白式に当たらない。前に一夏が教えてくれた見聞色の使い方が身についたのか、秋人は焦った様子もなく今度は弾丸を弾きながら接近する。
「はぁぁぁ!!」
「きゃぁ!!」
単一仕様能力である零落白夜(れいらくびゃくや)を発動させ、一体目のリヴァイヴのエネルギーを0しISが解除される。試合が始まってたった数分で仲間がやられた事に驚きつつも、残った二人は笑を浮かべ秋人を見る。
「…ん?」
アリーナの端の方で、何かの視線を感じ姿は見えないが人の気配があった。だが、センサーには何も反応がなく、どういうことか? と考えていると再び二機の攻撃が始まる。
ブレードとライフルをそれぞれ持ったリヴァイブが白式の周りを飛ぶ。秋人は次の攻撃
に備え構えるが敵の二人は何故か笑を浮かべており、違和感を感じた時。自分に向けて殺意を感じ咄嗟に機体を動かすと機体にライフルの弾がかすった。
「なっ!?」
どこからか放たれるライフル弾を回避し。二機のリヴァイヴが攻撃してきた。
「はははっ!! どうしたの?」
「ぐっ!!」
ブレードを弾き、どこからかライフル弾が自分に向ってくる。センサーには何も反応はない、だが人の気配は確かにしている。
(!! まさか!!)
秋人は、二機から距離をとり気配のする方に向かう。ライフルの弾丸が前の方から向ってきて切り捨て、アリーナの壁に向け刃を立て切りつけると、一体にリヴァイヴの姿が現れた。
「やっぱり!!」
秋人は、姿を隠していたリヴァイヴに零落百夜を発動し一瞬で戦闘不能にし。後ろから迫ってくる二体に向かい、能力を発動したままの雪片の刃で一瞬で二体を倒してしまった。
「そ、そんな…」
「こんな馬鹿な…」
負けた上級生達は信じられない と言った顔で秋人を見るが。秋人は、傍に落ていた布のようなものを持ち眺めていた。
「なんだこれは…?」
「それは、IS用のステルス装備だ」
気づけば観客席にいたラウラが説明し、傍には箒達もいた。
「今はまだ軍でも実験段階と聞いていたが….」
「え? じゃ、なんでこの人達そんなの持ってたの?」
秋人が倒れている上級生達を見る。いくらIS学園の生徒といえど、私用の試合でISのセンサーまでごまかせる物を使っていいものか、そもそもどうやってこの装備を手に入れたのか… 秋人が考えていると、教員達が駆けつけ事情を説明する羽目になった。
後に試合をしてきた上級生達は取調べと何かしらの処罰があると聞かされるが、この時まだ秋人達は後に起こる事件の前触れであることに気づくことはなかった…