巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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どうも、座右の銘です。
久々の更新。かなり書きました。
紅葉「それではどうぞ!」


第2章 雷門サッカー部〜片割れの復活〜
第17話 新しいトモダチ


ーーーー翌日、紅葉side

朝、ボクはクラス内で本を読んでいた。ボクの席は窓側にあって、優しい陽光が差してくる。次のページをめくろうとすると、頭上から声が降ってきた。

 

「……本当に隣だったのか」

 

拓人が鞄を机に置きながらボクを見ていた。そっか、昨日拓人はいなかったもんね。

 

「うん。改めてよろしくね、拓人」

 

ボクが微笑んで答えると、拓人は頬を少し赤く染めた。? 風邪ひいたのかな? ボクが首を傾げていると、蘭丸もやってきた。

 

「よっ、朝からお熱いねぇ」

「なっ⁉︎ き、霧野‼︎」

 

さらに頬を染めて拓人がガタッと立ち上がった。……ついに拓人までいじられるようになったか……。

 

「蘭丸、拓人はやめといたほうがいいよ。泣き虫だから」

「紅葉⁉︎」

「じゃ、紅葉をいじるから」

「え、やだよ! 拓人にして」

「紅葉〜⁈」

 

こんな風に拓人をいじって遊ぶボクら。拓人が泣き出したからやめたけど。

懐かしいな……小さい頃、こんな風に一緒に笑いあったな……。ボクは思わず、フッと笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー放課後

サッカー棟の入り口付近に着くと、後ろから元気な声がした。

 

「紅葉先輩、こんにちは!」

「こんにちは!」

 

振り返ると、天馬くんと信助くん、葵ちゃんがいた。

 

「こんにちは、天馬くん、信助くん、葵ちゃん」

「こんにちは紅葉先輩」

 

ボク達は4人でサッカー棟内に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します‼︎」

 

天馬くんの元気な声が部室に響く。でも、返事が返ってこない。誰もいないみたいだ。

 

「まだ誰も来てないみたいですね」

「やったぁ‼︎ 1番乗り‼︎」

 

信助くんがぴょーんと跳ねる。すごい高い……。

 

「信助くん、ジャンプ力すごいですね! びっくりしましたよ」

「えへへ〜」

 

信助くんが照れたように後頭部を掻く。可愛いな〜。

 

「おう、早いな!」

 

後ろから、先輩が入ってきた。入り口前に立っていたボクらは、サッと避けた。見ると、先輩達の他にも、蘭丸達がいた。

 

「先輩、お疲れ様です!」

 

天馬くんがペコっと頭を下げる。それに合わせて、信助くんと葵ちゃんが頭を下げた。

 

「あの! 練習前に何かやっとくことがあったら言って下さい! 俺、やりますから!」

 

天馬くんは早速働こうと尋ねたが、みんなは天馬くんの声を無視し、ロッカーに荷物を入れる。

少し遅れて、拓人が来た。それを見つけた天馬くんと信助くんと葵ちゃんが、早速挨拶しに行く。

 

「「「キャプテン、よろしくお願いします‼︎」」」

「あぁ」

 

拓人だけが、天馬くん達の挨拶に返事をしてくれた。

 

 

 

ボク達はサッカー部に正式に入部したため、自己紹介をすることになった。ボク達の他に、剣城くんと三つ編みで、カメラを持った女の子がいた。それと、オレンジ色の髪をしたお姉さんみたいな人が……。

春奈さんがその人に問うた。

 

「貴女はマネージャーに入るの?」

「違う。あたしは天馬と紅葉の施設応援団だ‼︎」

「何でボクまで⁉︎」

「だってあんた、女のクセにすっげぇ強えじゃん! あたし、あんたが気に入った。あたしは瀬戸水鳥。よろしくな‼︎」

「あ、ありがとう……。ボクは於野紅葉。よろしく」

 

新しく、水鳥ちゃんとトモダチになれた!

 

 

自己紹介は、天馬くん、信助くん、剣城くん、葵ちゃんと順番に終わっていった。次は、あの三つ編みの女の子だ。

 

「山菜茜。2年です」

 

茜ちゃんはそう言って、シャッターを切った。茜ちゃんが次に、ボクに向けてシャッターを切った。え? ボク撮られた?

 

「フフ……可愛い♪」

「え? やだなぁ、そんなことないですよ。茜ちゃんの方が可愛いですって」

「紅葉ちゃんの方が可愛いよ」

「……ん? あれ? 何でボクの名前知ってるんですか?」

「内緒♪」

「そ、そうですか……」

 

水鳥ちゃんの自己紹介も終わり、ボクの番になった。クラスの時は失敗したけど、今度は失敗しないもん‼︎

 

「は、初めまして! 蹴球神社第86代目宮司、於野紅葉です! ポジションの指定は特にありません。頑張りましゅ………………っぁぁぁああああああっ‼︎」

 

またやってしまったぁぁぁぁぁぁ‼︎ またみんなの前で盛大に噛んでしまったぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎

 

「ぅぅ……す、すみません……」

 

ボクはおそらく耳まで真っ赤だろう。顔が熱い。……ていうか、さっきからシャッターの回数が増えたような気がするんですけど⁉︎

 

「紅葉ちゃん……可愛い♪」

「せ、先輩! 大丈夫ですか……?」

 

天馬くんと信助くんと葵ちゃんがあたふたしながらボクをなだめようとしてくれる。水鳥ちゃんは「可愛い奴だなぁ!」とバシバシと背中を叩く。茜ちゃんは相変わらずシャッターを切り続けている。剣城くんに至っては笑ってるし……! 先輩やみんなは苦笑い。拓人はまた頬を染めている。

何でボクは毎回毎回こんな感じで噛んでしまうんだぁぁぁぁぁぁ‼︎

……散々な自己紹介だよ、ちくしょうが‼︎‼︎

 

 

 

 




紅葉ちゃん……可愛いよb
紅葉「っせぇ‼︎」
照れてる〜ww
紅葉「よし、歯ぁ食いしばれ」
ええっ⁈ ちょ、ま、ぎぃやぁぁぁぁぁぁ‼︎
紅葉「ぅぅ……すっごい恥ずかしかったんですからね‼︎ また感想をお聞かせください」

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