麦わらの一味の一人「一夏」   作:un

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 キノ×ISも進めていく予定です。


三話 秋人の戦い

 IS学園の道場にて、秋人の試合まで残り三日ーー

 

 

 「さぁ!! こい!! 秋人!!」

 

 防具を装備し、竹刀を構える箒と秋人。

 

 ISに関して素人同然の秋人が勝つために、箒が特訓を買って出たのだが。それが何故か剣道だった。

 

 「あのさ箒? IS乗らずに、なんで剣道なのさ?」

 

 「うるさい!! ともかく来い!!」

 

 もはや箒には言葉が通用せず、いきなり竹刀が襲いかかる。

 

 「く!!」

 

 秋人は箒の攻撃を竹刀で防御し、一旦箒から離れてからーー

 

 バシン!!

 

 「な!?」

 

 秋人は素早く接近し箒の小手を狙い竹刀が床に落ちる。

 

 「小手だよ、これで一本だね?」

 

 「くっ!! まだまだ!!」

 

 竹刀を拾い再び力任せに竹刀を振るう箒。秋人はそんな箒の剣を冷めた目で見つつ防御する。

 

 「どうした!? 手が出ないのか!!」

 

 「もう、やめにしよう」

 

 再び竹刀が床に落ちる音が響く。秋人が軽く竹刀を振るった体勢で箒が固まる。

 

 「ごめん。僕のためにしてくれるのは嬉しいだけど、君の剣はそんなのでいいのかい? それじゃ単なる暴力だよ」

 

 それだけを告げて秋人は箒に背を向け、道場から出て行くのだった。

 

ーーーーーーーーーー 

 

 道場の更衣室。

 

 既に部活動生が出ていき、急遽造られた男性専用室でシャワーを浴びる秋人。

 

 「違うんだ今の僕じゃ、ダメなんだ...」

 

 秋人の身体は、同年代とは思えない程鍛えられており。所どころにある体の傷は無茶をしたのは一度や二度では無い事を物語っていた。

 

 「もっと、もっと力を...誰かを守る力を!!」

 

 力強いつぶやきを口にし、その声は更衣室に侵入している一人の女生徒に聞こえていたが秋人は気づかない

 

 「...」

 

 青髪の少女は真剣な眼差し彼の後ろ姿を見て静かに部屋から離れるのだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 「で、どうですか?」

 

 「うん!! とっても美味しい!! これ、あっちの世界の料理なんだね?」

 

 テーブルの上に豪華な食事を並べられており、一夏と束が椅子に座っていた。

 

 「まぁ、コックがいたから手伝いして行くうちに覚えたんですけどね?」

 

 一夏は頭の中で、黒い足で敵をなぎ払い。女性に対して紳士になるコックの姿を思い浮かべる。

 

 「そうなんだ~~」

 

 「たく、口にソースがついてますよ?」

 

 ナプキンで束の口についたソースを拭き取る一夏。傍からみれば、まるで親子の食事風景だった。と、そこで機械音が流れ。空中に画面が浮かぶ。

 

 「束様」

 

 「ん? くーしゃん?」

 

 口に食べ物を入れたまま返事をし、一夏は始めてみる女性に顔を向ける。

 

 「束様、そちらの方は?」

 

 「ん、ごくんっ...ああ、いっくんだよ!! 最近戻ってきたんだ!! あ、いっくん、この子ねクーちゃんって言うんだよ?」

 

 「始めまして。私は束様のサポートとして動く、クロエと言う者です」

 

 「はぁ、どうも」

 

 感情を変えず挨拶する彼女にどう話したらいいのか迷っていると、また別の画面が出現する。

 

 「束様。先日掴んだ情報ーーテログループが日本に集結していると言う話しですが。どうやら事実のようでした」

 

 「ふぅん?」

 

 「テロ?」

 

 二つ目の画面には様々な兵器の図面が表示されて行く。

 

 ミサイル等の爆発物。さらに自動拳銃や刃物。さらには科学兵器までも大量に表示されていた。

 

 「あのね、いっくん。この間話したとうり。今の世の中では女尊男卑が広がってるの。そんで、たまにこの社会を変えるためにこんな馬鹿な事をしでかすのがいるんだ」

 

 「ISが原因でか」

 

 肯定。束が頷く。

 

 ISは女性しか使えない兵器。そのせいで日本の社会だけでなく、世界中で女が偉いと勝手な思想が生まれ、差別される者が生まれてしまった。

 

 ある者は職を失い。または、家族から見捨てられ。さらに国のために命を捨てて戦う兵士までもだ。

 

 

 「いっくんはさ? こんな束さんを許さない?」

 

 「...俺は海賊なんで、なんとも言えませんよ」

 

