巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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すみません、前回楓の紹介を詳しくするのを忘れてました。ということでやらせて頂きます。
於野楓(おの かえで)
・紅葉の双子の兄
・2年生
・FW
・シスコン……というか、妹を大切にしてる
・紅葉の過去を知る数少ない人
・何か紅葉に隠している……?
これくらいかな。楓くんも結構謎が多い人です。
楓「それではどうぞ」


第24話 河川敷の練習

放課後。ユニフォームに着替えて、ボクは楓と一緒に河川敷へ向かっている。何故河川敷かというと、朝練の時、円堂監督が河川敷で練習すると言い出したからだ。河川敷は、よく楓がトモダチと遊んだというけど、ボクは行った事が無い。どんな所なのかな、楽しみ……!

 

「あ、紅葉先輩ー! 楓先輩ー!」

 

後ろから、天馬くんと信助くんが駆け寄ってきた。やっぱり天馬くん達も来たんだね。ボクは嬉しく思いながら、河川敷へ向かった。

 

 

 

 

 

其処には案の定、ボク達しか居なかった。あ、円堂監督は先に河川敷に来て待ってました。

早速練習を始める。ボクは楓とペアで、ディフェンスオフェンスの練習をしていた。

 

「たぁっ‼︎」

「ぃよっと!」

 

久しぶりにやる、楓とのサッカー。楓の実力はやっぱり凄い。ボクも楓も、ほぼ全力でやり合った。

 

「むぅっ……流石だね、楓っ!」

「お前もなっ!」

 

ボクは一瞬生まれた隙をつき、流れるようにボールを奪った。が、またしても楓にするりと奪われてしまう。こうなったら……! ボクは指を3回鳴らし、炎を出現させる。炎は楓の周りをぐるぐる回り、楓を囲んだ。ボクは楓に狙いを定め、左手で指差し、まるで銃を撃つように手を上に上げた。

 

「狐火バーン‼︎」

 

手を上げた瞬間に、炎は楓に向かって集まり、ボールを此方へ飛ばす。久しぶりに発動した、ボクの必殺技だ。楓は尻餅をつき、悔しそうに拳を地面に叩きつけた。

 

「くっそー、やるな!」

「もう一回、する?」

「勿論‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

この後も練習は続き、ボク達はヘトヘトになるまでサッカーをした。やっぱり幸せだ……。ボールが階段の方まで飛んでってしまい、取りに行こうとした時、ふとボクの足が止まった。剣城くんが、階段のところに立っていたのだ。円堂監督がそれに気付き、剣城くんに声をかける。

 

「ああ、来たか! 剣城、そのボール取ってくれ!」

「何……」

「サッカーやろうぜ!」

 

ニカッと笑う円堂監督とは対照的に、剣城くんはあからさまに不機嫌そうな顔をする。

 

「虫唾が走るぜ、あんたの『サッカーやろうぜ』には」

「そうか」

 

円堂監督はあっさり言い、他の方向を向いた。

 

「おーい、お前らもそんなとこに居ないで、こっち来いよ‼︎」

 

すると、三国先輩達が出て来た。みんな来てたんだ……。楓がふぅ、と息を吐きながら言った。

 

「やっぱ来てたか」

「楓、気付いてたの?」

「まぁな」

 

円堂監督は嬉々として、ゴールに立って言った。

 

「まずは、みんなのキック力を見せてくれ! 一本ずつシュートだ!」

「じゃあ、俺から蹴っていいですか?」

 

天馬くんがおずおずと手を上げて主張する。倉間くんが、一歩前に出て言った。

 

「でしゃばるな、新入り」

「よし、倉間からだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして順番にシュートしていき、天馬くんの番になった。しかしそのボールはゴールに入ることなく、逸れてしまった。円堂監督が、アドバイスを飛ばす。

 

「気にするな、シュートの威力はなかなかのものだ!」

「へーぇ、センスあんじゃんか、松風クン」

「え、本当ですか? ありがとうございます‼︎」

 

嬉しそうに、天馬くんがぺこりと頭を下げる。

 

「次ボク! ボク!」

「何言ってんだよ、俺だ俺!」

「じゃあ、紅葉からな」

「よしっ‼︎」

 

ボクはトコトコと小走りでボールの元まで行き、ボールに足を掛けた。

指を鳴らし、炎を出現させる。炎をボールに収束させ、ボクは右足でボールを蹴った。

 

「業の華‼︎」

 

飛んで行ったボールは華の蕾のように炎を纏い、華が咲くと同時にゴールネットに突き刺さる。これがボクのシュート技・業の華。

楓が陽気な声を上げ、ほーっと感嘆するように言った。

 

「あれ? お前って、シュート技使えたっけ?」

「うん! 最近ね」

「おお〜流石俺の妹だ!」

 

わしゃわしゃと頭を撫でられる。……嬉しいっ‼︎ ボクはスリスリと頬ずりをして、楓に抱き付いた。

 

「はいはい、ちょっと離れな。次は俺がシュート決めるんだからな」

 

ボクは仕方なく楓から離れ、ボールを蹴り上げた。楓が空に向かって雄叫びを上げ、飛んだ。月をバックにして半回転踵落としを浴びせた。

 

「フルムーンアサルト‼︎」

 

シュートは一瞬にしてゴールへ突き刺さり、トントン……と転がった。

みんなは唖然、ボクの目はキラキラと輝いていた。

 

「凄いっ、楓っ! かっこいい‼︎」

「ふふっ、当たり前だろ!」

 

楓がドヤ顔してるのにはあえて触れないよ。いつもならイラついて顔面ぐーぱんちの刑だけど、今回は許す!

 

「すげぇな、流石紅葉と楓だ! 最後は剣城!」




えーと、今回は初めて紅葉ちゃん達のシュート技が出ましたね。おさらいしたいと思います。因みに全部オリジナルです。
・狐火バーン…紅葉の技
指を3回鳴らし、炎の玉を出現させ、それを操り相手の周囲に配置し、紅葉の手の動きで炎を相手にぶつけ、ボールを奪うブロック技。
・業の華…紅葉の技
指を鳴らし炎を出現させ、炎をボールに収束させて、ボールを蹴る。シュートは華の蕾の形をして飛ぶが、キーパーが技をだそうとするもしくは止めようとすると、華が咲き、相手を花弁で包み込むシュート技。
・フルムーンアサルト…楓の技
雄叫びを上げ、夜の空間を作り上げる。飛び上がり、月をバックにして半回転踵落としでボールを蹴るシュート技。
……説明下手ですみません。
これからもオリジナル技とか出していくので、よろしくお願いします。

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