アリーナの上空に浮かび全身装甲で漆黒の剣を持つISに、秋人だけでなく今だ避難する一部の生徒や千冬達がおどろいていた。それは勿論、戦闘機を駆るテロリスト達も同様だった。
「新手か!!」
「だが、たった一機で!!」
戦闘機からミサイルが放たれ黒いISに向かって飛ぶ。
漆黒のISに乗る一夏は特に逃げる様子もなく、手に持つ剣を見てつぶやいた。
「まさか、俺がこんなの使うとはね?」
刃が漆黒で柄が金の装飾をされた太刀。
かつて、冒険をしていた時にいた世界最強の剣士が使っていた剣と似ており。
一夏は当初名も無きこの剣にある名をつける。
刀剣として最大級の大物とされる12工の内の一つ
黒刀 「夜」 と
「そんな剣なんかで!!」
テロリスト達が剣しか出さない正体不明の機体を見て笑い、一気に囲んでしまえば完全に撃破できる、と確信した時
一夏が漆黒の太刀が振る。
ザン!!
向かって来たいくつものミサイルが全て真っ二つに分かれ連鎖的に爆発を起こす。
「な!?」
「何が起こった!?」
「くそ!! だったらもう一発!!」
「よせ!! 奴よりも先に!! IS学園を!! 誘導部隊もそろそろ限界だ!!」
「 で、でも!! うわっ!!」
一夏が黒刃を振るい戦闘機の翼が切れた。翼をなくした戦闘機は煙を上げて海へ落ちそこからは一方的だった。漆黒の刃が振るわれる度に、他の機体も同じように翼を失くしあるいは、機体自体を真っ二つにされ次次と戦闘機が堕ちる。
「ば、馬鹿な、なんなんだ....なんなんだ!! アレは!?」
残り一機となった戦闘機。コックピットの操縦桿にサングラスを置いた男が目の前の現実に叫びを上げる。
今回の作戦は、地上と上空の二段での攻撃でIS学園に大規模な傷跡を残す計画だった。
迎撃のISが出る前に、弾頭を使い尽くし。最後には機体もろとも特攻し死に花を咲かせる覚悟で来ていた。
だが、現実は違った。剣のみを使うISのせいで学園に対したダメージを与える事ができないでいた。
「誘導部隊!! 応答しろ!! おい!?」
男が通信で地上の仲間と連絡するが、応答がない。となると、そちらの仲間も最悪な状況に追い込まれているとしか考えられなかった。
「ここまで、なのか...だが!! せめて、私だけでも!!」
弾頭を使い果たし。機銃を打ちながらアリーナに特攻を仕掛ける。試合場に今だいる秋人とセシリアに弾丸の嵐が襲いかかるが、一夏が二人の前に立ち「夜」で銃弾を弾く。
「え?」
「あ、あ....」
自分達を守ってくれた漆黒のISに二人は驚く中、一夏が久ぶりに見る弟を見て一瞬声をかけたくなったが。すぐに上空を見ると再び特攻してくる飛行機に向け、太刀を振るい斬撃が機体の翼を切り捨てた。
「クソ!! 私は、私は諦めんぞ!!」
コックピットが開き、男がパラシュートを開き脱出し戦闘機は海の方に落ち爆発が起こった。
一夏は降下する男に何をする事なく、ISを浮上させその場から立ち去ろうとすると
「待て!!」
管制室から千冬が静止の声が聞きこえ、自分を睨む千冬が見えたがすぐにIS学園から離脱する。が、進路の先に複数のISが待ち構えていた。
「そこの機体!! 直ちに止まれ!!」
「...今さら来たのかよ」
呆れた一夏は太刀を振って斬撃を出し、銃を構えていたISの装甲を切る。見えない攻撃に女性達が動揺する中。一夏は速度を上げてその場から離脱する。
ーー学園で襲撃が起こった日。
世界中でIS学園が襲撃された事件が報道されていた。
幸い死者はおらず、負傷者は少なかった事や
テログループのほとんどは元軍関係者が多く、長い時間をかけて今回の計画が行われたのが発覚。逮捕した一部の者から、今だリーダーは逃走中の事で現在も調査中と報道される。
さらにもう一つ。
かつて、最初のIS。白騎士を思わせるような謎の機体が出現し。テログループを撃退したとの情報が関係者から分かり調度、IS部隊とはちあわせするが逃走される。
後日、この謎の漆黒の剣を使うISは白騎士の再来を思わせる事からいつしか
「黒騎士」
と名づけられるようになるのだったーー