 二人はそこで会話をやめて、クロエからの情報を目を通す。

 

 その中には、三日後。日本のある場所を襲撃する事が書かれており

 

 そこは。被害に合った者たちにとって復讐の対象であるーーIS学園だった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 三日後ーー

 

 とある港にて武装した集団が倉庫で待機する。

 

 「皆、集まってるな」

 

 その中で、サングラスをかけた男性が台に乗り集団を見渡す。

 

 「今まで我々は祖国のため。そして家族のために戦ってきた。仲間を大勢失い、これが皆の未来のためと、苦しんだ」

 

 サングラスの男性。恐らくリーダーらしき男性はここにいる仲間を、同士達を見て大きく口を開け

 

 「だが!! どうだ!? ISなどと言う物ができ、我々には何が残った!? 戦場を奪われ!! 今まで戦ってきた兵を切り捨て!! さらに!! 家族までも、守ってきたはずの者たちに裏切られたのだ!! これがいいはずがない!! 」

 

 「そうだ!!」

 

 「我々が何故!! このような扱いを受けなけらばならない!?」

 

 「社会を!! 世界を正すんだ!!」

 

 集団が声を上げ、不満を。これまで受けてきた痛みを、悲しみを出す。

 

 「諸君!! 今日こそが!! 今まで耐えてきた我々の苦労が報われる日に!! 

 

 自由と平等を手にするために!! 戦おう!!」

 

 「「「 正しき世界を!!!!!! 」」」

 

 

 かくして、反乱を起こそうとする者達が動く。

 

ーーーーーーーーーー

 IS学園アリーナ

 

 

 「さぁ!! 私のブルーティアーズの力を思い知りなさい!!」

 

 「まだだ!! 僕はまだやれる!!」

 

 青いISと白いISが宙を舞う。青いISの傍から放たれるレーザーを回避するも白いISは追い込まれるが、ピット兵器を少しずつ落として行く。

 

 「秋人!!」

 

 待機所で箒が声を上げ不安げに見守り、アリーナのコントロール室で副担任の山田が真剣に身守る。

 そして、椅子に腰掛ける女性。

 

 「お、織斑先生。秋人君は?」

 

 「心配するな、アイツは自力で何とかする」

 

 一夏と秋人の姉であり、世界大会を二度制覇した女傑。

 

 織斑千冬だった。

 

 千冬は苦戦する秋人を見るだけで、顔色を変えない。 

 

 「はぁ、はぁ...」

 

 装備が剣一本しかない搭載されていな白式で、秋人は諦めず構える。エネルギーは余裕はなく。何とか接近して攻撃を続けて行くうちにセシリアの装備はライフルしか残ってなかった。

 

 「僕は、絶対に諦めないんだ!!」

 

 「くっ!! 私だって!!」

 

 代表候補生ーーセシリアがライフルを秋人に向け、引き金に指をかけた時だった。

 

 ドォォォン!!

 

 学園のどこかで爆発が起こり、気づけば緊急避難の警告が出されて、生徒達は悲鳴を上げ混乱していた。

 

 

 「何があった!? 状況を!!」

 

 「せ、先生!! 学園の一部で爆発が!! それに、こちらに向かってくる複数の物体が!!」

 

 スクリーンが出て学園の上空が映される。

 

 上空には何十機もの戦闘機が飛びミサイルが学園めがけて向かっていた。しかも、そのうち数発がアリーナに接近する。

 

 「くっ!! 」

 

 セシリアが残ったライフルでミサイルを打ち落とすが、先ほどの戦闘でエネルギーも余裕がない中でミサイルを打ち落として行く。しかし、セシリアの背後からもミサイルが接近していた。

 

 「セシリア!! 危ない!!」

 

 秋人が叫びセシリアに近づく。セシリアの背後から接近するミサイルを切り裂き爆発が起こり二人は地上に落下していく

 

 「うわっ!!」

 

 「きゃああ!!」

 

 二機のISが地面に叩きつけられるが操縦者を守るシールドが働き秋人もセシリアも怪我がなかったが、二機のエネルギーが底をつく。

 

 生身の二人に向け上空から新たなミサイルが迫る。秋人は少しでもセシリアをかばうため腕の中で抱いて、セシリアも恐怖のためか目に涙を浮かべ秋人に抱きつく。

 

 

 「あ~あ、何時の間に彼女なんてつくったんだ?」

 

 そんな軽口がした瞬間。二人に向かっていたミサイルが爆発し上空に太陽を背に一体のISが舞う。

 

 「それにしても、随分な花火だな。こいつは?」

 

 

 二人が恐る恐る見上げると、秋人の白式に似た剣を持った黒いISが出現したのだったーー

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  

 

      




 長くなりました、何かあれば感想等よろしくお願いします。

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