巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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どうも、座右の銘です。最近の日課は二度寝することです。
それではどうぞ。


第18話 鈍感

ボクの羞恥心を何処かへ飛ばして、先輩方の自己紹介を始めた。全員が終わると、すぐにユニフォームに着替え始めた。あ、当然女子更衣室でだよ? 流石にそこまでボクはアホじゃないよ。

第二グランドに出ると、部員達が練習をしていた。ボールを追いかけて、走るみんなは、何処にでもいる普通のサッカー少年だった。

ボクは自然と頬が緩み、練習を見ていた。

ふと、コツンと足にボールが当たる。ボクは足元に来たボールを爪先で蹴り上げ、リフティングを始めた。すると、倉間くんがイラついたのか、こう言ってきた。

 

「お前、練習する気あんのかよ」

「え? あ……」

 

嫌に思われたかな……? ボクはボールを足で踏んで、倉間くんにボールを渡した。シュンとして俯いていると、ボールが転がってきた。

 

「……? 倉間くん?」

「ほら、練習するぞ。来いよ。ぼーっとしてると、俺に取られるぞ」

「! はい‼︎」

 

ボクはボールを軽く蹴り、加速した。倉間くんを抜き去り、またブロックしようとしてきた倉間くんにフェイントをかけ、走り出した。

 

「チッ……」

 

倉間くんの舌打ちを流し、ゴール前までボールを運び、普通のシュートを打った。三国先輩はボールから目を離さず、ガッチリとボールをキャッチした。ボールはしばらく回転していたが、三国先輩の手の中で、おとなしくなった。

 

「いいシュートだったぞ!」

「は、はい‼︎ ありがとうございます‼︎」

 

ボクはペコっと頭を下げ、後退していった。

 

「……於野……本気の半分も出さずに打ったな」

「ですね。紅葉ちゃんが本気を出せる相手は、楓くんしかいませんからね……」

 

…………久遠監督と音無先生がそんな話をしてたなんて、知らなかったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習が終わり、ボクは拓人と蘭丸と一緒に帰ってた。もうそろそろ別れるときに、ボクは拓人にどうしても聞きたいことを聞いた。

 

「ねぇ、拓人。どうして朝から時々顔が赤くなったの?」

「えっ⁈」

 

またカァァと拓人の顔が赤くなる。一体どうしたのだろうか。

 

「風邪引いた? 熱でもあるの?」

「あ、あ、あ……べ、別に何でもない‼︎」

 

明らかにテンパってる。分かり易いなぁ……。←貴女は神童の気持ちを分かってないです。

すると、蘭丸がたしなめるように言った。

 

「紅葉、神童は疲れてるんだよ。キャプテンだしな」

「あ、そっか」

「そ。じゃ、また明日な」

「うん。拓人が倒れたら大変だもんね。拓人、お大事に」

 

ボクは拓人に無理をさせてはいけないと思い、拓人達と別れた。

 

 

霧野side

紅葉と一緒に帰っているからか、さっきから神童の顔が赤くなっている。まあ、好きな奴と一緒に帰れたら嬉しいよな。

紅葉はそれに気づいていたのか、神童に何故顔が赤くなっているのかと尋ねた。神童の顔がより一層赤くなる。神童はテンパり、紅葉は分かり易いなぁという表情をしていた。……紅葉、お前は神童の気持ちを分かってないぞ。

ここまでやると、流石に神童が持たない。俺は神童に助け舟を出し、紅葉を納得させた。

紅葉と別れ、神童と話しながら、2人で帰った。

 

「……お前も大変だな、神童」

「霧野……すまない」

「いいよ、そんなこと。紅葉が、あんなに鈍感だったなんてな」

「…………紅葉はもともと俺に恋愛感情は抱いてないんだ。ていうか、紅葉が恋愛に興味があるのかどうか……」

「おそらくないだろうな」

「だよな……」

 

神童が肩を落とす。あぁ、絶望のオーラが……。

 

「……でも、俺……気持ちを伝えるまで、頑張るよ。俺を好きになってくれるように」

「紅葉はお前の事嫌いじゃないと思うぞ?」

「それは幼馴染としてだろ? 俺は……それじゃあ嫌なんだよ……」

 

ーー思えば、神童が俺にこの事を話したのは、小学生の頃だった。俺なんか、初恋もしたことなくて、羨ましいなと思った。でもその相手が紅葉だと聞いた時は、びっくりした。当時の俺は、紅葉のことは友達として好きだったが、恋愛感情は抱いてなかった。話しているときの神童は、もう本当に乙女みたいだった。だから俺は、神童の恋を応援しようと心に決めた。自分の想いを心にしまって……。

 




なっ……き、霧野⁈ お前もか‼︎
霧野「お前が書いたんだろ。ま……確かに紅葉のことは……き、嫌いでは……ないけど」
まさか……お主、ツンデレか⁉︎ 私は好きだb
霧野「お前に好かれても困る」
なはは〜ですよね〜。最後に、霧野から一言‼︎
霧野「俺はあくまで神童を応援するつもりだけど……ま、俺達のこと、あたたかく見守ってやってくれ。これからもよろしくな」

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